ロストバゲージって?手荷物紛失の補償や保険・対策を事前にチェック
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ロストバゲージとは
ロストバゲージというのは「バゲージ(手荷物)をロスト(失う)すること」。具体的には、バゲージ・カルーセル(バゲージ・リクレイム Baggage Reclaim、またはバゲージ・クレイム Baggage Claimとも)で荷物が出てこない状態のことです。
チェックインカウンターで荷物を預けると、それぞれの荷物には行き先を示す「3文字の空港コード」と、荷物ごとのIDである「シリアルナンバー」の印刷されたタグが貼付されます。その後、チェックインカウンターのスタッフの真後ろから始まるコンベヤーで、まずは搭乗する飛行機のコンテナへ向かって自動で運ばれていきます。
荷物のセキュリティ担当者がX線画像を参考に「バッグの中に危険物が入っている」「おかしなものが入っている」と判断した場合には、コンベヤーから下ろされ、中身をチェックされるという例外もあります。ちなみに、アメリカのTSAでの荷物チェックは2分程度。チェック後は「チェック済」のタグがつけられ、すぐにコンベヤーに戻されて運ばれていきます。
ロストバゲージが起こりやすいのは?
ロストバゲージ起こりやすいのは、飛行機の乗り継ぎが行われる場合です。例えば、成田国際空港を出発して、インチョンやシンガポール、ドバイ、ニューヨークを経由して目的地へ向かう航路があります。経由地では一旦飛行機を降り、空港内で乗り継ぎの飛行機の準備ができるまで待機します。
この乗り継ぎの際、日本から乗ってきた飛行機の到着が何かの理由で大幅に遅れると、経由地での乗り継ぎのための待機時間は短くなります。悪いケースだと、乗客が空港内で次の搭乗口へ走らなければならないことも!このような場合、乗客の預け入れた手荷物も急いで搬送されます。しかし、急ぐとミスが起こりやすいもの。積み込みミスや、荷物の搬送の遅れが発生してしまうことがあるのです。
また、搬送の途中で再び中身のセキュリティチェックが行われて、時間に間に合わないこともあります。乗り継ぎ乗客分の荷物を積み込むスペースがない、重量が残っていないなどの理由で積めないケースもあり得ます。国際線から国内線への乗り継ぐタイプの旅行でも、やはりロストバゲージが起こりやすくなります。
ロストバゲージの補償
航空会社は旅客の荷物の補償すること、またその補償上限額が、世界各国の加盟する条約で決められています。航空会社に預け入れた手荷物が紛失・遅延となった場合、荷物が手元に戻るまでの間で、足りなくなってしまった衣類や日用品、生活必需品を購入しなければなりませんよね。
その費用が、この補償額の取り決めに基づいて補償されます。以前は、ワルソー条約によってロストバゲージの補償の上限額が取り決められていました。1kg当たり250フランス金フラン、またはこれに相当する金額である約20USD(約2,125円)というのが基準です。
しかし、署名の交わされた頃からインフレによって物価が上がり、この上限額では不十分となったことから、航空機の乗客に対する補償などを取り決めたモントリオール条約(The Montreal Convention)が作られました。1999年に署名され、2003年から発効となっています。モントリオール条約を批准している約130カ国では、モントリオール条約に基づいてロストバゲージの補償額が決まります。上限額は、1人につき1,131SDR(17万7,529円相当;2019年1月時点の金額)です。
SDRとは?
SDRというのは「Special Drawing Rights(特別引き出し権)」のこと。
全世界共通の通貨の単位で、主要通貨との換算レートは毎年変わります。2019年1月時点で、1SDR=156.9671円となっています。
ただし、空港の補償対象に含まれない物品もあります。例えば、宝飾品や貴金属、現金など高額の品物に対する補償には応じられないとしている場合が多いのです。
The Montreal Convention 1999 (MC99)|International Air Transport Association(IATA)(英語)
なくなった荷物はどうなるの?
