「もっと思いっきり働きたいのに…」というフラストレーションから解放されて、仕事も育児も全力で取り組める環境に。

共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。もちろん夫婦で分担できればいいのですが、片方が多忙な時期はもう片方が完全ワンオペで家庭を一手に担うこともありますよね。今回は、会社では「1人広報」、家庭では「平日ワンオペ」で二児を育てるママにお話を聞きました。

共働き夫婦の1日スケジュールとは？

家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ？」「みんなは毎日をどうのりきっているの？」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールをうかがうこの企画。

第33回となる今回は、アメリカ カリフォルニア州に本社を置くクラウドコンテンツ管理サービスの企業・Boxの日本法人「Box Japan」で働くママのタイムスケジュールを朝〜日中編・夜編にわたりインタビュー。夜編では夜のタイムスケジュールとご夫婦の家事分担についてうかがいました。

取材にご協力いただいた方

株式会社Box Japan　マーケティング本部 PRマネージャー　佐保 美里さん（37歳）

クラウドサービス会社Box Japanのマーケティング本部に所属。会社で唯一のPR担当として、プレスリリースやメディア取材対応などの広報業務全般、及びアナリストリレーション業務を担当。プライベートでは、幼稚園年長の長男と、年少の妹の兄妹のママ。

夜のタイムスケジュール

その日の仕事はその日のうちに！

――退勤後のスケジュールについて教えてください。

佐保さん　18時にいったん仕事を終えてから、急いで幼稚園へ子どもたちのお迎えに行って、家に着くのがたいだい18時30分頃。超特急で夕飯を支度して、19時頃には食べています。
　その日やるべき仕事は、できるだけ翌日に持ち越さないよう心がけているので、食後、子どもたちが少し休憩をしている間に、残りの仕事や急ぎの問い合わせ対応をすることもあります。

――お迎えから夕食までの時間がとてもスピーディですが、手早く料理をするコツはありますか？

佐保さん　作りおきなどは特にしていないのですが、朝のうちに炊飯器をセットしておくことと、みじん切り器などの便利グッズを活用して手早く作るようにしています。また、お迎えの後に買い物に行かなくてすむよう、基本はネットスーパーを利用し、生鮮食品などはランチ休憩のときついでに買うなどしています。

――よく利用するネットスーパーはありますか？

佐保さん　ネットで注文すると自宅の最寄り駅にある店舗から直送してくれるスーパーがとても便利なんですよ！　新鮮な食材が届くのがうれしいですね。

「娘がママを寝かしつけてくれるんです（笑）」

――どこのご家庭でも、子どもたちを早く寝かせるのに苦労しているものだと思うのですが、佐保さんは寝かしつけのコツなどはありますか？

佐保さん　兄妹がすごく仲良しで、一緒に遊んでしまってなかなか寝ないので、我が家も寝かしつけには少し苦労しています（苦笑）。ただ、無理やり寝かそうとするのではなく、子どもたちが寝室に行きたくなるような楽しいことをして、自然と眠れるようにしたいんですよね。

――たとえばどんなことをしているのですか？

佐保さん　寝室をまっ暗闇にして、みんなで歌を歌うことが多いですね。あと、今は娘が私のお世話をする「ごっこ遊び」にハマっているので、私が赤ちゃん役、娘がお母さん役でトントンして寝かしつけてくれます。子どもたちは朝が弱くてなかなか起きてこないのですが、朝も私が赤ちゃん役になって、「お腹すいたよ〜」と言うと、世話を焼くために起きてくれます（笑）。

――可愛すぎますね！

佐保さん　トントンされていると本当に寝てしまいそうになるのですが（笑）、子どもたちが寝た後なんとか気力を振り絞り、一瞬だけ起きて洗い物を終わらせ、自分も早めに寝るというのがルーティンになっています。

平日の帰宅が遅いぶん、休日はパパの出番

――終業から寝かしつけまで、怒涛の3時間はほぼワンオペ。パパは子どもたちが寝てから帰宅されることも少なくないのですか？

佐保さん　そうですね。仕事で帰宅が遅くなることが多いので、平日はなかなか子どもたちと接する時間をとるのが難しいのですが、早く帰宅できたときや休日は、ひらがなやカタカナの練習など、子どもたちの学習をサポートしてくれます。もともと私も夫も大学時代に塾の講師のアルバイトをしていたのですが、私だと「なんでできないんだろう」と少しイライラしてしまうところも、夫は穏やかに丁寧に教えてくれるので助かっています。

――第一子が生まれて5年あまり、家事や育児の分担で乗り越えてきたご夫婦の衝突や葛藤などがもしあれば、知りたいです。

佐保さん　たしかに子どもたちが乳児のときは、何度か衝突することもありました。でも今思い返すと、衝突していた時期は私が時短勤務で働いていて、「もっと思いっきり働きたいのに働けない」というフラストレーションが大きかったように思います。今は、仕事と家事や育児の両立は大変ですが、仕事はすごくやりがいを持って取り組めていて、それでいてやりきれないほど業務が多いわけでもなく、自分のできることを思いっきりやらせてもらえる環境で働けているので、とても前向きに楽しく過ごせています。

――佐保さんのリフレッシュ法はありますか？

佐保さん　休日は、夫が１人で子どもたちを連れ出して遊んでくれるので、その間に束の間の一人時間を満喫するのがリフレッシュになっています。1人でショッピングに行ったり、カフェでゆっくりしたり、子どもが産まれる前に当たり前にやっていたことをやれるのが幸せですね。あとはピアノを弾くのが趣味なので、外出しない日は家でピアノを弾くのもリフレッシュのひとつになっています。

子どもたちの「好き！」を引き出してあげたい

――ご夫婦の子育て方針で大切にしていることを教えてください。

佐保さん　子どもたちが好きなことや得意なことを伸ばしてあげたいと思っているのですが、小さいうちは自分で好きなことに気づくのも難しいので、そのきっかけづくりをサポートしてあげたいなと思っています。例えば今、子どもたちは折り紙に興味を持っているので、「こういうのも作ってみようよ！」と声がけをして一緒に折り紙を楽しんだり、上手にできたらたくさん褒めたりして、本人が達成感を感じられるようなコミュニケーションをとるよう心がけています。

――素敵な育児方針ですね！

佐保さん　長男は最近、折り紙で紙飛行機を作るのにハマっていて、何度も異なるやり方で折った飛行機を作っては飛ばし、作っては飛ばし……試行錯誤を重ねています。研究熱心で本当にすごいなと思うのですが、折り紙って簡単に捨てづらくてどんどん溜まっていくんですよね。今も家に20個以上は紙飛行機が落ちています（笑）。

――兄妹で興味や関心があることは違いますか？

佐保さん　そうですね。工作や折り紙などの手作業が好きなのはお兄ちゃんのほうで、外でも遊びますが、家の中で集中して遊ぶのが好きみたいですね。反面、妹はガッツ系女子で、外で遊ぶのが大好き。やはり、兄妹でも個性があるなと感じています。

――最後に、お子さんたちを育てる中で、喜びを感じる瞬間について教えてください。

佐保さん　やはり子どもの成長を一番身近で感じられるというのが楽しいし、うれしいですよね。特に乳児から幼児期にかけては成長の速度がすごいので見逃せません。1週間前はできなかったことが急にできるようになっていたりして、その姿を日々見られるのが幸せですし、励まされてもいます。子どもが頑張っている姿を見て、自分も頑張ろうと思えるので、逆に成長させてもらっているなと感じています。

（取材・文：上野真依、撮影：佐藤登志雄、イラスト：ぺぷり／マイナビ子育て編集部）

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