えっ「戦車」じゃないんですか!? 装甲ボディ+大型砲塔でも “対空砲” 一体ナニが違うのか?
- 乗りものニュース |

軍用の戦闘車両には様々な種類があり、砲塔がついていれば「戦車」だと思ってしまうかもしれません。しかし、実は見た目が戦車ソックリながら、単なる軍用車両や戦闘車両に分類される車両もあります。
そもそも戦車ってどういう車両?
陸上自衛隊をはじめとして、陸軍や海兵隊などが使用する戦闘車両には様々な種類があります。なかには、戦車と見紛うほど大型の砲塔を搭載しているものの、単なる装甲車だったりする車両もあり、知識がないと見分けがつきにくいのも事実です。戦闘車両や装甲戦闘車両、そして戦車とはどういう基準で区分けされているのか、改めて見てみましょう。
主砲を発射するアメリカ陸軍のM1A2エイブラムス(画像:アメリカ陸軍)。
戦車が初めて戦場に姿を現したのは、いまから110年ほど前の第一次世界大戦です。その役割は、相手の戦車や機関銃、砲などを撃破し、歩兵の進撃をお膳立てする、いわば「露払い」といった立ち位置でした。
こうした任務に対応するため、相手からの反撃に耐えられるような装甲で車体を包み、塹壕など様々な地面の状況に対応できるよう、履帯(キャタピラ)で走行するようになっているのが外見上の特徴となっています。
武装については、主砲は比較的近距離(およそ2km~3km程度)の目標を直接狙うため、砲身をあまり上まで向けられる仕組みにはなっておらず、射撃は水平に近い角度で行うのが特徴です。補助的な武装となっている機関銃は、至近距離に接近してきた兵士や、低空を飛ぶヘリコプターなどに対処するためのものです。
陸上自衛隊の16式機動戦闘車など、いわゆる「装輪戦車」と呼ばれるような車両は、履帯ではなくタイヤ(車輪)で走行する仕組みになっているので、狭義の「戦車」には当てはまりません。これらは比較的整地された路面を高速で走れるため、高速道路や幹線道路などを使って素早く機動的に必要な場所へ展開することは可能ですが、一方で戦車のように泥濘や積雪をものともせず踏破するようなことはできません。
また、車重も戦車ほど重くできないため、装甲防御力は大口径機関砲に耐えられる程度で、これまた戦車ほど優れていません。そのため、あくまでも戦車を補完する存在だといえます。
様々な種類がある装甲戦闘車両
そもそも、戦車など相手の攻撃から乗員を保護する装甲で車体を覆っている戦闘車両のことを「装甲戦闘車両」といいます。英語の「Armored Fighting Vehicle」の頭文字をとって「AFV」という略称で呼ばれることもあります。
アメリカ陸軍のM109A7自走砲(画像:アメリカ陸軍)。
装甲の程度は車両によって様々で、戦車のように相手の戦車砲からの防御を考慮したものから、小銃や小口径の機関銃による攻撃に耐えられる程度の装甲しか持たないものまであります。一般に、装甲の厚みが増す(防御力が増す)と車重も増し、機動力が損なわれるので、目的に応じて装甲の程度と機動力のバランスが考えられています。
装甲戦闘車両のうち、戦車と見分けがつきにくいものの代表ともいえるのが、大きな砲を装備した自走砲でしょう。これは大砲(野砲)を牽引車なしでも移動できるよう機動性を高めたものです。戦車と比べて長距離(20km~40km程度)の目標を狙うため、山なりの弾道で射撃できるよう、砲身をかなり上の方まで向けられるところが戦車との相違点です。相手との距離も離れているので、装甲防御力も戦車ほど高くありません。
自走砲の中には、機関砲で航空機を撃墜する目的で作られた対空自走砲というものもあります。陸上自衛隊の87式自走高射機関砲や、ドイツのゲパルト自走対空砲が代表的です。なお、後者はドイツからウクライナに供与され、ドローンや巡航ミサイルの迎撃で効果を発揮しているといいます。
また、相手陣地まで接近し、時には軽く攻撃して反撃の状況で相手の戦力を分析する「強行偵察」や「威力偵察」と呼ばれる任務に使われる車両も、戦車に似た外観をしています。これは陸上自衛隊の87式偵察警戒車のように、主武装が大口径砲ではなく機関砲だったりしますが、車体が装甲に覆われ全周旋回が可能な砲塔を備えていたりします。
なお砲塔に装備するのが機関砲ではなく、フランスのAMX-10RCやイタリアのチェンタウロのように戦車並みの105mm砲である場合もあります。
装甲のない戦闘車両もあるの?
地上での戦闘に使用される車両は、装甲が施されている車両ばかりではありません。ミサイルのように有効射程が長く、反撃を受ける可能性が少ない場面で使用される兵器の場合、装甲車ではない一般の軍用車両にミサイルランチャーを架装したものもあります。
フランス陸軍のAMX-10RC装甲偵察車(画像:アメリカ陸軍)。
陸上自衛隊で運用している中距離多目的誘導弾や98式多目的誘導弾システム、また航空自衛隊が運用する基地防空用地対空誘導弾の場合、装甲車ではないピックアップトラックのような汎用車両、「高機動車」にランチャーが架装されています。
トラックなどの大型車両にミサイルランチャーが架装されるケースもあり、陸上自衛隊の03式中距離地対空誘導弾や12式地対艦誘導弾では「重装輪車両」と呼ばれる8輪駆動の大型車に、11式短距離地対空誘導弾では3 1/2tトラックにランチャーが架装されています。
近年、飛んでくる砲弾を検知するレーダーや偵察ドローンといった観測装置の発達で、砲撃の発射位置が短時間で特定できるようになったため、自走砲もさらなる機動力が重視されるようになりました。そこで大型トラックに砲を装備するタイプの自走砲も登場しています。代表的なのは陸上自衛隊の19式装輪自走155mmりゅう弾砲やスウェーデンのアーチャー、フランスのカエサルなどです。
ここまで挙げた各種車両を俯瞰して見てみると、軍用車両>戦闘車両>装甲戦闘車両という流れで、その装甲戦闘車両の一種として戦車が存在します。見た目が似ていても、任務によって装甲の程度や武装が異なっているので、よく注意して見分けるとよいでしょう。
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