補償はされるとしても、輸送中に紛失された荷物はその後どうなるのでしょうか? 例えばタグが取れてしまうなどして、行き先のわからなくなった荷物は、空港内で90日保管されます。90日を過ぎるとその手荷物は持ち主不明と見なされます。空港によって対応は異なりますが、捨てられたり、売られたり、または寄附されたりなどしてだれかの手に渡る場合もあります。
なお、このように持ち主不明となった荷物の中から再販売可能なものをピックアップして、セカンドハンド(中古品)として販売するサービスがあります。例えば、アメリカのアラバマ州には、持ち主不明となった預入手荷物の中身を販売するサービスを展開している「Unclaimed Baggage Center(アンクレイムド・バゲージ・センター)」というショップがあります。旅行で見に行くのも面白いかもしれませんね!
ロストバゲージ対応の保険がある
長期の旅行で海外旅行保険に入っている場合や、留学の予定があり海外留学保険を契約してきた場合、もし「航空機寄託手荷物遅延等費用補償」の特約が契約したプランに含まれているなら、ロストバゲージへの補償が受けられます。
なお、「手荷物遅延等」は6時間を超えて見つからない場合にのみ当たります。もし6時間以内に手荷物が見つかった場合には、それまでに「荷物がなくなったから」と必要最低限の日用品・衣類を購入していても、保険で補償されません。
カード会社の保険
海外旅行に行くとき、「現金を持ち歩くよりも安心」という理由で、多くの人がクレジットカードを作っていますよね。そんなクレジットカードの中には、旅行保険が付帯しているものがあります。さらに、その一部には通称「ロストバゲージ保険」がつくものがあります。ロストバゲージ保険のつくカードは年会費が有料で、ランクもゴールド以上のものに限られます。
多くが2~4万円の年会費が必要であるため、社会人で夜間部に通っている学生や、通信制コースに在学されている社会人学生、企業している学生でないと会員資格を得るのは難しいでしょう。しかし、もし家族のだれかが会員なら、家族会員となることで本会員と同様のロストバゲージ保険を利用できます。
なお、ロストバゲージ保険で補償される条件として、国内旅行のみ・クレジットカードでツアー旅行に申し込んだ場合のみなど制限が設けられている場合があります。海外旅行保険を目的としてカードを作る際には、各社のウェブサイトで規約をよく確認してから申し込むようにしましょう。
ジャックスゴールドカード会員の肩|海外旅行傷害保険|ジャックスカード
海外旅行保険・海外留学保険
長期の海外旅行や海外留学を予定されている人は、海外旅行保険や海外留学保険を検討していますよね。これらの保険を提供している損害保険会社の多くでは、医療保険や傷害保険などのほかに、渡航先や渡航先での旅行の際にも適用される「航空機寄託手荷物遅延等費用補償」の特約を追加できるようにしています。
航空会社でもロストバゲージの補償が可能で、海外旅行保険・海外留学保険でも可能というと、どちらにも請求できるように思えてしまいますが、実際はどちらかを選ぶ必要があります。一つ利点があるとすると、海外旅行保険の中には、日本国内デスクが24時間旅のトラブルに対応してくれるプランを持つものがあります。
航空会社での対応は、英語のみとなる場合もあります。一方、このような海外旅行保険会社なら手続きをデスクにお任せできるので、英語力に自信がなくてもロストバゲージに限らず旅のトラブルを解決しやすい点が魅力ですね。
トラベルプロテクトを利用したい場合|海外旅行保険あんしんガイド|東京海上日動
ロストバゲージになったら行う手続きは?
