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「生理痛」と「排卵痛」の“4つの違い”とは? 婦人科疾患が潜む可能性も…産婦人科医が解説

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生理痛と排卵痛、何がどう違う?
生理痛と排卵痛、何がどう違う?

 女性の生理(月経)周期に伴って起こる「生理痛」と「排卵痛」。女性の中には、「生理痛より排卵痛の方がつらい」「排卵痛は感じたことがない」といった人もいるようです。痛みを伴う点ではよく似ていますが、あなたはこの両者の違いを正しく知っていますか。

「生理痛」と「排卵痛」は何がどう違うのか、神谷町WGレディースクリニック院長で産婦人科医の尾西芳子さんが解説します。

どちらも基本的には「痛みがない」のが自然

 まず「生理痛」とは、月経(生理)の起こる数日前から、特に2〜3日目にかけて体のさまざまな部位に起こる痛みのことです。一方、「排卵痛」とは、前の月経と次の月経の間にある排卵日の前後に起こる痛みです。月経周期には個人差があるので、痛みが起こる正確な時期は特定しづらいのですが、例えば35日周期の人だと21日目前後が目安になるかと思います。

 生理痛と排卵痛には、「痛みが起こる時期」以外にも、「痛みの原因」「出血量」「痛みが起こる部位」に違いがあります。

【痛みが起こる原因】

●生理痛

不要になった子宮の中の膜(経血)を出すために、子宮がぎゅっと収縮することが原因です。特に病気がなくても起こりますが、「子宮内膜症」の場合、子宮と他の臓器がくっついてしまう「癒着」が起こるケースがあり、この場合は引っ張られて痛みが出ることがあります。また、「子宮筋腫」や「子宮腺筋症」があると、一部分が不自然に、過度に収縮することにより痛みが強く出ます。

●排卵痛

排卵は「卵子が卵巣の皮を突き破って飛び出すこと」なので、その際に痛みを感じることがあります。ただ、何もない状態では、過度の痛みを感じることはありません。そのため、痛みが強い場合は、卵巣部分に卵巣と他の臓器がくっつく「癒着」が起こっている可能性が考えられます。

【出血量】

●生理痛

生理時の経血量が多い(過多月経)と、外へたくさんの経血を押し出すために、子宮の収縮が激しくなりやすいです。よって、過多月経の人は生理痛が重い傾向にあります。

●排卵痛

排卵時は、出血することもあればしないこともあります。排卵時に出血するのは、卵子が卵巣を突き破って出てくるという物理的な理由の他に、ホルモン量の変化によるものとも考えられています。

【痛みが起こる部位】

●生理痛

下腹部では、中央部分に痛みが出ることが多いです。腰回りにも痛みを伴うことがあります。

●排卵痛

下腹部に痛みが出ますが、左右差があります。

 基本的には、生理痛も排卵痛も「ない」のが自然であり、あったとしてもごく軽度です。生理痛や排卵痛がひどい場合は、子宮内膜症やクラミジアの感染により、おなかの中で「癒着」が起こっている可能性も考えられます。

 痛みの度合いがごく軽度であれば様子を見るのもありですが、痛みが徐々に悪化している場合、出血を伴う場合、痛み止めが効かない場合などは、早めに婦人科を受診しましょう。

オトナンサー編集部

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