「三島のふりかけ」「ヨーロピアンシュガーコーン」…食品系カプセルトイが大人をとりこにする魅力とは?
- オトナンサー |

1980年代の「キン肉マン消しゴム」(キン消し)、2000年代の「コップのフチ子」シリーズなど、カプセルトイで楽しんできた人は多いのではないでしょうか。2020年代に突入し、外国人のファンも増やすなど、進化を続けるカプセルトイですが、絶大な人気を集めているのが“食品玩具系”のカプセルトイです。
老若男女に馴染みのあるお菓子、多くの家庭で使用している調味料やカップ麺をミニチュアサイズにした食品玩具のカプセルトイは幅広い世代の消費者から注目を集めています。
食品玩具のカプセルトイが令和の大人たちの心をつかんで離さない理由に迫ってみます。
三島のふりかけ、ヨーロピアンシュガーコーン、ブタメンもカプセルトイに
カプセルトイの勢いが止まらない昨今ですが、その中でも注目されているのが大手食品メーカーとカプセルトイの企画・製造を行う企業がコラボレーションした食品玩具のカプセルトイです。
例えば、カプセルトイ商品の企画・製造を行っているキタンクラブでは、三島食品のふりかけシリーズとコラボした「三島のふりかけポーチ」を販売しています。「ゆかり」や「うめこ」を含む6種類のふりかけがポーチ化し、本物のパッケージと見分けがほとんどつかないほどのクオリティーの高さとなっています。
同社は、クラシエのロングセラーアイス「ヨーロピアンシュガーコーン」とコラボした「ヨーロピアンシュガーコーン ライト」も発売。バニラ、ストロベリーなどを含む4種類のラインアップで、本物そっくりのヨーロピアンシュガーコーンのスイッチをオンにするとあわく光ります。付属品のミニサイズの箱もリアリティーを求めている消費者にとってうれしいポイントになっています。
また、子ども向けの玩具を多く手掛けているバンダイは、おやつカンパニーの駄菓子「ブタメン」をモチーフにした「おやつカンパニー ブタメン スペシャルチャーム」を発売しています。同商品はふたを開けると、本物そっくりの麺が再現されており、細やかなこだわりが感じられます。
食品玩具のカプセルトイが“役立つ”シーンも
筆者も食品玩具のカプセルトイのファンの一人です。親しみを感じている食品をモチーフにしたカプセルトイを見かけると思わず購入してしまいます。マシンのレバーをまわす行為自体をエンタメとして楽しんでいます。
また、バッグやポーチなどの所持品に付けていると、会話のネタになることも。例えば、人が集う場で「三島のふりかけのこれなんですか? え…!? ポーチがあるんですか?」などと話しかけられることがあります。そして、最近のカプセルトイの人気、その食品の魅力など話題は尽きず、初対面の人と短時間で打ち解けられることが多々あります。
カプセルトイ企画担当者が語る魅力とは…
筆者が、キタンクラブの「三島のふりかけポーチ」の企画担当者と、「ヨーロピアンシュガーコーンライト」「サクレライト」の企画担当者に、さまざまな疑問をぶつけてみました。
商品化の意図を取材したところ、「三島のふりかけポーチ」の企画担当者は「市場での流行だけではなく、自分が好きという基準で企画を考えています。自分が好きである商品のグッズが現状ない場合、こういうグッズが欲しいという思いを大切にして提案しています」と話してくれました。
「ヨーロピアンシュガーコーンライト」「サクレライト」の企画担当者は商品化の意図について「おいしいものは輝いて見えるといった感覚から、大好物のアイスを光らせています」と思いを語ってくれました。さらに、どういった基準でコラボするメーカーを選んでいるかについても質問すると、「長年愛されている商品であることや、懐かしさによる商品の親近性を個人的に意識しています」と聞かせてくれました。
あわせて、両者の担当者に昨今の食品玩具のカプセルトイの人気の背景と食品玩具のカプセルトイの魅力を聞いたところ、「自分たちにとって身近な商品のグッズを周囲と共感しあえます」と消費者目線での魅力も語ってくれました。
また、消費者だけでなく、企業にとっても利点があるといい、「異業種コラボは目新しいニュースとして注目を集めやすく、SNSで話題になりやすい傾向になります。企業様によってはカプセルトイにすることで若い世代にもブランドが認知されます」と教えてくれました。
さらに、近年において大人が食品玩具のカプセルトイを購入する理由については、「カプセルトイショップの入りやすさも影響し、カプセルトイブーム世代が大人になっています。カプセルトイを手掛けるメーカーが増えたことで、商品のジャンルが増えて、今まで購入しなかった層の心に留まる商品が出てきました」と説明してくれました。
確かに、カプセルトイショップは解放感があり、一人で気楽に立ち寄れますし、ショッピングモールなどでも目をひきます。また、販売会社の商品に対するこだわりも大人を虜にする秘訣(ひけつ)となっていて、「裏面や成分表示などにもこだわった緻密な再現はコレクターに刺さるクオリティーです」と話してくれました。
食品玩具のカプセルトイが老若男女の心をつかんでいるのは、企画担当者の“対象商品への愛”や、“自分だったらこういう商品が欲しい”という純粋な思いに共感する人が多いからなのかもしれません。
西田梨紗
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