兵庫の“高速密集地帯”貫く新ルート「第二神明北線」延伸どこまで進んだ? 構造ガラっと変更も 事業費“720億円”増額に
- 乗りものニュース |

キャパオーバーの「第二神明」のバイパスに
国土交通省近畿地方整備局は2025年12月、事業評価監視委員会を開催し、国道2号「神戸西バイパス」について進捗などを共有しました。
建設中の神戸西バイパス(画像:NEXCO西日本)
神戸西バイパスは、阪神高速3号神戸線から続く国道2号の有料バイパス「第二神明道路」に対して山側に並行する計画のバイパスです。一般部とNEXCO西日本が管理する有料の専用部「第二神明北線」からなります。
12.5kmのうち、垂水JCT-永井谷JCT(阪神高速7号北神戸線)間の5.6kmは一般部と専用部とも1998年、明石海峡大橋(神戸淡路鳴門道)とともに開通しています。
この、高速道路密集地帯を貫く第二神明のバイパスを、そのまま明石市近くまで延ばすのが今回の事業です。北線の未開通部に並行する第二神明の伊川谷JCT-玉津IC間では、1日7万5000台の交通容量を大幅に上回る9万台以上が集中しており、その混雑緩和が期待されています。
そんな第二神明北線ですが、今回、事業費が720億円もの増額となりました。大きな要素は構造の根本的な見直しです。
永井谷JCTでは、北線の有料道路事業化に伴い、料金所施設の追加などを反映した結果、橋梁の幅員増加や構造形式の見直しが必要となりました。これで269億円の増加です。
また、第二神明に接続する終点の石ヶ谷JCTでは当初、ランプが本線の下を函渠でくぐる構造だったところ、断層などの存在が判明。地震などで函渠と第二神明本線が同時に被災して緊急輸送路としての機能が確保できないリスクを鑑み、第二神明本線をオーバーパスする橋梁形式へと抜本的に変更しました。これで123.8億円の増加となっています。
事業費の見直しに伴い、2024年3月末時点で約71%だった事業進捗率は、2025年3月末時点で約60%になっています。用地取得率は約99%で変わりません。
なお、開通後の第二神明北線には、第二神明と一体的な料金体系が導入される見込みです。
既存の阪神高速3号線ー第二神明ルートに対し、第二神明北線は神戸側で延伸事業が進む阪神高速5号湾岸線と将来的に直結する計画です。明石海峡大橋とも連絡する神戸-明石の新たなバイパスとなるだけでなく、大きく見れば大阪湾岸-播磨臨海地区を結ぶネットワークとなります。
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