ノロノロ運転も取り締まり対象に? 生活道路の“時速30キロ制限”でハマりやすい落とし穴【弁護士解説】
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ノロノロ運転をした場合も取り締まりの対象に?(画像はイメージ)
生活道路の法定速度が9月1日、時速60キロから30キロに引き下げられました。ただ、どの道路が生活道路なのか分からないといった声も多く、SNS上では「ノロノロ運転の車が増えそう」「狭い道はノロノロ運転で行くことにする」といった声が多く上がっています。
もし生活道路なのか一般道路なのか分からず、法定速度が時速30キロに制限されていない場所で遅く運転した場合、取り締まりの対象となるのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。
後続車に道を譲らなかった場合は取り締まりの対象に
Q.もし法定速度が時速60キロの道路で時速30キロで運転するなど、法定速度より遅い速度で運転したとします。この場合も取り締まりの対象になる可能性はありますか。
佐藤さん「法定速度を大きく下回る速度で運転する、いわゆる『ノロノロ運転』が違反になるかどうかは、道路の種類によって異なります。
高速道路では、原則として、最低速度の標識がある区間は、その速度以上の速度で走る必要があり、それ以外の区間は、政令で定められた最低速度である時速50キロメートル以上の速度で走る必要があります(道路交通法75条の4、道路交通法施行令27条の3)。なお、渋滞や事故、悪天候など、危険を防止するためやむを得ない場合には、最低速度より遅く走ることも認められます。
高速道路における『ノロノロ運転』は、『最低速度違反』として取り締まりの対象になり、違反点数は1点、反則金は普通車で6000円となります。
一方、一般道路には、基本的に最低速度に関する規制はなく、ゆっくり運転したとしても、取り締まりを受けることはありません(道路交通法23条)。
ただし、『他の車両に追いつかれた車両』には、(1)後続車が追い越しをしようとする場合、追い越しが安全に完了するまで加速しないこと、(2)車両通行帯がない道路で、道路の中央との間に十分な余裕がない状況で追いつかれた場合、できる限り左側に車を寄せて道を譲ることが義務付けられています(道路交通法27条1項、2項)。
従って、一般道で不必要に『ノロノロ運転』をして、後続車が追いついたのに道を譲らなかった場合、『追いつかれた車両の義務違反』に当たる可能性があり、そうであるならば取り締まりの対象となります。この場合の違反点数は1点、反則金は普通車で6000円です」
妨害目的でノロノロ運転した場合は免許取り消しも
Q.ノロノロ運転したことで事故を誘発した場合はいかがでしょうか。この場合、取り締まりの対象となる可能性はありますか。
佐藤さん「一般に、一般道で『ノロノロ運転』をしたとしても、他の車両に追いつかれたときに安全に道を譲るなど、ルールを守って運転していれば、事故を誘発する危険も少なく、取り締まりの対象になることはないでしょう。
これに対して、他の車両の通行を妨害する目的で、高速道路において最低速度違反に当たる行為をして、交通の危険の恐れが生じれば、『3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金』に処され(道路交通法117条の2の2)、違反点数は25点、免許取り消し(欠格期間2年)となる可能性があります。
こうした運転のせいで、高速道路で他の車を停止させ、その他著しい交通の危険を生じさせた場合は、さらに重く『5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金』に処され(道路交通法117条の2)、違反点数は35点、免許取り消し(欠格期間3年)となる可能性があります」
Q.「生活道路」の法定速度が9月1日、時速60キロから30キロに引き下げられましたが、SNS上では「どこが生活道路なのか分かりにくい」「狭い道路はノロノロ運転でいく」「遅い速度で運転しておけば安心」という内容の声が上がっています。もし走行する道路が生活道路に該当するのかよく分からない場合、どうすればよいのでしょうか。
佐藤さん「2026年9月1日より、法定速度が引き下げられた『生活道路』は、主に地域住民の日常生活に利用されるような、中央線や中央分離帯などがない、比較的狭い道路のことです。
警察庁のホームページなどでは、法定速度が時速30キロメートルに引き下げられる道路の例と、法定速度が時速60キロメートルのままである道路の例が、写真や図で示されており、それらを確認すると『生活道路』のイメージをつかみやすいのではないでしょうか。また、道路標識により、最高速度が指定されている道路では、指定されている速度までしかスピードを出せませんが、そうした道路の例も示されています。
仮に、運転中に、ここが『生活道路』に当たるのか分からないと感じたのであれば、恐らく道路が狭く、安全を確保しながら走行するにはどのくらいのスピードを出してよいのか、運転者が迷うような道だと思われます。その場合には、『生活道路』に当たる可能性が高く、時速30キロメートルの範囲内で運転した方が安心でしょう。
また、道路や交通の状況、天候や視界などによって、安全性は変わるので、常に最高速度ギリギリまでスピードを出すべきとはいえず、状況に応じて安全な速度で走ることが大切です」
オトナンサー編集部
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