北米と南米生まれの“地上攻撃のエキスパート”A-10&「スーパーツカノ」が太平洋上で揃い踏み!
- 乗りものニュース |
攻撃機として有名な新旧2機が集う。
アメリカ軍とフィリピン軍の共同訓練で実現
アメリカインド太平洋軍は2024年12月17日、第25戦闘飛行隊のA-10「サンダーボルトII」がフィリピン空軍のA-29「スーパーツカノ」と共同訓練を行ったと発表しました。
A-10「サンダーボルトII」(画像:アメリカ空軍)。
この訓練は、12月9日~13日の5日間、フィリピンのクラーク空軍基地で行われた共同演習「アイアン・スワット2024」の一環として実施されました。
アイアン・スワット2024は、アメリカ軍の即応力を強化した動的戦力運用(DFE)を想定した訓練とのことで、インド太平洋軍主導のもと、パイロット、整備員、航空管制官らが、両軍の共有スキルの強化と相互運用性の向上を図りました。
そして演習の中でも最も重要な訓練の一つが、A-10「サンダーボルトII」とA-29「スーパーツカノ」という2種類の攻撃機による共同飛行訓練です。近接航空支援作戦における精度向上を目的に行われました。
A-10「サンダーボルトII」は、アメリカ空軍の中でも特に対地攻撃に特化したジェット攻撃機として開発されました。機首部分には30mmGAU-8「アヴェンジャー」ガトリング砲を搭載し、主翼下のパイロンにはロケット弾から対地ミサイル、誘導爆弾まで多種多様な兵装を搭載することが可能です。
ただ、今後発生するかもしれない太平洋地域や欧州での軍事衝突では、A-10が攻撃機としての能力を発揮できないだけでなく、機体が無事に飛び続けることすら難しくなると考えられており、2024年現在は退役に向け動き始めています。
一方、A-29「スーパーツカノ」は、ブラジルのエンブラエル製のターボプロップタイプの軽攻撃機です。主に麻薬密輸組織やゲリラが操縦する飛行機や船を監視する用途に開発され、「COIN機」とも呼ばれます。速度はジェット機ほどは確保できませんが、地上攻撃、空中偵察・迎撃、反乱鎮圧など幅広い任務に対応できる能力を有しつつも、メンテナンスも最小限で済みます。なお、アメリカ空軍も、同機がA-10の代わりとなり得るか一時期テストしたこともあります。
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