「ボディが楕円形!?」 前代未聞の“珍形状”電車、中身もスゴかった! 100歳近い車両に代わる最新型
- 乗りものニュース |

「嵐電」の名で親しまれる京都の京福電鉄で新車両モボ1形「KYOTORAM」がデビュー。楕円のように弧を描く“顔”はインパクト大です。100歳近い車両を置き換える最新車両とは、どのようなものでしょうか。
115年ぶりに蘇った「1形」。その顔は“これぞ嵐電の電車”
「嵐電」の名で親しまれる京都の京福電鉄で新車両モボ1形が、2025年2月28日から走り始めました。車両の前面が丸みを帯び、「ボディ全体が楕円形なのでは?」とも思える特異な形状の電車は、どう誕生したのでしょうか。
モボ1形「KYOTORAM」。増結運用もあるため、路面電車なのに連結器もある。ただし100・300形とは連結ができないという(坪内政美撮影)
モボ1形は「KYOTORAM(キョートラム)」と名付けられ、今回デビューした01号車を含め、2028年度にかけて7両の導入が予定されています。
報道関係者が集まった西院(さい)車庫の建屋から姿を現した車両は、まずその外観に纏った京紫の鮮やかさと、なにか愛らしい丸みを帯びたその“顔”に注目させられました。
鉄道部部長で製作に関わってきた東 啓一さんは「先代の路面車両にあった半筒形の顔を現代にどうしても蘇らせたかった。“これぞ嵐電の路面電車”です」と胸を張ります。単なる回帰表現ではない、元々もっていた嵐電のヘリケージを取り入れた最新車両です。
形式の呼称も、1910(明治43)年に前身の嵐山電気軌道によって嵐山線が全線開業する際に製作された1形を継承。実に115年の時を経て令和の時代に形式名「1形」が蘇りました。ちなみに京福電鉄において形式名である「モボ」は、モーター車の「モ」とボギー車という意味を持つ「ボ」で構成されています。
また、この車両を導入にするにあたり、シンボルマークのデザインも一新。「嵐」と「電」2つの漢字の成り立ちを追い、一つの象徴的な図形に融合したうえで、碁盤の目のような京都の町並みと嵐山の竹林を連想させる「竹の網代文様」などをエッセンスに取り入れたといいます。このシンボルマークは旅客・運転席シートや車内仕切り板、車外スピーカーの開口スリットにまで採用されています。
これが「最新の路面電車」なのか……
嵐電は京都市民の生活の要であり、観光名所への足としても定着しています。ただ、ドアが車両の前後2か所の路面電車タイプかつ「後乗り前降り」というワンマンスタイルの嵐電において、キャリーケースを持った観光客の動線確保や誘導は、定時運行を左右させる課題でもあったといいます。
「前照灯は改良を重ねている。2号車はまた違うかも…」と東 啓一さん(坪内政美撮影)
そこで、車両の出入口ドアは片開きから両引き戸式に変更し、開口部の幅を100mm拡大して乗り降りのスムーズ化を図ったほか、ドア付近の混雑緩和を狙いとしたスペースの拡大に加え、車いす、ベビーカー、大型キャリーケースなどのスペースも確保。さらに一部のドア横には簡易テーブルを設置し、利用者の要望に応え充電用USBポートも装備しています。
ワンマン運転とする「後乗り前降り」であるため、車内を移動することも考慮しています。ロングシートを採用して通路幅をひろげ、さらに座席側へ湾曲したスタンションポールや、座席区画を仕切る板を1列の座席の随所に設けています。
また、使用頻度の少ない網棚は撤去し、湾曲した天井を暖色系LED照明で照らすことによって落ち着いた雰囲気を演出しています。窓も従来車より大型で、固定窓となりました。それに伴う車内換気のため、空調装置にナノイーX発生装置を搭載しています。
座席数は優先座席を含めて24席。人間工学に基づいた座線幅460mmのやや深いバケット式を採用しています。程よく硬めであるため、横揺れに強く、立ち上がりも容易にできるとのことです。
また、正面行先板は大型LEDとし、表示も漢字・英語・ハングルに加え、京都特有の難読地名に配慮した、ありそうでなかった「ひらがなのみの表記」も採用しています。これもまた、4月13日から大阪府で開幕される大阪・関西万博を見据えたという京都らしい“おもてなし”の配慮の一つでしょう。
100歳近い車両と「朝ドラ車両」が引退
今回のモボ1形の登場で置き換えとなるのが、1929(昭和4)年に製造された100形(モボ101形)6両すべてと、1971(昭和47)年に製造された300形(モボ301形)1両が対象となります。
モボ1形の投入より現役古参の300形1両も置き換える計画だ(坪内政美撮影)
特に旧塗装を纏った300形301号は、2021年度後期のNHKの連続朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でのロケ車両としてもファンに知られた存在。1983年という設定で劇中に登場したものの、ロケ中、車窓に当時最新のトヨタ・プリウスやブーメラン型パトランプをつけたパトカーなど現代のクルマが映っていたため、SNSでは一時話題になりました。
「あのロケは大変でしたよ。運賃箱や表示機など車内を当時に近い設備に改造して、映りこむ車窓を何度もロケハンして現代の看板や建物が映らないように画角まで調整していたのに。まさかプリウスがね……」と当時、ロケ列車の運行調整を行ったという管理部部長で広報担当の鈴木浩幸さんは振り返ります。
その当時、ほとんどが現在の京紫塗装になっていた中で、旧塗装であるベージュと緑のツートンカラーを纏っていた301号車は、運よく残っていた1両だったといいます。
2月28日から一般運用を始めた新鋭モボ1形の運用情報は、公式Xで発表されます。また、置き換えが決まりカウントダウンが始まった100形や300形も、しばらくは見ることができます。この春は嵐電の桜と新旧車両とのコラボに出かけたいものです。
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