「障害者は公園にでも行け!」 自閉症児を育てた識者が直面した“多様性の受容が進まない”社会の現実
- オトナンサー |
子育て本著者・講演家の私は、自閉症の息子を育ててきました。自閉症児を育てていて、そのコミュニティーにどっぷり浸かっていると、いい意味で感覚がまひしてきて、あまり気にならないことがあります。
大きな声で叫ぶことがある女性
例えば、手をひらひらさせたり、ジャンプしたりする「常同行動」です。常同行動とは、周囲からすると意図が分からない行動を繰り返すこと。奇妙にも見える行動のため、やめさせたい親御さんもいるかもしれませんが、これは本人が精神の安定のために行っていることもあるので、無理やり静止する必要はないと思います。
一方で、他人に迷惑をかける行動の場合は困ります。例えば、小さな子どもの鼻にこだわりがあり、いきなり赤ちゃんの鼻を触ろうとする…などです。
私より年齢が少し下の女性の支援を行ったときのこと。その女性は、大きな声で叫ぶことがありました。本人も大声を出したくて出しているわけではないので、次のような工夫をしていました。
・声を出していないときに褒め、声を出しているときには、声を出さないよう静かに注意をする
・公共交通機関を利用する際、バスは密室になるので利用せず、電車にする。電車内では周りに誰も座っていない席に座る
・声を出したら電車を降りたり、あめやガムを食べさせたりする
・遠回りしてでも、駅の間隔が短い各駅停車の電車に乗る
また、ご家族は主治医と相談して、薬の調整をするなど対応されていました。ところが……。
「障害があったら電車に乗ってはいけないんですか!」
ある日の移動支援中、女性は駅前の広場で大声を出しました。車内などではなく、広い場所だったので、私は特に注意をしませんでした。電車に乗る前に思い切り声を出すことで、「電車内では静かにする」という約束をしようと考えたからです。
すると、見知らぬおじいさんが近づいてきて、私がヘルパーであることが分かったのか、「あんた、静かにさせんか!」と怒鳴りつけてきました。
私は「障害があるんです。ご本人だって困ってるんです。ここは車内でもホームでもありませんよ、電車に乗る前に落ち着かせているんです」と言いました。
すると、そのおじいさんは「ここも駅構内だ! 電車に乗らないで、障害者は公園にでも行け!」と怒鳴りました。
倍返しをする気質の私は、「障害があったら電車に乗ってはいけないんですか! それに、公園だって小さな子どももいますし」と言い返してしまいました。
その出来事を別のヘルパーに相談したら「立石さん、悔しくてもそこはグッとこらえて、謝罪すべきだったよ。言い合いをしたら、利用者さんだって不安になるでしょう」と叱られてしまいました。
私は自分の感情をぶつけてしまったことを反省しましたが、今でも腹が立ち、モヤモヤします。
「多様性を受け入れる」「インクルーシブな社会」…昨今、そんな耳に心地よい言葉が飛び交っていますが、現実として、まだまだ世間の理解は進んでいないのだなとも思います。
子育て本著者・講演家 立石美津子
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