「私鉄唯一の夜行列車」はどうなるの? 終着駅が“有名無実化” 運行区間は変わるのか
- 乗りものニュース |
尾瀬の福島県側の拠点駅である会津高原尾瀬口駅でバス路線の再編が行われ、「尾瀬口」としての機能が実質的に失われます。ここを終点とする「私鉄唯一の夜行列車」はどうなるのでしょうか。
会津高原尾瀬口駅からバス撤退 「尾瀬夜行」どうする?
栃木・群馬・福島・新潟の4県にまたがる「尾瀬」、その福島県側の拠点駅が変わります。会津バスが2024年9月30日をもって、会津高原尾瀬口駅(会津鉄道・野岩鉄道)から尾瀬・桧枝岐方面へ向かうバスを廃止するのです。
「尾瀬夜行」に使われる東武500系「リバティ」(画像:東武鉄道)。
この再編では、同駅から約15km北に位置する会津田島駅発着の路線と統合し、会津田島を尾瀬・桧枝岐へのバスの拠点とします。SNSでは、「会津高原尾瀬口って駅名、旅情緒を掻き立てられて好きだった」と惜しむ声も。
この会津高原尾瀬口駅は、“私鉄唯一の夜行列車”の終着駅としても知られています。東武鉄道が夏シーズンに旅行商品として浅草発で運行している「尾瀬夜行」などで、乗客は同駅から尾瀬方面へ向かう専用バスに乗り換えています。
今シーズンの「尾瀬夜行」は、バスのダイヤ改正後の10月も2回、運行が予定されています。東武鉄道によると、往路の夜行列車そのものは、10月の2回も会津高原尾瀬口行きで運行するそうです。
「往路はチャーターした専用バスを使って尾瀬方面へ向かうのは変わりませんが、復路の列車(昼行)は、会津田島発となります」とのこと。首都圏から福島県側で往復する日帰りプランについても、復路は尾瀬から一般路線バスで会津田島へ向かい、そこから浅草行きの特急などに乗り換えるそうです。
実は、2024年度の「尾瀬夜行」パンフレットの地図にも、会津田島駅に「10月の東武鉄道乗換駅」との脚注が記されており、予め調整されていたようです。ただ、来年度以降の「尾瀬夜行」の終着駅については未定だといいます。
また、冬にはスキー列車「スノーパル」も会津高原尾瀬口として例年運行されています。この列車で向かうスキー場のひとつ「たかつえスキー場」は、会津高原尾瀬口駅に近く、今回のバス路線廃止区間に含まれます。
東武鉄道によると、「スノーパル」と連絡バスについても、9月上旬時点で“運行に向けて”協議中だそうです。
ちなみに、会津高原尾瀬口駅はもともと「会津滝ノ原」駅として開業し、「会津高原」駅を経て2006年に現駅名に改称しました。夜行列車の終着駅といえど、ひっそりとした山間の駅の趣で、SNSでは「会津高原」に戻していいのでは、という意見も見られます。
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