「出動しない方が良い」空自のエリート部隊とは? モットーは「他者を生かすために」現場隊員のリアルな声を聞いた
- 乗りものニュース |

人命救助などに携わる航空自衛隊の専門部隊、それが航空救難団です。実働部隊である救難隊を全国10か所に配置し、日々出動に備えています。彼らはどのような部隊で、またどのような活動をしているのでしょうか。
真っ先に事故現場へと駆けつけた空自の専門部隊
2025年5月14日、愛知県犬山市の入鹿池(いるかいけ)に、航空自衛隊のT-4練習機が墜落する事故がありました。墜落機は宮崎県の新田原基地の所属機で、地上施設や人員の被害はありませんでしたが、搭乗していた2名のパイロットの安否は15日現在も判明しておらず、自衛隊や警察、消防などによる懸命の捜索が続けられています。
航空自衛隊のUH-60J救難ヘリコプター(布留川 司撮影)。
事故は14日の午後3時頃に発生しましたが、その約1時間後には航空自衛隊による探索救難活動が開始され、1機のU-125A救難捜索機と2機のUH-60J救難ヘリコプター、36名の人員が参加しました。これら航空機と隊員たちは、航空自衛隊において救難活動を専門に行う航空救難団に所属しています。
航空救難団は司令部を埼玉県の入間基地に置きますが、その隷下にある実動部隊「救難隊」は全国10か所の基地に分散配置されています。また愛知県の小牧基地(小牧市)には要員教育を担う「救難教育隊」が配置されており、司令部がある入間基地を除いて前出の10か所の救難隊+救難教育隊の計11部隊には各々、UH-60J救難ヘリコプターとU-125A救難捜索機がペアで配備されています(このほかに輸送用のCH-47JAが入間基地などに配備)。
彼らの任務は航空自衛隊の航空機で事故が発生したとき、真っ先に駆けつけて事故機の乗員を探索・救助することにあります。1分1秒が生死を分けるため、救難隊は事故が起きた場合、直ちに対応できる体制を整えており、今回の入鹿池における事故でも速やかに現地へ出動しています。
なお、こうしたスキルを持っているからこそ、彼らは台風や大地震などの大規模災害が発生した際などにも出動し、被災地での民間人の救助活動に従事しています。たとえば、2011年の東日本大震災においては、被災エリアが広範だったため全国の救難隊が被災地に派遣され、救難団全体で3443名もの要救助者を助け出しています。
パイロットたちの精神的な支え
このように、航空救難団は大災害での民間人救出が華々しく報じられるため、人命救助という任務の特性も相まって、世間一般から尊敬のまなざしで見られることが多々あるでしょう。しかし、航空救難団と救難隊を誰よりも頼もしく思っているのは、航空自衛隊のパイロット自身だと言われています。
救助者に見立てたダミー人形で訓練を行う救難員。ヘリコプターから降下して救助者の元に駆けつけて助けるのがその任務である(布留川 司撮影)。
「たとえ事故が起きても、助けに来てくれる」というのは、日々任務に臨むパイロットたちからすれば、実際の事故が起きなくてもその存在自体が精神的な支えになります。
どんなに訓練を重ね、不断の注意を払っても、航空機の飛行において事故発生の可能性を排除することはできません。また、有事が発生した場合には、戦闘機などは撃墜されて脱出する事態を考えなければなりません。そんな緊急事態において、パイロットたちを救い出してくれるのは救難隊です。
航空救難団にはその活動の指針として「That others may live」(他を生かすために)という言葉を掲げています。この言葉はアメリカ軍の救難部隊の高官のスピーチから引用されたもので、航空救難団が紹介されるときに必ず用いられるフレーズです。
実際、筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)が過去に救難隊を取材した際、その部隊の隊員はもっと簡潔に「(我々は)人のためにやります」と言っていました。この言葉は今でも印象に残っています。
航空自衛隊の航空機が事故に遭うのは、洋上、山岳、森林地帯とどこでも想定されます。そのため、彼らはどこにでも駆け付けられるだけのスキルと装備を常に用意しています。
「人命救助の最後の砦」とも称される彼らが出動・活躍しないに越したことは間違いありませんが、存在し常に備えていてくれるからこそ、航空自衛官らは安心して活動できると言えるでしょう。
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