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「ボックス席」もう風前の灯火!? そもそもなぜロングシートと混在していたのか? JR普通列車では“昔の構造”に

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そもそもボックス席とは?

 JR横須賀・総武快速線では2025年3月に車両の世代交代が完了し、E217系が引退して新型のE235系1000番代に置き換わりました。このとき、普通車からボックス席が消滅しています。首都圏のJR線では、このように車両の置き換えによりボックス席を備えた車両が減りつつあります。

Large figure1 gallery5国鉄~JRの車両で幅広く採用されていたボックス席。写真はJR西日本の「SLびわこ号」などに使用された12系客車のもの(柴田東吾撮影)

 横須賀・総武快速線のE217系はグリーン車をはじめ、普通車もロングシートのほかにボックス席がありました。しかし、新型E235系の普通車はロングシートに統一されています。

 首都圏のJR線でボックス席がある路線は、上野東京ラインや湘南新宿ラインに関連する列車で、東海道線や東北(宇都宮線)・高崎線のほか、常磐線の中距離電車にも設定されています。

 首都圏の通勤電車は、窓を背にして座るロングシートが主流です。一方で、ボックス席は2人掛けの席を向かい合わせとすることで、座席の向きは列車の進行方向か、逆方向に設定されています。

 ロングシートと比べると、ボックス席は進行方向に座席が向いていることで、景色を眺めやすいことや、長い間乗車していても疲れにくいことが利点です。また、ロングシートより座席数を増やすことができ、多くの乗客に着席してもらうことができます。

 上野東京ラインや湘南新宿ラインは運転区間が長く、比較的長時間・長距離を利用する乗客の割合も高くなっています。山手線であれば、渋谷から新宿までの所要時間は10分もかかりません。しかし、上野東京ラインの東京~横浜間だと約30分、東京~熱海間だと2時間程度におよび、長い乗車時間に適した座席が求められます。

 上野東京ラインを構成する東海道線や東北・高崎線では、普通車にもボックス席を主体とした車両が過去に使用されていました。車両の両端に出入口があり、客室はボックス席ばかり、という形が基本でした。この座席配置は、急行形電車にも採用されています。

 2025年現在、ボックス席だけの普通車は大半が引退し、鉄道博物館の収蔵車両や、現役の車両ではSL列車の客車などで見られる程度です。

 この客室構造は立席のスペースが少なく、大勢の乗客の乗り降りや客室内の移動に対応するのが難しい欠点があります。特に通勤ラッシュには不向きで、都市化が進んで通勤客が増えていくと、扉の数を増やし、ロングシートにしてラッシュに対応することが求められました。

 まずは扉の数を片側3か所とし、セミクロスシートと呼ばれる座席配置とした車両が登場します。セミクロスシートでは、出入口脇をロングシート、扉の間はボックス席としてラッシュと長距離輸送の両立を図ったのです。

「セミクロス」も混雑路線で消滅

 セミクロスシートは首都圏では1936(昭和11)年に中央線急行電車(現在の中央快速線)に導入され、戦後は1951(昭和26)年に横須賀線の70系電車で導入されています。中央快速線の事例では、ロングシートの車両ばかりだった路線にセミクロスシートの車両が投入されたので、混雑の緩和よりはサービスの水準を上げる方が目的だったのかもしれません。しかし、第二次世界大戦中にロングシートへ改造されてしまいます。

 このセミクロスシートの座席配置の電車は、形を変えて常磐線、東海道線、東北・高崎線にも導入され、常磐線では401系・403系・415系、東海道線では113系、東北・高崎線では115系でセミクロスシートの構造が採用されました。セミクロスシートを採用した中距離電車を指して、近郊形電車・近郊形車両とも呼ばれています。

 しかし、通勤ラッシュがさらに激しくなるとセミクロスシートの座席配置でも対応できなくなり、ついに全面的にロングシートとした車両が導入されます。

 国鉄は、1982(昭和57)年から415系500番代でロングシートとしています。東海道線では1985(昭和60)年から211系2000番代、さらに同年から東北・高崎線の211系3000番代でロングシートの車両を導入しています。

 JR化後は113系や115系でもセミクロスシートの車両をロングシートに改造した車両が登場し、混雑に対処していました。

 こうした取り組みでも混雑の問題が解消できず、1994(平成6)年から横須賀・総武快速線に導入されたE217系ではロングシートの車両が主体となり、ボックス席を備えた車両は成田空港方の3両だけに減っていました。また、E217系では片側4扉とし、一般的な通勤形電車の造りとなっています。以後のJR東日本の車両は通勤形電車と近郊形電車を統合し、一般形電車として2000(平成12)年にE231系が登場しています。

 E231系もロングシートが主体で、ボックス席は編成の端に連結される車両の一部にとどまっています。まず東北(宇都宮線)・高崎線に導入され、次いで2004(平成16)年から東海道線に導入されています。

 さらに、2007(平成19)年以降は輸送障害の対策を強化し、バリアフリー対応を深度化させたE233系に移行しています。E233系も基本的な客室設備はE231系と変わりなく、ロングシートが主体でボックス席を備えた車両は数少なくなっています。しかし、E233系は座席の座り心地が良くなっているほか、東海道線に導入されたE231系とともに冷暖房が強化され、暑さや寒さの対応にも改善が見られます。

地方にも広まったロングシート

 JR東日本では首都圏のほか、地方にもロングシート車両の導入が進んでいます。1993(平成5)年には東北エリアの地域輸送用に701系を、1995(平成7)年には新潟地区にE127系を導入しますが、いずれもロングシートの車両です。

 これらの地域では客車や急行用の電車を転用しており、座席はボックス席が基本でした。これが片側3扉・ロングシートの車両に置き換えられたことで、通勤ラッシュの緩和に役立ちましたが、座席数が減って座れないと不評を買うことになります。

 2006(平成18)年から仙台地区に導入されたE721系や、2014(平成26)年から新潟地区で導入されたE129系では一部をボックス席とした車両が導入され、若干ながら揺り戻しが見られます。

 一方で、高崎地区や長野・松本地区では、セミクロスシートの115系がロングシートの211系に置き換わったほか、房総地区でもセミクロスシートの113系が、京浜東北線から転用されたロングシートの209系に置き換えられています。

 長野・松本地区の211系の一部にはボックス席があるほか、房総地区の209系も先頭車にボックス席が設置されていますが、ボックス席は減っています。

 JR東日本以外でもロングシート化の傾向があります。JR東海は、2021年から導入した315系でロングシートを採用し、名古屋地区で使用していた転換クロスシートの311系を置き換えています。

 JR北海道は、快速「エアポート」で車両の世代交代を進めており、転換クロスシートの721系をロングシートの733系に置き換えつつあります。また、旭川地区や室蘭本線では新形車両としてロングシートの737系が導入されています。

 JR九州は、北九州地区の813系で転換クロスシートをロングシートにする改造が進行中。811系もリニューアルの際に転換クロスシートからロングシートに改修しています。

 首都圏のJRでは、車両の世代交代が一段落した状態にあります。しかし、将来的には湘南新宿ラインや上野東京ラインでも車両の置き換えが行われることになり、その際はどのような座席配置となるのかが注目されます。

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