プロテイン値上げで注目の「コスパ食材」とは 「タンパク質」を効率的に摂取できる食べ物トップ3【医師が解説】
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タンパク質を効率よく摂取するのにおすすめの食べ物とは?(画像はイメージ)
原材料費の高騰の影響でプロテインが値上がりしています。効率的に筋肉をつけるためには、どのような食べ物を積極的に摂取したらよいのでしょうか。
豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック(東京都江東区)院長で認定内科医、糖尿病専門医、健康スポーツ医、医学博士の澤口達也さんに聞きました。
そもそもプロテインは必須?
Q.プロテインが値上がりし、ネット上では話題となっています。筋肉をつけたり健康を維持したりする際、効率的にタンパク質を補えるおすすめの食べ物トップ3を教えてください。
澤口さん「まず知っておきたいのは、いわゆる『プロテイン』は、タンパク質を手軽に摂取するための食品であり、筋肉をつけるために必ず飲まなければならないものではないということです。普段の食事から十分なタンパク質を取ることができれば、必ずしもプロテインを利用する必要はありません。
厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、18~64歳のタンパク質の推奨量は、男性で1日65グラム、女性で1日50グラムとされています。
一方、筋力トレーニングを積極的に行っている人では、運動量などにもよりますが、一般の人より多くのタンパク質が必要になることがあります。スポーツ栄養の指針では、運動習慣のある健康な成人では1日あたり体重1キロにつき1.4~2.0グラム程度が一つの目安とされています。
『タンパク質の量』『価格』『調理のしやすさ』『他の栄養素も取れるか』という点を総合して考えると、私がおすすめするトップ3は次の食品です」
【第3位:納豆などの大豆製品】
3位は納豆、豆腐、豆乳などの大豆製品です。
例えば納豆には100グラム当たり約16.5グラムのタンパク質が含まれているため、40~50グラムの1パックでも6~8グラムほどのタンパク質を摂取できます。さらに食物繊維やカリウム、マグネシウム、鉄なども含まれています。
【第2位:卵】
卵は「手軽さ」という意味では非常に優秀なタンパク源です。鶏卵には100グラム当たり約12.2グラムのタンパク質が含まれています。 一般的な卵1個で考えると、6~7グラムのタンパク質を取ることができます。
卵のメリットは、タンパク質だけではありません。ビタミンAやビタミンD、ビタミンB群、鉄、亜鉛など、体に必要なさまざまな栄養素を一緒に取ることができます。 また、必須アミノ酸をバランスよく含む、質の高いタンパク源でもあります。
ゆで卵であれば作り置きもできますし、朝食や間食としても取り入れやすいため、「朝食がパンだけ」「昼食がおにぎりだけ」といった、タンパク質が不足しがちな食事に1個追加するだけでも違ってきます。
【第1位:鶏むね肉、鶏のささ身】
最もおすすめしやすい食品は、鶏むね肉やささ身です。
皮なしの鶏むね肉には100グラム当たり約24グラムのタンパク質が含まれており、脂質を比較的抑えながら多くのタンパク質を摂取できます。 スーパーなどで比較的安価に購入できることも多く、コストパフォーマンスの面でも優秀です。
例えば、鶏むね肉を100~150グラム食べれば、20グラム以上のタンパク質を一度の食事で摂取できます。筋肉をつけたい人はもちろん、ダイエット中に「できるだけ余分な脂質やカロリーを増やさずにタンパク質を取りたい」という場合にも使いやすい食品です。
ただし、毎日蒸し鶏だけ、というような偏った食事にする必要はありません。焼く、蒸す、スープに入れるなど、調理法を変えながら取り入れると続けやすくなります。
トップ3を紹介しましたが、納豆を加えることで肉や卵だけに偏らず、植物性タンパク質も組み合わせられる点が大きなメリットです。例えば「朝食に納豆と卵」「昼食に鶏むね肉」「夕食に魚や豆腐」というように、複数のタンパク源を組み合わせることをおすすめします。
なお、魚も非常に優秀なタンパク源です。例えばツナの水煮缶は100グラム当たり約16グラムのタンパク質を含み、脂質も比較的少ないため、調理する時間がないときには便利です。
つまり、プロテインが値上がりしたからといって、「タンパク質を十分に摂れなくなる」と考える必要はありません。鶏肉、卵、大豆製品、魚、乳製品などを上手に組み合わせれば、普段の食事からでも十分に摂取することができます。
Q.タンパク質が豊富な食べ物を食べる際の注意点を教えてください。
澤口さん「一番注意してほしいのは『タンパク質は多ければ多いほどよい』というわけではないことです。
筋肉を増やしたいからといって、肉や卵、プロテインだけを大量に取っても、それだけで筋肉が増えるわけではありません。筋肉を増やすためには筋力トレーニングという刺激に加えて、十分なエネルギーや炭水化物、ビタミン、ミネラルなども必要です。
また、高タンパクな食品の中には、脂質や塩分も多いものがあります。例えば脂身の多い肉、ソーセージやベーコンなどの加工肉、塩分の多い魚の加工品などを『タンパク質が多いから健康的』と考えて大量に食べると、結果としてカロリーや飽和脂肪酸、塩分の取り過ぎにつながることがあります。そのため、肉であれば鶏むね肉や赤身肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などをバランスよく組み合わせることが大切です。
また、一日の必要量を夕食だけでまとめて取るのではなく、朝・昼・夕と分散して取ることもおすすめです。特に筋肉をつけることを目的とする場合、一度に極端に大量に食べるよりも、各食事である程度のタンパク質を確保する方が実践しやすいでしょう。運動をする人では、1回当たり20~40グラムの良質なタンパク質が一つの目安として示されています。
そして、特に注意が必要なのが腎臓病のある方です。慢性腎臓病(CKD)では、病状によってタンパク質の摂取量を調整する必要があります。各ガイドラインでも、CKDの場合、1日の摂取量として体重1キロ当たり約0.8グラムが目安とされています。また、腎機能悪化のリスクがある人の場合、体重1キロ当たり1.3グラムを超えるタンパク質の摂取を避けることが推奨されています。腎機能が低下している人は、自己判断で高タンパク食やプロテインを始めず、主治医や管理栄養士に相談してください。
また、納豆については、ワルファリンという抗凝固薬を服用している人はビタミンKの影響があるため原則として避ける必要があります。先程も説明しましたが、結局のところ、大切なのは「特定の食品だけを大量に食べる」のではなく、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など複数の食品からタンパク質を取ることです。
プロテインは忙しいときや食事だけでは必要量を確保しにくいときには非常に便利ですが、あくまで“補助食品”です。値上げをきっかけに、普段の食事でどれくらいタンパク質を取れているかを一度見直してみるのもよいと思います。
オトナンサー編集部
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