W杯&オリパラでも認知度アップ! 東京・府中市が「ラグビーのまち」になったワケ
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全国にある「ラグビーのまち」
皆さんは「ラグビーのまち」といえば、どこを思い浮かべますか? きっと、主なところでは
・花園ラグビー場のある「大阪府東大阪市」
・新日鐵釜石ラグビー部(現・釜石シーウェイブス)で有名になった「岩手県釜石市」
・駅前にラグビーボールのモニュメントがある「埼玉県熊谷市」
などでしょう。

東京にもそんな街があります。多摩地域中部に位置する府中市です。市内にある府中朝日フットボールパーク(府中市朝日町)は、ラグビーワールドカップ2019と東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で、出場国の事前キャンプ施設としても使われました。
ただ、前述の名だたる「ラグビーのまち」と比べて、府中市の地名度はまだまだ劣ります。それもそのはず、府中が「ラグビーのまち」と呼ばれるようになったのは、新聞記事を見ても2015年からと、最近のことなのです。
ふたつの強豪チームを抱える府中市
シンボルマークの制定は2016年。市がガイド本を作成し、PRに本腰を入れ始めたのは翌2017年で、さらに京王線府中駅前にラグビーボールのモニュメントができたのは、2020年11月1日と本当に最近です。
とはいっても、歴史が浅いわけではありません。府中市には社会人ラグビートップリーグの
・東芝ブレイブルーパス東京
・東京サントリーサンゴリアス
というふたつの強豪チームが本拠地を構えています。

東芝ブレイブルーパス東京の創立は1948(昭和23)年。記録によれば、当時の東芝府中工場では軟式野球部がめざましい成績を上げており、その勢いで「ならばラグビーチームも作ろう」と始まったといわれています。
今では強豪チームになりましたが、始まった当初は用具もそろっていないどころか、経験者もほぼ皆無だったとされています。ようやく経験者が入り始めたのは、高卒者の採用が増えた1952年頃。それでも今のような社会人チームの雰囲気はなく、いわばサークル活動のひとつと見なされており、そんな時期は長く続きました。
状況が変わったのは1970年代半ばからです。この時期になると大卒選手の入部によるチームの強化とともに、東芝が企業イメージと従業員モラルを向上させるため、各工場のスポーツ部のなかから強化スポーツチームを指定する制度を始めます。
これにより、スポーツの得意な新人がチームの所在する工場に配置されるようになり、質も向上しました。
サークル活動から企業主導の社会人チームへ
結果、チームは1977(昭和52)年に全国社会人ラグビー大会に初出場。1988年には同大会で初優勝を果たしています。つまり現在の強豪チームが生まれたのは、アマチュアチーム、いわば勤務時間外のサークル活動から企業主導の社会人チームへとかじを切ったからなのです。

一方、東京サントリーサンゴリアスは1980年の創立。こちら最初から社会人チーム志向で始まっています。同社がスポーツチームを持とうとするなか、創設者の大塚卓夫(のちサントリーフーズ社長)が、当時の社長・佐治敬三から「やってみなはれ」の一言で創部することになりました。
東芝との違いは「拠点への意識」です。東芝の場合は工場があり、そこから始まったチームであるため、最初から「本拠地は府中」という意識がありました。
対して、サントリーの本社は大阪。にもかかわらず府中に拠点を置くことになった理由は、武蔵野ビール工場(府中市矢崎町。現・サントリー 〈天然水のビール工場〉 東京・武蔵野ブルワリー)があり、その近くに福利厚生施設のサントリー府中スポーツセンター(同市是政)があったためです。
そのような条件がそろっていたため、「たまたま府中に集まる」ようになり、本拠地となっていきました。
不利な条件を跳ね返したサントリー
今では充実した設備を持つサントリー府中スポーツセンターですが、創立当初はナイター設備はあるものの、グラウンドは土のままで、雨のときは使えなかったといいます。
また工場勤務を終えてすぐ練習に入れる東芝に対して、サントリーは各営業所で仕事を終えたあと電車で府中駅まで移動し、タクシーでサントリー府中スポーツセンターに向かうという苦労がありました。

そんな努力の結果、1985年には全国大会初出場、1995(平成7)年に初優勝しています。
このようにふたつの社会人強豪チームが発展した府中ですが、市民の間に「ラグビーのまち」の意識が本当に根付いたのは、これだけではないようです。
府中のラグビー史の行方
「ラグビーのまち府中」のPRが本格化したのは2016年、ラグビーのまち府中推進委員会が発足してからです。
府中市史編集委員会が発行している『新 府中市史研究 武蔵府中を考える』第3号掲載の「「ラグビーのまち府中」の歩みと諸相ー地域文化としてのラグビーの視点からー」(川原健太郎・作新学院大学人間文化学部准教授)では、1984(昭和59)年に創設された未就学児と小中学生によるラグビークラブ「プレイブルーパス府中ジュニアラグビーフットボールクラブ(東芝ジュニア)」に着目し、
「府中を拠点とし活動を行っていること、地域の人々の協力を受けながらクラブ運営が行われていることが予想されるなど、府中のラグビー史を解き明かすためにも、その経緯を解き明かすことが必要である」
として、聞き取り調査を実施しています。

この論文でも触れていますが、東芝とサントリーのクラブ創設以来の府中のラグビー史は文献として残っているものが少ないため、聞き取り調査を行っている最中だといいます。
調べた限り府中市を「ラグビーのまち」としてもっとも早く取り上げている『読売新聞』2015年2月4日付朝刊の記事でも「東芝ジュニア」の活動を取り上げており、
「府中市ではタックルの代わりに腰に付けたタグを取り合う「タグラグビー」も、子どもたちの間で盛んだ」
と記しています。
やはりふたつの強豪チームが企業チームとして地域や社会へ貢献する意図を持ってきた結果、次第に市民の間に「ラグビーのまち府中」という意識が広まっていったようです。
つい最近の過去のことにもかかわらず文献が少ないのは驚きですが、聞き取り調査によって、地域の歴史が解明されていくことに筆者は興味を引かれます。
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