多摩モノレール延伸ルート「町田ゼルビアのポーズ」っぽい? ファン歓喜も妙なZ字ルートのワケ
- 乗りものニュース |

東京の多摩地区を南北に結ぶ多摩都市モノレールが、町田市まで南側に延伸されそうです。奇しくも町田市をホームタウンとする「FC町田ゼルビア」の「ゼルビアポーズ」を描くかのようなルート。沿線を歩いてみました。
新しいモノレールはゼルビアの「Z」を描く? 選手からも期待の声
多摩地区を南北に結ぶ多摩都市モノレール、その南端の多摩センター駅から町田市までの延伸計画が、実現に向けて大きく動きました。2022年1月28日、東京都の委員会にて検討されていた4ルートのうち、都市間を短絡する「Aルート」(13km)より3kmほど遠回りとなる「Bルート」が選定されたのです。今後の調査によって変更の可能性も残されていますが、具体的なルートの決定は、延伸の実現に向け一歩を踏み出したと言えるでしょう。
このルートに大きな期待を寄せているのが、プロサッカーチーム「FC町田ゼルビア」とそのサポーターです。本拠地・町田GIONスタジアム(町田市立陸上競技場)を経由するため、「ホームゲーム開催時のアクセスが改善される」とされています。
多摩都市モノレール多摩センター駅。延伸時は手前の分離帯に橋脚が立つ(宮武和多哉撮影)。
スタジアムは市北部の丘陵地、野津田公園にあり、サッカー観戦が「野津田登山」と呼ばれるほど。また近くを通る芝溝街道(都道57号)はシャトルバス・路線バスの遅れが生じる渋滞の名所でもあり、ゼルビアの運営側ですら「天空の城・野津田」「楽しいピクニック」という看板を掲げ、ホームページにはバス・鉄道の所要時間とともに「セルフ男気コース」として鶴川駅からの徒歩(60分)も勧めています。JR町田駅などからも遠く、市内からですらアクセスが不便です。
ゼルビアは2021シーズンにはJ2の22チーム中5位に入るなど、チームの将来性もあります。J1昇格を見据え、スタジアムもJリーグ機構が定める国際試合の開催基準(ディビジョン1)をクリアするために観客席を増設したばかり。モノレールが整備されれば、このスタジアムに周辺駅から10分程度でたどり着くことが可能で、今回のルート決定の一報を受けて長谷川アーリアジャスール選手、クラブアドバイザーの李 漢宰さん(2020年に現役引退)などが延伸に期待を寄せています。
また、モノレールの延伸ルートが、ゼルビア(Zelvia)の頭文字である「Z」状に折れ曲がっていることも話題となっています。あたかも、Abema TVの番組が発祥の「ゼルビアポーズ(両手を開いた状態でZの文字を作る)が地図上に描かれたかのようです。もちろんゼルビアにあやかって引かれたルートではありませんが、どのような事情があったのでしょうか。
現地でわかったグネグネルートになったワケ
モノレールが延伸される多摩センター~町田間の移動手段としては、新百合ヶ丘へ迂回・乗り換えを必要とするものの、小田急を利用することも可能です。そうしたなか、あえて遠回りなルートに決定した理由としては、回り込んだ経由地で需要をある程度見込めることが挙げられます。
特にスタジアムのお膝元である野津田は、神奈中バス(神奈川中央交通)の営業所や車庫があり、朝には町田市街方面へのバス(町26系統など)が1時間に10数本、発車していきます。利用者も多いものの、周辺道路は先述の芝溝街道、鎌倉街道も含めて片側1車線の区間が多く、朝晩の渋滞に入るとなかなか動きません。このため、「Z」ルートの中ほどに位置する図師町や、小山田桜台団地などからもモノレールに期待が寄せられています。また沿線には、幼稚園から大学まで合計で1万人前後の児童・生徒を擁する桜美林学園をはじめ、日大三高、野津田高校などもあり、通学需要も見込めます。
野津田公園周辺。左上にGIONスタジアム、右に野津田球場(画像:写真AC)。
多摩センター~町田間の移動で見ると、現行の多摩都市モノレールの運賃では400円を超えるなど小田急より不利な面もありますが、町田市内での移動や、野津田などから多摩センターの移動手段と考えれば、棲み分けができると判断されたのかもしれません。
なお、遠回りなBルートが選ばれた理由としては、当初有力とみられていたAルートが「奈良ばい谷戸」などの水脈がある小山田緑地をトンネルで抜けるため、環境への懸念が払拭されなかったという事情もあります。
モノレールは「町田ジェットコースター」に? 延伸も視野に道路整備が進む市内
とはいえ検討されていた4ルートは経由地が共通の部分も多く、経由が確定していた地域では、モノレール建設を前提とした道路の整備も進んでいます。
町田市も東京都の事業と連携して、いったん町田市が土地を買収し、道路完成後に東京都へ売却するというスキーム(枠組み)で先行して道路の整備を進めており、2021年時点では、町田市内の旭町3丁目~本町田間で陸橋などが姿を現していました。もし道路として先行整備されれば、町田駅前通りや鎌倉街道まで回り込まずに本町田方面に抜けるバイパスとなるため、モノレール開業に先行してバス路線の開業もあるかもしれません。
町田駅近辺では、かつて噴水広場として活用されていた場所が片側3車線の「原町田大通り」として整備されており、さらにモノレールが通じる芹が谷公園方面への延伸準備が進められています。多摩センター側でも、中央部に空間がある「多摩モノレール通り」が町田市の市境近くまで続いています。すでに延伸ルートの両端と、途中の一部区間でモノレールを導入できる道路が開通済み、もしくは整備中、といった状況です。
町田駅に近い原町田大通りをゆくバス(宮武和多哉撮影)。
野津田のスタジアムが「天空の城」などと言われるように、この延伸ルートは高低差がかなりあることがわかります。多摩センター側の多摩モノレール通りも、町田方面へ進むと狭く、長い下り坂に。また、町田駅側のルート上に位置する芹が谷公園も、周囲との高低差が大きい窪地になっています。モノレールが公園を横断するのか、少し離れた位置を通るのかは、まだ明らかになっていません。
※ ※ ※
多摩都市モノレールは現行区間でも、認可から部分開業まで7年を要しており、実際の延伸はまだまだ先の話です。しかし開業すれば、J1昇格を目指すゼルビアにとって、この上ないアシストにあるでしょう。モノレールによって一挙にアクセスが改善され、満員のスタンドから“ゼルサポ”の「マァチダァ、オレ~オレ~!」というチャントが聴ける日に期待したいところです。
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