本格4WDが「町の名産品」でした!? “国民車並み”に売れた三菱「パジェロ」伝説 何がスゴかったの?
- 乗りものニュース |

1980年代から1990年代にかけて、本格オフロード4WDの代表格として人気を博したのが三菱「パジェロ」です。一時は「カローラ」を破るベストセラーを記録した、人気の隆盛を振り返ります。
日本を代表する本格4WD「パジェロ」のルーツ
1980年代から1990年代にかけて、本格オフロード4WDの代表格として人気を博したのが三菱「パジェロ」です。パジェロは、2019年に国内生産を終了、2021年に完全に姿を消していますが、今もなお三菱自動車を代表する名車として圧倒的な人気を誇っています。
かつて「日本の四駆」と言えば、誰もが真っ先にイメージした三菱の名車「パジェロ」(画像:三菱自動車)
そのルーツは、1956年に生産が始まった三菱「ジープ(J3型)」というクルマにあります。三菱は第二次世界大戦後、アメリカのウイリス・オーバーランド社と提携し、軍用車のウイリス ジープを生産していました。三菱製のジープの製造は当初、ノックダウン生産と呼ばれる、輸入した部品を日本国内で組み立てる方式でしたが、このJ3型では日本製エンジンを搭載、すべての部品の国産化を達成しました。
J3型の発売翌年である1957年、三菱ジープは累計生産台数が1万台を突破。以降、当時の防衛庁へ継続して納入されるなど、本格的なオフロード4WD車として地位を築いていきました。また、三菱ジープは数多くの派生モデルもラインナップし、年々発展・進化を遂げていきました。
この開発ノウハウを活かし、一般ユーザーにも乗りやすい本格4WDとして開発されたのが、1982年発売の初代パジェロです。初代パジェロは、ラダー構造の堅牢なシャーシフレームやパートタイム式4WDシステムなど、本格的なメカニズムを採用。それでいて当時最新の快適装備なども積極的に盛り込み、それまでのオフロード4WDにはほとんど存在しなかった「乗用車的に乗れる」モデルとして、一躍注目を浴びました。
「乗用車的に乗れる」と言うと、やや軟弱なイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、パジェロは違いました。発売翌年の1983年から“世界一過酷なモータースポーツ競技”として有名な、パリ・ダカールラリー(通称パリダカ)にパジェロは参戦。市販車無改造クラスでいきなり優勝すると、翌1984年には総合3位に入賞しました。そして1985年には念願の総合優勝を果たし、その高い走破性能を世界に見せつけました。
余談ですが、当時の「日清カップヌードル」のテレビCMには、パリダカの様子を撮影した映像が使用されています。このCMは、三菱が直接に関係したものではありませんでしたが、パリダカの過酷さを日本全国に広めることになり、パジェロの名声を高めることにも寄与したと考えられます。パジェロはトヨタ「ランドクルーザー(60/70系)」や、いすゞ「ビッグホーン」、日産「サファリ」などの競合モデルを抑え、圧倒的な支持を集めました。
まさかの“カローラ超え”を達成、上から下まで「パジェロ尽くし」に
パジェロは特に1980年代中盤から後半にかけて、ラインナップを追加しながらシェアを広げていきました。乗用のメタルトップやミッドルーフモデルをはじめ、AT車やディーゼルターボ車など、数々のバリエーションが登場。アウトドアブームの過熱の一端も担いました。また、パジェロはプロユースにも重宝され、1996年からはジープに代わり、自衛隊の「73式小型トラック(二期)」のベースにも採用されました。
1982年発売の初代「パジェロ」。2ドアメタルトップには、ディーゼルターボ、ディーゼル、ガソリンの3タイプのエンジンを用意(画像:三菱自動車)
1991年には、パジェロは2代目へとフルモデルチェンジ。レジャーブームも追い風となり、人気は絶頂に達します。同年には第12回日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞を獲得したほか、翌1992年には年間8万3000台以上を売り上げ、月間販売台数ではなんと、トヨタのカローラなどを抑えて1位に輝いたこともありました。
この人気ぶりを受けて、三菱はパジェロの“兄弟”に当たるモデルも次々と展開していきました。1994年には軽自動車の「パジェロミニ」を発売し、軽4WDの市場を独占していたスズキ「ジムニー」と人気を二分しました。
また、1995年にはパジェロミニを拡大した「パジェロジュニア」を、1996年には海外で「パジェロスポーツ」を名乗った「チャレンジャー」が、1998年にはパジェロジュニアの後継となる「パジェロイオ」が立て続けに登場します。
さらにパリダカへの挑戦も続けられ、1997年には参戦用モデルとして「パジェロエボリューション」が限定販売されました。当時の三菱車のラインナップは、まさに上から下まで“パジェロ”尽くしという状態。三菱自動車にとって、パジェロは最重要な旗艦モデルとして成長を遂げていきました。
栄華を極めた“パジェロ帝政”だったが…
しかしながら、一気に隆盛を極めたパジェロは3代目(1999年発売)、4代目(2006年発売)とモデルチェンジするごとに、販売台数を落としていきました。これは競合車種に人気を奪われたこと、そして三菱自動車が本来の経営戦略に立ち戻ったことが要因と言われています。
2001年登場の3代目パジェロ。従来比で約100kgの軽量化を敢行(画像:三菱自動車)
こうして、パジェロは2019年に発売となった「ファイナルエディション」を最後に、日本での販売を終了。2021年には海外向けモデルも廃止となり、37年の歴史に幕を下ろし、「アウトランダー」などの他の車種に、その役目を譲りました。
全パジェロの約8割が生まれた「パジェロの町」
ところで、パジェロには“故郷”とも言える町があります。それが三菱の100%子会社で、パジェロ全体の約8割以上の台数を生産した「パジェロ製造」という会社の本拠地だった、岐阜県加茂郡の坂祝町(さかほぎちょう)です。
パジェロ製造は初代がデビューした1982年から、一貫してパジェロの生産業務を担当。人口1万人にも満たない坂祝町では、税収の大半はパジェロ製造によるものだったとされています。こうしたエピソードから、坂祝町はコアなファンの間で「パジェロの町」として知られていましたが、海外向けを含め、パジェロが完全に生産終了となった2021年に、工場を閉鎖しています。この小さな町で生まれたパジェロは、合計で約324万台と言われています。
しかし、2024年には「近い将来、パジェロが国内で復活するかも?」という衝撃的なニュースが駆け巡りました。新型パジェロとして予想されているモデルは、主力のピックアップトラックである「トライトン」をベースに開発が進んでいる模様で、生産はトライトンと同じタイの工場で行われると噂されています。詳しい全貌はまだ明らかになっていませんが、パジェロの新たな伝説が始まる日を、筆者も強く願うばかりです。
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