「ロストバゲージに気づいたら、いったい何から始めたらいいのかわからない!」
できるだけ遭遇したくないロストバゲージですが、いざという時のために手続きを確認しておきましょう。
- バゲージクレイム周辺にいる航空会社の職員を見つける
- 預入手荷物のタグの控えと、搭乗券の半券を出す
-
預入手荷物の紛失・遅延証明書発行のための書類に記入する
空港内にいるなら空港内のロスト・アンド・ファウンド(Lost & Found)に備え付けの書式から、手荷物が行方不明(紛失または遅延)になっている旨を届け出ます。
なお、空港を出てしまっている場合でも、各航空会社のオンラインのフォームから届け出が可能です。
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手荷物紛失証明書(PIR)の参照番号を受け取る
手荷物紛失証明書(Property Irregularity Report: PIR)と参照番号を受け取ります。預入手荷物の控え、搭乗券の半券とともに、大切に保管しましょう。 -
航空会社の職員に手荷物の状況を確認してもらう
72時間以内に見つからない場合には、手荷物の内容品リスト・申告フォーム(Baggage Inventory and Claim Form: BICF)に記入します。 -
手荷物をオンラインで検索する
各航空会社の用意しているウェブページから、ワールドトレーサーで自分の手荷物の行方の更新状況を確認します。空港で受け取った手荷物の参照番号を手元に用意してから検索しましょう。 -
海外旅行保険、あるいは海外留学保険など加入している保険の会社の窓口や、旅行保険付きのカード会社の窓口に電話する
航空会社の補償のほかにも、契約している海外旅行保険や海外留学保険、カード会社の旅行保険の補償が利用できる可能性があります。現地窓口などへ連絡しましょう。 -
最低限必要な日用品等を購入する&領収書をもらう
本来ならスーツケースに入っていた歯ブラシ・練り歯みがき、着替えの衣類、下着など日常生活に必要な物を購入します。
ただし、購入時のお金は自分で立て替えとなり、航空会社の補償で後日精算となります。購入時は領収書を必ず受け取りましょう!
航空各社の手荷物紛失時の手続きのリンク集
各航空会社には、手荷物を紛失した際の手続きをまとめたページがあります。また、航空会社ごとに「ワールドトレーサー」というシステムへのアクセスするページも用意されています。手荷物がなくなってしまったときは、気持ちが焦って冷静に対応できなくなってしまってもおかしくありません。
事前に利用する予定の航空会社では、どのような手続きが必要になるのか、また、どのようなサポートをしてくれるのかを確認しておくと安心ですよ。
JAL(日本国空)
ANA(全日空)
ASIANA AIRLINES(アシアナ航空)
ブリティッシュ・エアウェイズ
KLM(KLMオランダ航空)
Lufthansa(ルフトハンザドイツ航空)
AIRFRANCE(エールフランス航空)
空港でお手荷物が紛失した場合|お手荷物の紛失または破損、紛失物|AIRFRANCE
Alitalia(アリタリア-イタリア航空)
UNITED(ユナイテッド航空)
DELTA(デルタ航空)
SINGAPORE AIRLINES(シンガポール航空)
チャイナエアライン(中華航空)
AEROFLOT(アエロフロート・ロシア航空)
FINAIR(フィンエアー)
ロストバゲージで泣かないための工夫
保険による補償があるとわかっても、使い慣れた愛着のあるスーツケースをはじめとした自分の物が一時的にしろ行方知れずになってしまうのは不安ですよね。
せめて、ロストバゲージに遭遇するリスクを小さくしたり、被害を抑えたりしたいところです。例えば、以下のような点に気をつけることで、悔しい思いを少しでも減らせるかもしれません。
スーツケースの中身に注意する
- 貴重品は入れない
- 水鉄砲やモデルガンなど、セキュリティチェックされそうなものを入れない
紛失後に発見されやすくする
- 荷物のタグと内部に自分の行き先の空港や自分の名前、連絡先の電話番号がわかる物を入れておく
- 荷物が見つかりやすいようにステッカーや目印をつける、他人とかぶりにくい色のスーツケースを選ぶ
ロストバゲージ後の対応のために
- 荷物の中身をリストアップしたメモを機内持ち込み手荷物に入れておくか、事前に荷物の中身を撮影しておく
- 初日に宿泊する際に必要となる衣類、小物、充電器、PC、カメラなどはすべて機内持ち込み手荷物とする
- 荷物を預け入れしないで極力現地購入で済ませる
楽しい海外旅行のために、ぜひ事前に対策して万一のトラブルも旅の経験といえるようにしたいですね♪
※当サイトに記載されている情報は、時事要因などにより正確でない場合がございます。できる限り正確な情報を更新するよう努めさせていただきますが、詳細な部分に関しましてはご自身で事前にお調べ頂くよう宜しくお願いいたします。
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