「お客さん警察行きましょうか…」ベテランタクシー運転手に聞く 驚愕の泥酔客3選「さすがプロ!」な案件まで
- 乗りものニュース |
お酒を飲む機会が多くなる12月には、様々な迷惑客がタクシーの乗ってきます。そこで、これまでに出会った驚きの泥酔客を女性ベテランドライバーに列挙してもらいました。
交番で暴れちゃダメでしょ
毎年12月は忘年会やクリスマス、仕事納めなどでお酒を飲む機会が多くなるシーズンです。
愛車のカムリとともに写る村瀬沙織さん。村瀬タクシーの名で営業している(画像:村瀬沙織)。
そういった場合、頼りになるのがタクシーでしょう。最寄り駅や飲食店から乗ったりするのはもちろん、終電を逃した際や、酔っ払った友人・知人を送迎するのに使ったりと、とてもありがたい存在です。
ただ、ドライバー側からすると信じられない客がいるのも確か。そこで、東京都八王子市周辺で営業する個人タクシードライバーの村瀬沙織さんに、ハナシを聞きました。
「泥酔客は、ほぼ寝込み客と化す」これはタクシードライバーにとっての共通認識なのだとか。これに関しては、男女問わずとのことだそうで、実体験として、酔っ払って車内で寝込んでしまった初老女性について語ってくれました。
その女性客は、終電直後の深夜に乗ってきたそうですが、目的地の詳細な住所などを村瀬さんに伝えないまま寝てしまったことから、村瀬さんは警察に引き渡すことに決めます。泥酔した女性客を乗せ、交番に着くと、出てきた警察官に状況を説明。とうぜん警察官は事情を聴くために交番内に女性客を連れて行こうとしますが、泥酔しすぎて1人では歩けないため、警察官だけでなく村瀬さんも力を貸すことに。ようやく交番内へ入れたものの、今度は家の場所など、客の詳細を聞くのに難儀したといいます。
要領を得ないやり取りが続く中、ふとしたきっかけで初老の女性客、なんとドライバーの村瀬さんに逆ギレし、掴みかかってきのだとか。とっさに警察官が守ってくれたため村瀬さんは事なきを得たそうですが、たまったもんじゃありません。
そこで、村瀬さんが警察官に対してタクシーの運送約款を説明し、「この酩酊状態ではこれ以上の運送の継続は不可能」「タクシーではなく警察署での保護かパトカーで送るのが妥当」と伝えたところ、警察で保護ということが決まり、ようやく泥酔した女性客から解放されるに至ったものの、終電後の一番忙しい時間帯、言い換えればもっとも稼げる時間帯に長いあいだ交番に留まることになってしまったため、「この時間損失は正直かなり痛かった」と語っていました。
ただ、その一方、逆に村瀬さんが「この人、プロだ」と舌を巻く客にも会ったそうです。
え、男性客さっさと降りちゃった…
それは、今から2年ほど前のこと。繁華街で乗り込んできたのは、男性客と泥酔した様子のスナックのママでした。
数少ない女性の個人タクシードライバーである村瀬沙織さん。35歳という若い年齢で個人タクシー事業者になった(雪岡直樹撮影)。
スナックのママの方は男性がいなければまっすぐ歩けないほどで、まさに抱えられるような状態だったといいます。とうぜん会話もベロンベロン、ろれつが回っておらず、村瀬さんは内心これは吐くか、もしくは寝込みそうだなと思い、事前に「エチケット袋は用意しているので、気持ち悪くなったら遠慮なく言ってくださいね」と声がけしてから走り始めたそうです。
そうこうしているうちに、男性客が指定した目的地に到着。ここで、なんと男性客は泥酔したスナックのママを車内に残し、1人で降りてしまいます。これは警察案件になるのか……、などと絶望していたら、なんと泥酔していた彼女の口から「次は◯◯町の△△マンションまでお願いします」と、シャッキシャキのキッレキレで行き先を伝えてきたのだとか。
バックミラーで後部座席を見ると、さっきまでミラーには映り込まないほど斜めに座っていたスナックのママが、別人のごとくシャキッと姿勢良く座り、目もパッチリ! 泥酔していたのではなく、泥酔したふりをしていたのだと、村瀬さんは瞬時に悟ったと語ってくれました。
村瀬さんいわく「こりゃ1本取られたな!ってなったw」「さすがプロ!」という案件だったそうです。
また、村瀬さんは先輩ドライバーが体験した驚愕の迷惑行為についても話してくれました
クルマを叩くな!
これは、ベテランの個人タクシードライバーが遭遇した迷惑客のハナシとのことでした。
村瀬沙織さんの乗務員証(雪岡直樹撮影)。
八王子を中心とした南多摩エリアには数多くの大学がキャンパスを開設しています。そのひとつ、体育会系の部活動が強いことで知られる某大学のラグビー部の学生が酔っ払った挙句にやらかしたそうです。
複数人で相乗りという体でタクシーに乗りましたが、酔って気が大きくなっていたのか、降りた際になぜかタクシーの車体に1発パンチしたのだとか。ただ、それがラグビー部所属の学生なものだから、威力は絶大で左クォーターパネル、リアフェンダーの部分がベッコリ凹んでしまいました。
とうぜん当該ドライバーは、すぐさま警察を呼び、処理をしてもらいます。結果、後日ラグビー部の顧問から丁寧な謝罪と修理代が支払われたとのことでした。
ちなみに、クォーターパネル(リアフェンダー)はバンパーやドアパネルなどと異なり、ルーフなどとつながるボディ本体の一部であることから、他の箇所と違って取り外して交換できません。そのため、修理代は高額になるのが一般的です。
過度な飲酒、泥酔は様々な人に迷惑をかけます。羽目を外さないよう、節度ある“大人の飲み方”を心がけましょう。
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