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【最愛考察】自殺or他殺? どの道を選んでも報われなかった橘の人生

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  • マイナビウーマン
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※このコラムにはドラマ『最愛』第7話までのネタバレが含まれます。

(c)TBS

ほのぼのと重厚なストーリーが交錯した第7話でしたが、今回は、フリーライター橘(田中みな実)にスポットを当てて考察していきます。

■橘の切ない物語

(c)TBS

今回は、フリーライター橘のなんとも悲しい人生の一幕を垣間見たストーリーでした。

橘と梨央(吉高由里子)は15年前、陸上部の合同合宿時に接触していました。その時に橘は渡辺(朝井大智)の暴行被害に遭い、彼女の人生は事件から一転してしまいます。

大学は休学したものの新聞社に勤め、賞を取るほどに優秀で、側から見たらバリバリ働く優秀な記者であった橘。しかし、渡辺の被害に遭ってから彼女の心は死に、憎しみを抱きながら生きる今の姿は本来あるべき自分ではないという葛藤があったのでしょう。

今話の冒頭で、橘が「もしもあの時違う道を選んでいたら……あの人に会っていなければ……」ともしもを繰り返していたことも、被害に遭わなかった世界線を望み、考え続けながら生きてきた彼女の人生を描いていてとても苦しくなりました。

それだけ渡辺の犯した罪は重いことを改めて視聴者に思い知らせてくれる冒頭でした。

■「不公平ですよね」の理由

(c)TBS

橘の「もしも」の葛藤の一つには、被害に遭う直前、最後に梨央に接触したことも挙げられるでしょう。

あの時、「渡辺に担ぎ込まれていることに、梨央が異変を感じてくれていたら」「忘れずにお水を持って探しに来てくれていたら」「そもそも私が選ばれていなければ」「自分でなく梨央が被害者になった可能性だってあるのに」というもしもの数々。

姉御肌と言われるほど信頼も厚く面倒見がよく笑顔に溢れていた橘は、事件の被害者となったことで全てを失い、一人で孤独に戦う記者として陰の存在に。かたや梨央は、華々しく人々の注目を集めメディアに取り上げられる女社長。

同じ場所にいたはずなのに、こんなにも人生が違ってしまった。被害に遭う直前に二人が接触した瞬間が橘にとっては人生の分岐点のように感じられ、以前言っていた「不公平」という言葉に繋がったのでしょうか。

梨央のように「生きてるだけで注目されたい」とまでは言わず、せめて再会した時に彼女だけでも橘のことを覚えてくれていたら、多少の救いになったのかもしれません。

しかし、現実は梨央すら橘のことを覚えていなかった。あの瞬間の橘の切ない表情は本当に胸をえぐられます。

■皮肉に皮肉が重なる「殺されて注目」の伏線

(c)TBS

橘は梨央も渡辺の被害者(未遂ですが)であることを知らないからこそ、このような感情を抱きながら生きてきてしまったのでしょう。

では、橘のように「もしも」で考えた時、梨央の被害を知ったら彼女が救われたり、今が変わったりしたのでしょうか?

もしかすると、つらい経験を乗り越え目標を持って前に進んでいる梨央の姿を知ってしまったら、過去に囚われながら生きている自分と比べて一層惨めな気持ちになっていたかもしれません。

幸か不幸か、その事実を知ることなく橘はこの世を去ることになってしまいました。第6話で「殺されるのも悪くない。名前がトップニュースに出る。大勢の人がかわいそうと言ってくれる。殺されでもしなきゃ世間に注目されないなんて」と言っていたのが、皮肉にも本当にその通りになってしまうとは。

さらに皮肉なのが、そのトップニュースがテレビで流れている横で、梨央は全く注目することなく優(高橋文哉)と朝食を楽しんでいるという……。自分と対比の人生を歩んできたとして妬みの対象であった梨央に、死の瞬間すら注目してもらえず、唯一の願いもかなわなかった橘の悲しすぎる幕引きとなってしまいました。

■「報い」を受けるのは橘自身も?

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梨央が「あなたが、あの人(渡辺父)を……(殺したの?)」と問うと、橘は涙を浮かべながら微笑を浮かべていました。はっきりと殺したことは明言していませんでしたが、事件当日の8月3日の夜、行きつけのバーにアリバイをお願いしていたことからも彼女が殺した説が濃厚です。

しかし、身長150cm台の小柄な橘が180cm台の渡辺父を突き落とせるのか? というのも少し疑問ですが……。

「(渡辺父は)謝りもしなかった。罪を犯した人間は、報いを受けるべきなんです」と橘は語っていましたが、渡辺父を殺害した橘も結果、報いを受けることになってしまいました。

梨央に罪を告白し、自らも殺人の報いを受けるべく自殺したのか。はたまた真田グループの秘密を握ったことで何者かに殺されたのか。橘の上席にまで真田の悪事の話は伝わっていることは後藤(及川光博)も知っているので、わざわざ殺しても不正は隠せない上にリスクを負うため後者はないように思います。

あの時の「報いを受けるべき」のセリフは渡辺一家だけでなく、橘は自分自身にも言い聞かせていての自殺だったのかもしれません。

■山尾さん! 後輩に舐められてますよ!

(c)TBS

大輝(松下洸平)が梨央との関係から、所轄に異動となってしまいました。その原因をつくった桑田(佐久間由依)が大輝に飲み屋で詫びている時、机に置かれた焼酎ボトルには「山尾」(津田健次郎)の文字が……。山尾係長! 勝手に部下にボトル開けられてますよ!

また、渡辺父に500万円を渡していた大元は後藤だったことが判明しましたが、その目的はなんなのでしょうか。謎が解き明かされると共に、また一つ謎が増えた今回。ラストまであと3話と迫ってきましたが、次回はどんな真相が待っているのでしょうか。

(やまとなでし子)

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