「ドアが開かない!」豪雨や台風で多発するクルマの水没事故… 命を守る「専用ハンマー」なぜ必要なのか?
- 乗りものニュース |

いざというときのため、車内にはハンマーを!
2026年6月下旬以降、日本各地で大雨による被害が発生しています。例えば、九州北部地方では6月24日夜から100ミリ以上の雨量を記録する地域が発生。福岡県の大牟田市、みやま市ではレベル4の土砂災害危険警報が出され、1万人以上が避難するなど、大きな影響が出ています。
大雨で冠水した道路を走行するイメージ(画像:写真AC)。
また、6月25日からは台風7号と8号がほぼ同時に日本へ襲来。27日にはJR東海が東海道新幹線の運休する可能性について言及するなど、東海地方から関東地方にかけ、広い範囲で影響を与えました。
当然、豪雨による被害を受けたのは人間だけではありません。各地にあったクルマも大きな被害を出しており、SNSでは、冠水した道路を走行するクルマや、床下まで水に浸かったクルマの画像が投稿されていました。
一見すると、非日常的で珍しさを感じる画像かもしれません。しかし、実のところ自動車は水害に対して極めて脆弱です。
機械である以上、クルマが水に対して弱いのはある意味当然です。ただ、現代の電気自動車やハイブリッドカーは動力源としてエンジンだけでなくモーターが採用されています。電子ユニットによって制御されている機能も多く、かつてのクルマ以上に水に弱くなっていると言えるでしょう。
また、エンジンも決して水に強いわけではありません。例えば、吸気口やマフラーからエンジン内部に水が入り込んだ場合、ピストンなどの部品に水圧がかかる「ウォーターハンマー」現象が発生します。これによりエンジン内部の部品が破損し、大規模なオーバーホールが必要になる可能性もあります。
いざという時の備えと水没時の脱出方法
さらに車内に水が入ってきた場合、水圧によってドアが開かなくなり、内部に閉じ込められる可能性もあります。2019年の台風19号等による大雨被害でも、自動車が水没したことによる死亡事故が発生していました。
レスキューハンマーの使用イメージ(画像:写真AC)
また、水位が床下程度であっても油断はできません。車内に浸水すれば、内装が腐食して大きなトラブルを引き起こす可能性も高いです。
国土交通省では、こういった水害への対策として「早めの避難を心掛けること」、そして「冠水した道路に安易に進入しないこと」「冠水路で自動車が動かなくなった場合には早めに脱出すること」などを呼びかけています。
具体的な備えとして有効なのが、シートベルトカッターや緊急脱出用ハンマー(レスキューハンマー)を車内に用意しておくことです。仮に車内が浸水し始め、ドアが開かなくなった場合には、カッターでシートベルトを切り、ハンマーで窓ガラスを割って脱出することができます。
また、雨が終わって水が引いた後も注意が必要です。外観には問題なくても、内部のエンジンやバッテリーが破損している可能性があります。水害にあったクルマは決して電源やエンジンを始動させず、販売店や最寄りの整備工場に連絡して対応を相談するのが賢明です。
7月以降、台風もいよいよ本番です。令和に入ってからも日本全国で多くの台風被害が発生しており、水害に対する備えは決して無駄にはなりません。まずはいざというときのため、脱出用ハンマーを車内に置いてはいかがでしょうか。
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