食物繊維が豊富な「キャベツ」食べ過ぎるとかえって便秘に? 摂取量を制限しなければならない人も…専門医が注意点を解説
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食卓に欠かせない定番野菜の一つが「キャベツ」です。サラダや付け合わせとして何気なく食べている人は多いのではないでしょうか。「キャベツは食物繊維が豊富」という印象が強いですが、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック(東京都中央区)院長で消化器内科医の石岡充彬さんによると、実はキャベツには胃や腸を守る働きや、栄養バランスの良さなど、見落とされがちな魅力がたくさんあるといいます。
ただし、「体に良いから」といって食べ過ぎると、かえって胃腸の不調につながることもあるということです。キャベツの正しい知識や、体にやさしい食べ方などについて、石岡さんに聞きました。
抗凝固薬を服用している人はキャベツの摂取量に注意

Q.そもそも、キャベツにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。キャベツを食べるメリットについて、教えてください。
石岡さん「キャベツは、1年を通して手に入る最も身近な野菜の一つです。安価で調理もしやすく、サラダ、スープ、炒め物と万能です。しかし、その真価は『胃腸をやさしく守る力』にあります。キャベツを食べるメリットについて、順番に解説します」
【胃腸を守る】
「キャベジン」という市販の胃薬を聞いたことはありませんか。その名前は、キャベツに含まれる成分に由来しているとされています。キャベツに豊富な「ビタミンU(S-メチルメチオニン)」は、胃酸によるダメージを修復し、胃粘膜を守る働きがあることが分かっています。実際に、胃潰瘍の治癒促進効果を示す研究報告もあります。
また、キャベツはビタミンCも豊富に含んでいます。外葉を含めた100グラム当たり約40ミリグラムのビタミンCを含み、ミカン1個分に相当します。抗酸化作用で細胞の老化を防ぎ、胃粘膜の炎症を和らげます。そのほかビタミンKや葉酸、カリウム、食物繊維なども豊富で、胃腸から全身の健康を支える理想的な栄養バランスを持っています。
【がん予防や美肌にもうれしい成分】
キャベツを含むアブラナ科野菜には、グルコシノレートという植物化学物質が含まれています。これがそしゃくや刻むことによってイソチオシアネート類に変化すると、細胞内で発がん性物質を無害化する酵素を活性化する可能性があることが、実験的な研究や疫学的なレビューで示されています。ただし確定的な証拠はまだ十分ではなく、あくまで「可能性として注目されている段階」です。
【食べ方のコツ】
ビタミンUやビタミンCは熱に弱いため、千切りや浅漬けなど、生食や短時間加熱がお勧めです。一方、脂溶性のビタミンKは油と一緒に取ると吸収率が高まります。「千切りキャベツにオリーブオイル」や「蒸しキャベツにごま油」は理にかなった組み合わせです。1日の摂取目安量は100〜200グラム(およそ6分の1玉から8分の1玉)。食事の中で少しずつ取り入れ、継続的に食べることが胃腸の健康維持につながります。
Q.では、キャベツを食べ過ぎた場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。
石岡さん「キャベツは胃にやさしい野菜ですが、食べ過ぎれば逆効果になることもあります。診察室でも『毎食山盛りにして食べていたらおなかが張って苦しくなった』という相談をよく受けます」
【腹部膨満・便秘などの消化器症状】
キャベツに多く含まれる不溶性食物繊維は、便のかさを増やし腸を刺激して、排便を促す働きがあります。そのため、腸の動きが保たれている人の場合は便通の改善に役立ちますが、すべての便秘に適しているわけではありません。
特に、腸の動きが悪い「大腸通過遅延型」の便秘では、便の量が増え過ぎることでかえって腸に負担がかかり、腹部膨満感や便秘症状の悪化を招くことがあります。このタイプの人には、不溶性食物繊維よりもオートミールや海藻、果物、水溶性食物繊維入りサプリなどに含まれている水溶性食物繊維の方が適している場合があります。水溶性食物繊維は便を軟らかくし、腸内細菌により発酵されて短鎖脂肪酸を生み出すことで、腸の動きを穏やかに整えます。
一方で、不溶性食物繊維を多く含むキャベツを取る際は、加熱して繊維を柔らかくすると膨満感が軽減され、消化しやすくなります。つまり、「便秘に食物繊維が良い」とは一概に言えず、ご自身の便秘のタイプに合わせた取り入れ方が重要です。腹部膨満や排便困難が続く場合は、医療機関で便秘のタイプを確認した上で、食事の方向性を相談しましょう。
【甲状腺機能への影響】
キャベツなどのアブラナ科野菜には、ヨウ素の利用を妨げる性質をもつゴイトロゲンという成分が含まれています。極端な例ですが、1日1キロ以上の生のキャベツを長期的に摂取した場合は甲状腺機能に影響が出る場合がありますが、1日数百グラム程度の摂取量であれば問題ありません。
話がそれますが、むしろ注意が必要なのは、慢性甲状腺炎(橋本病)などの甲状腺の持病がある人のヨウ素の過剰摂取です。昆布やワカメなどの海藻にはヨウ素が非常に多く含まれ、昆布1グラム当たり約2000~3000マイクログラムに達します。日本人の成人の1日の推奨摂取量の130マイクログラムをはるかに超えるため、海藻を長期的に取り過ぎることで甲状腺疾患のリスクが高まることもあり、注意が必要です。
【薬との相互作用】
抗凝固薬(ワルファリン)を服用している人は、キャベツに含まれるビタミンKの摂取量を急に変えると薬の効果が不安定になることがあります。生キャベツ100グラム当たり約78マイクログラム(ゆでると約110マイクログラム)と比較的少なめですが、抗凝固薬(ワルファリン)を服用している人が摂取量を急に増減させると、薬の効果(PT-INR値)が変動しやすくなります。
一般的に、ビタミンKの摂取量が1日150マイクログラムを超えると、ワルファリンの効果がやや弱まる傾向が報告されています。「キャベツを食べてはいけない」わけではなく、食べる量を日ごとに大きく変えないことが何より大切です。サラダや付け合わせで毎日同じ程度を取る分には問題なく、健康的な食生活の一部として安心して取り入れられます。
オトナンサー編集部
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