斉藤由貴から上白石萌音&萌歌へ! 東宝シンデレラが受け継ぐ「女優」遺伝子
- オトナンサー |

NHK BSプレミアムに、過去の朝ドラ(連続テレビ小説)を放送する枠があります。現在放送されているのは、1986年度上半期の「はね駒」。当時19歳の斉藤由貴さんが主演し、平均視聴率41.7%を記録したヒット作です。
彼女は1984年、明星食品「青春という名のラーメン」のCMでデビュー。1985年に「卒業」で歌手デビューも成功させ、連続ドラマ初主演となった「スケバン刑事」(フジテレビ系)も話題になりました。
「はね駒」に主演した年には「紅白歌合戦」に初出場。同時に、紅組キャプテンも務めています。これは、松たか子さんに破られるまで最年少記録でした。
とまあ、いきなりの大活躍だったわけですが、「はね駒」が始まる3カ月前に筆者がインタビューした際、彼女は芸能の仕事についてこう言っていたものです。
「ええ、いちばん自分にはあってるなー、と思って。天職っていうとヘンですけど」(「よい子の歌謡曲」、1986年)
そして「将来的な仕事は女優」「30になってとか40になってとか、そしたら女優でいくと思う」とも。その言葉通り、女優業を中心にキャリアを重ねてきました。実力はもとより、不倫スキャンダルでも評価が落ちない安定感は、もはや大御所の域です。
しかし、34年前の「はね駒」で見せる姿は、今のイメージとはやや異なります。そこには、体当たりで大役にぶつかる若手女優のみずみずしさがあふれているのです。母親役の樹木希林さんや、恋人(後に、夫)役の渡辺謙さんもまだ若いのですが、彼女の10代ならではの魅力はひときわ目立ちます。
素朴でひたむきで、ふんわりとしたかわいさに、運命を元気に力強く切り開いていこうとするたくましさ。それはまさしく、朝ドラヒロインにふさわしいものでした。
女優、歌手として活躍する上白石姉妹
そんな姿からふと連想したのが、同じ東宝芸能に所属する後輩女優たち。まずは、上白石萌歌さんです。現在、20歳の彼女は「キリンレモン」のCMに出演中。その新作がかつて「カルピス」のCMに出演していた頃の斉藤さんをほうふつとさせます。
もちろん、女優としてもめきめき成果をあげていて、昨年は「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)、「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(NHK)といった話題作に出演しました。
また、今年2月の単発ドラマ「ファーストラヴ」(NHK)での役は、性的トラウマなどから父を殺してしまうという、心に闇を抱えた女子大生でした。こうした幅の広さは、斉藤さんも早くから発揮していたものです。
そんな萌歌さんの姉である上白石萌音さんは今年、「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)のヒロインとして、そのヒットに貢献しました。こちらにも、斉藤さんと似た魅力を感じます。
あのドラマで演じた新米ナースは一生懸命だけど抜けていて、それは「はね駒」のヒロインにも通じるもの。また「岩石」というあだ名で呼ばれるところなど、斉藤さんが近年、レギュラー出演している「警視庁・捜査一課長」(テレビ朝日系)での役を思い出させます。こちらは「大福」というあだ名を持つ刑事。萌音さんも何十年後かには、ああいう役をやっていそうな気がするのです。
また、この姉妹はそろって、歌手としても活動しています。ミュージカルも経験していて、萌音さんは作詞にも取り組んでいます。この辺りも、斉藤さんと同じ路線をたどっているような印象を覚えます。
精神的意味での「シンデレラ性」
そして何より、この3者に共通しているのは、精神的な意味での「シンデレラ性」です。萌歌さんは東宝シンデレラのグランプリ、萌音さんは審査員特別賞、斉藤さんはファイナリストという経歴の持ち主。童話の「シンデレラ」が本来、目立たなかった少女がその魅力を発見されることで幸せへと踏み出す物語であるように、彼女たちも最初から自信にあふれていたわけではありません。
今年1月に放送された「A-Studio」(TBS系)では、姉に誘われ、一緒に東宝シンデレラを受けることになった萌歌さんが、実は気が進まず、泣いたりしていたというエピソードが紹介されました。
「絶対に向いてないし、人前で話すこともできないから」
というのが、その理由です。では、誘った姉はどうかというと、7歳くらいのときの、こんな過去を明かしました。
「学校に行けなかったんです。保健室登校みたいになってた時期があって。あんまり友達とうまくいかなくて」
この番組を見ながら思い出したのが、29歳の斉藤さんにインタビューした際、耳にした発言でした。
「自分から表に出て行く快活なタイプじゃなかったから、友達も多くなかったし、だけどその分、誰かに認められたい気持ちも強かったんですよ(略)だから、芸能界に入って、自分みたいな人間にもニーズがある、認めてもらえるというのがすごくうれしかったんです。今思えば、それまでの十数年は、起爆力をつける意味で十分な時間だったんでしょうね」(「宝島30」、1995年)
つまり、3人とも内向的で、ともすれば自分をイケてないと思っていた時期があったわけです。そういう経験は自己表現への欲求を高め、パワーとして蓄積されます。それがやがて、女優になったときの「起爆力」につながったのではと。それこそが、現代のシンデレラたちが受け継ぐ遺伝子なのではと感じたものです。
なお、斉藤さんが世に出た東宝シンデレラでグランプリになったのが、沢口靖子さんでした。そして、萌歌さん、萌音さんのときにニュージェネレーション賞を受けたのが、浜辺美波さんです。何となく、沢口さんの遺伝子は浜辺さんが受け継いでいるような気がします。
また、この世代の中間にグランプリとなった長澤まさみさんには、斉藤さんと沢口さん両方の遺伝子を感じます。さらに、現時点で最も新しいグランプリ受賞者・福本莉子さんの飛躍も期待したいところです。
斉藤さんをはじめ、彼女たちがこれからどんな夢を見せてくれるのか。それぞれのシンデレラストーリーを、楽しみに見守るとしましょう。
作家・芸能評論家 宝泉薫
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