線路脇の「アジサイ」は観賞用じゃない!? じつは鉄道を守っていた! 天然のインフラ「防災植栽」とは
- 乗りものニュース |

根っこが斜面をがっちりガード! 鉄道を土砂崩れから守る「防災植栽」
線路沿いを彩るアジサイの並木。車窓を楽しませてくれる美しい風景ですが、実は鉄道会社が「ある切実な目的」のために戦略的に植えたものだという事実は意外と知られていません。いったい、これらの植物にはどのような役割が隠されているのでしょうか。
線路脇のアジサイは観賞用だけではなかった?(画像:写真AC)
線路脇を彩る花々は、実は単なる観賞用ではありません。特に線路脇のアジサイなどは、その根を地中に広く張ることで、土壌を押さえ込む「土留め」のような役割を果たすとされています。
実際に京王井の頭線では、1990年から、雨水の流入による線路脇斜面の崩壊を防ぐ目的のほか、沿線風景を楽しんでもらうため、アジサイやサザンカ、ツツジなどが植栽されています。
こうした線路沿いの樹林帯や植栽のなかには、「鉄道林」や「防災植栽」と呼ばれるものもあります。
単に景観を良くするためだけではなく、強風を和らげる防風林や、雪が線路になだれ込むのを防ぐ防雪林、斜面を安定させる防災林など、過酷な自然環境から列車を守る「天然のインフラ」として機能しています。
しかし、植物の力はこうした「物理的な守り」だけに留まりません。線路脇の花々は、乗客や沿線の人々に季節の移ろいを伝える存在でもあります。
季節の「目安」として親しまれる沿線の花々
井の頭線のアジサイや、箱根登山電車のアジサイのように、鉄道の風景そのものとして親しまれている例もあります。こうした風景の変化から、沿線の豊かな季節感を感じ取っている方は多いのではないでしょうか。
季節の移り変わりの確認という目的も?(画像:写真AC)
たとえば、「今年は少し咲くのが早い」「色づきが遅い」といった変化から、その年の気温の傾向などを肌感覚として捉えるきっかけになることはあります。もちろん、具体的な運転操作の判断は、あくまで気象情報や線路設備の状態など、定められた情報に基づいて行われます。
しかし鉄道会社が計画的に植えたこれらの花々は、ハイテクな電子機器が普及した現代においても、沿線の環境や季節の変化をさりげなく知らせてくれるアナログな「目安」として線路脇に立ち続けています。
次に車窓から美しい花々を見かけたときは、それが単なる風景ではなく、列車の安全を24時間体制で支えている「頼もしいパートナー」であることを思い出してみてはいかがでしょうか。
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