旧成田エクスプレス「ナゾの豪華個室」がサイコー!しかも格安!? “車内放送の主”と同乗して裏話いろいろ聞いた
- 乗りものニュース |
バブル期に登場した「成田エクスプレス」の旧型車両にあった個室を、いま長野県の温泉へ向かう特急で、しかも格安で乗れます。車内放送の“声の主”とともに乗車し、知られざる裏話を聞いてきました。
成田エクスプレスの「個室」健在 料金は5分の1に
バブル時代に登場した特急用車両の一部には、家族やグループで貸し切ることができる豪華仕様のコンパートメント(個室)が付いたものがあります。今も利用できる長野電鉄(長野県)の個室に車内放送の“声の主”と同乗し、裏話をうかがいました。
長野電鉄のスノーモンキー。成田エクスプレス時代の塗装を引き継いだ編成(2019年、大塚圭一郎撮影)。
長野~湯田中間(33.2km)を結ぶ長野電鉄長野線の特急「スノーモンキー」2100系は、JR東日本の特急「成田エクスプレス」の初代車両253系を譲り受けました。3両編成が2編成、在籍しています。
1991年にデビューした253系のバブル期の“残り香”のようなのが、編成に1室だけある指定席個室「Spa猿~ん」です。
似たような個室は、東武鉄道が1990年に運用を始めた特急用車両100系「スペーシア」にもあり、2023年にデビューした新型N100系「スペーシアX」に引き継がれました。一方、成田エクスプレスの個室は新型のE259系では廃止されています。
Spa猿~んは、沿線の地獄谷野猿公苑の温泉につかるサルと、「スーパーサルーン」を引っかけた名称。最大4人が利用できる室内は、2人掛けのソファシートが向き合い、電動で背もたれが倒れます。入り口にある液晶ガラスは、室内にあるスイッチを操作すると半透明になる機能も。
成田エクスプレス時代はグリーン個室で、成田空港と東京を往来するVIPらの利用を想定していたとされます。当時は6000円の利用料がかかりましたが、スノーモンキーでは1200円と5分の1です。座席指定券は1人当たり300円のため、4人で乗り込めば指定席料金と同額で個室を使えるのはお得です。他に大人100円、子ども50円の特急券も必要です。
「ご乗車ありがとうございます」の声のご本人と乗った!
筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)は2024年12月、この豪華個室にふさわしいVIPと同乗しました。スノーモンキーの自動車内放送を担当したフリーアナウンサー、山崎昭夫さんです。
山崎さんが司会をしていた長野県の民放ラジオ番組で、筆者は2017~20年に時事問題などを解説するコーナーに出させていただきました。鉄道ファンとしても有名な山崎さんとの面会に最適な場所だと考え、長野駅を18時に出発するスノーモンキーに乗り込みました。
「ご乗車ありがとうございます」というご本人の声が流れる中で、山崎さんは収録時の様子を振り返りました。
「スノーモンキーが2011年に運用を始めるのを前に、鉄道の車内放送装置で大部分のシェアを握る八幡電機産業の担当者が、大きな録音用機器を持って当時の勤務先に来て、約1時間半かけて収録しました」
実は「廃線」のアナウンスも収録済み!?
このとき録音したのは権堂や須坂といった特急停車駅だけではなく「臨時停車などにも対応できるように全ての駅名を言いました」とか。
それも長野線だけではなく、2012年に廃止された屋代線(須坂~屋代)も「乗り入れる時のために全駅録音しました」とか。実際、屋代線が廃止される前にスノーモンキーの【団体臨時】列車が乗り入れ、山崎さんの声が車内に流れました。
収録時に留意したのは「信濃竹原といった一部の駅を読み上げる際のイントネーションを確認することでした」と打ち明けます。「平板読みでお願いします」という指示通りに話したところ「NGは全くなかった」のはさすがです。
そもそも「別の空港特急」だったかも
山崎さんはスノーモンキーが長野電鉄に移籍すると知った時には「驚きましたよ。だってまさか空港特急が来るとは思わなかったから」と話します。しかし、地元関係者によると、長電は特急などに使っていた2000系電車を置き換える候補として、成田空港と結ぶ別の特急用車両も検討していました。
信州中野駅で並んだ旧東京メトロ日比谷線03系の3000系。右側が湯田中行きの電車(大塚圭一郎撮影)。
それは京成電鉄の特急「スカイライナー」の2代目車両AE100形です。ただし、京成の線路幅が1435mmで長電の1067mmとは異なるため、台車を履き替える必要があります。
結果として白羽の矢が立ったのが253系と、運転席を2階に設けて前面展望を楽しめるようにした小田急電鉄のロマンスカー「HiSE」10000形でした。HiSE は4両編成に改造して特急「ゆけむり」1000系として2006年から運用されており、こちらの自動車内放送も山崎さんの声が案内してくれます。
須坂駅に到着する手前で、山崎さんから「右側でカメラを構えて!」と指示されました。そこには営団(現・東京メトロ)日比谷線の初代車両で、丸みを帯びた先頭車の形から「マッコウクジラ」の愛称で親しまれた3000系(長電3500・3600系)が止まっていました。
3500・3600系は2023年1月までに全て引退しており、山崎さんは「2000系などもそうでしたが、あの場所に置かれた車両は、その後解体されています」としんみりと語りました。
長電はもはや「名車の博物館」状態!
乗ったスノーモンキーは信州中野駅止まり。同じプラットホームの隣の番線では、湯田中行きの旧東京メトロ日比谷線03系の3000系が接続していました。
すれ違った特急「ゆけむり」を指さす、Spa猿~ん乗車中の山崎昭夫さん(大塚圭一郎撮影)。
長電では他に普通列車用として旧東急電鉄の8500系も使っていますが、山崎さんは「8500系は勾配用の抑速ブレーキを装備していないので、急な勾配が続く信州中野~湯田中駅間には入線できないんですよね」と解説します。
8500系は今後、省エネルギー車両に置き換えられる計画ですが、「長電はJR東日本と小田急、東京メトロ、東急と、いずれも首都圏で走っていた車両が集まっているのが面白い」と山崎さんは力説。
スノーモンキーについては、「大きな荷物を抱えたインバウンド(訪日)客が大勢利用するようになり、もともとは空港特急用に導入された個室や、集団お見合い式座席の設計もフィットしています」と指摘しました。
成田エクスプレス時代の面影を求めて、あるいは高嶺の花だった旧グリーン個室を体験すべく、長電に乗車する旅に出かけてはいかがでしょうか。
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