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塗装だけ?「ブルーインパルス専用機」ノーマルT-4との違い アクロバット飛行支える工夫

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  • 乗りものニュース
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東京オリンピックに引き続き、パラリンピックの開会日にも都心上空を飛ぶブルーインパルス。その機体には、スモークを出す以外にも様々なアクロバット機ゆえの専用改修が施されています。

燃料タンク一つをスモークオイル専用に改造

 航空自衛隊のブルーインパルスが東京オリンピック開会日に続き、2021年8月24日(火)、パラリンピックの開会日も都心上空を飛行します。

 ブルーインパルスは、言わずと知れた航空自衛隊のアクロバット飛行チームで、正式名称は「第4航空団飛行群第11飛行隊」。使用する機体は川崎重工が開発した国産のT-4練習機です。

 T-4の総生産数は試作機含めて212機、2021年現在も190機あまりが航空自衛隊で運用されていますが、ブルーインパルスで使用されている機体はアクロバット飛行に用いるために様々な点で通常のT-4とは異なる改修が施されています。

Large 210820 bi 01航空自衛隊のブルーインパルス。使用するT-4練習機は様々な改修が施されており、たとえば緑の丸で囲った部分がスモーク発生用ノズル。赤い丸で囲った部分がスピンドルオイル用のベントスクープ(画像:航空自衛隊)。

 最も目立つ違いは、青と白の2色からなるカラーリング。この配色はブルーインパルス使用機以外ではまず見られません。それ以外にもスモーク発生用ノズルの増設などがわかりやすい相違点です。しかし、それら以外にも一見しただけではわかりにくい改修が随所に施されています。

 たとえば前出のスモーク。出すためには専用のスピンドルオイル(発煙油)が用いられるため、その搭載スペースが機内に設けられています。場所は胴体内部後方にある第3燃料タンク、これをスモークオイル専用のタンクに転用しています。

 これに伴い、機体上面にはスピンドルオイル用のベントスクープが増設されています。これはオイルが滞りなくノズルに供給・排出されるよう設けられた空気取り入れ口で、ほかにも機体最後部のテイルコーンと呼ばれる場所には、通常の燃料投棄用ベントの脇にスピンドルオイルの投棄用ベントが用意されています。

アクロバット飛行用の警報装置とは

 T-4はジェットエンジンを2基搭載していますが、その右側エンジンの排気口直後にスモーク用ノズルがあり、ここからスピンドルオイルを出すと、高温のエンジン排気によってオイルが一瞬で気化します。そして機体後方に一定程度流れたところで今度は大気によって冷やされ、細かくなったオイルが目に見える形で白くなり、それがスモークとして映るのです。

Large 210820 bi 02ブルーインパルス仕様のT-4の機体最後部。赤い丸で囲ったなかの細く突き出たものがスピンドルオイルの投棄用ベント(画像:航空自衛隊)。

 また、ブルーインパルスはアクロバット展示をするうえで低空を飛ぶことが多いため、それに応じた改修が施されています。

 まずはバードストライク対策。鳥の衝突によって機体が破損し、操縦不能や墜落に陥らないよう、コックピット正面の風防は強化され、内部のヘッドアップディスプレイ(HUD)も、通常なら材質はガラスであるのに対し、樹脂製に変更されています。さらに主翼前縁についても同様の対策として内部構造が強化されているとのこと。

 さらに「低高度警報システム」という、地面に異常接近した場合に光と音でパイロットに危険を伝える装置も搭載されています。

 これは脚とフラップが収納されている状態で、設定した高度よりも低い位置に機体が降りた際に警報を発するものです。気圧高度計の数値によって作動するため、展開先の飛行場の標高に左右されないよう、その都度、気圧高度計の値が対地高度と同一になるようセットする必要があるそうです。

 これに伴い、コックピット内部には低高度警報システムの警告灯とアラームが設置されており、そのための制御パネルも増設されています。また前述のスモーク排出に関連した装備として、スピンドルオイルの残量計や作動灯、スモーク発生装置のポンプスイッチなども配置されています。ちなみに、スモーク排出スイッチは操縦桿に設けられています。

ノーマル機より広いラダーの可動範囲

 加えて垂直尾翼の方向舵(ラダー)は、ノーマルのT-4の場合、速度が240ノット(約444.5km/h)以上だと安全対策の面からリミッターが作動し、可動範囲が5度に限られるようになっていますが、ブルーインパルス用の機体はこの制限がなく、10度まで範囲を拡大できます。またリミッターを解除すれば最大15度まで広げることも可能だとか。これはアクロバット飛行時の機動性を高めるための措置で、この解除用ボタンも操縦桿にあるといいます。

 ほかにも、風防内側上部に取り付けられたバックミラーは、ノーマルのT-4では中央に1枚のみですが、ブルーインパルス用の機体はさらに左右に1枚ずつ追加し、合計3枚とすることで後方の視認範囲を広げています。

Large 210820 bi 03ブルーインパルス仕様のT-4の機首アップ。バードストライク対策として風防前部が強化されており、内側のヘッドアップディスプレイの素材もガラスからアクリルに変更されている(画像:航空自衛隊)。

 これらの改修を受けた機体は「戦技研究仕様機」と呼ばれるそう。なお当初は新造でブルーインパルス向けの専用機として11機が製作されましたが、それらは2019年度末までに全機が退役しており、現在使われている機体は従来、ノーマルのT-4として用いられていた機体に所要の改修を施した、いわば中途改造機です。

 東京パラリンピック開会日の展示飛行は、シンボルマークは描かず、スモークを引きつつの航過飛行のみです。とはいえ、一見しただけではわかりにくい特別な改修が、そのスモークをきれいに引くために、また安全な飛行を行うために、重要な意味を持っているといえるでしょう。

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