【漫画】新型コロナがきっかけで「不登校」になった娘　父との関係も冷え切り…5年後に生じた“劇的な変化”とは？＜作者インタビュー＞

　新型コロナウイルスの流行がもたらした子どもの心への影響を描いた創作漫画「子供から見たコロナの話」が、Xで話題となっています。

　新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令されたとき、大人も子どもも生活が一変しました。学校は休校になり、その休みが1カ月、2カ月と延びていき、当時小学生だった女の子は…。読者からは「もしコロナがなかったら、今ごろ違ったのかなと思う」などの声が上がっています。

会社を辞めて漫画を描くように

　この漫画を描いたのは、フリーエンジニアで漫画家志望の「どんどこすすむ」さんです。Xやnoteで漫画や日常の出来事などを発表しています。どんどこすすむさんに、作品についてのお話を聞きました。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

どんどこすすむさん「本格的に漫画家を目指し始めたのは、2022年9月ごろ（当時41歳）です。それまでは就職、結婚、子育てといった忙しい生活の中で、漫画を描く時間が作れませんでした。しかし2年ほど前に思い切って会社を辞めて強制的に時間を作り、本格的に漫画を描き始めました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。

どんどこすすむさん「現在通っている『ひらめき☆マンガ教室』での課題がきっかけです。課題のテーマが『演出』で、どう演出するか苦心しましたが、締め切り間際に無理やりひねり出すように物語を組み立てた結果、生まれた作品です」

Q.緊急事態宣言が発令されていた当時、どんどこすすむさんご自身はどのような心境でしたか。

どんどこすすむさん「連日の感染者増加のニュースに怖さを感じていました。一方で自分自身は完全リモート勤務になり、自分の時間が増えたことで、創作や自分のサイトを作る時間ができました。エンジニア職ということもあって、リモートでも仕事は問題なく遂行できていたので、自分や家族は非日常的な状況を楽しんでいた感じもありました」

Q.ご家族に変化はなかったのでしょうか。

どんどこすすむさん「当時は次女が小学生で、学校が突然休校になり、毎日近所の友達と遊びほうけるという状況になりました。子どもにとっては、急に夏休みがやってきた感じだったのではないでしょうか。それこそ一生記憶に残るぐらい、強烈な非日常体験だったと思います。その辺りの心情や状況を描いてみたいなと思ったのも、本作でコロナを扱ったきっかけでもあります」

Q.ご自分から見て、漫画の中で特に印象的な場面やセリフはなんでしょうか。

どんどこすすむさん「最後にケーキを拾い食いする場面や、『一緒に相撲をしよう』と声を掛けたお父さんが、娘から『ううん、しない』と返されるシーンが気に入っています。『子どもの不登校』というシリアスな題材を扱うので、暗くなり過ぎないように、ふっと抜けるような柔らかい瞬間を描こうと思いました」

Q.子ども目線での作品を描く際に、苦労した点や工夫した点はありますか。

どんどこすすむさん「子ども目線といっても、実際に子どもが感じたことを私が推し量ることしかできないので、あくまで『自分だったらこう思うだろうな』と思いながら描きました」

Q.作品について、どのような意見が寄せられていますか。

どんどこすすむさん「『この子がなぜ学校に行かなくなったのか、分からない』という声が多かったのが印象的でした。実は不登校の原因は作中でもあえて語っておらず、リアリティーのある曖昧さを残しています。この作品はTikTokで大きな反響があり、コロナ禍に子ども時代を過ごしたTikTok世代が、自分の体験と重ねたのではないかと感じました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

どんどこすすむさん「商業的に漫画を描き続けることが大きな目標です。まだまだ力不足も感じていますが、2025年こそはプロとしての一歩を踏み出したいと考えています」

オトナンサー編集部

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