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島田珠代さんと恋人の喧嘩にピシャリ「今のはママが悪いな?」娘と母とパートナー、いつしか育まれた3人の絆

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  • マイナビウーマン
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珠代さん、娘さん、パートナーのひろしさん。3人の関係性とは……?

唯一無二の持ちギャグで、新喜劇を長きに渡り支えている看板女優の島田珠代さん。舞台とは違う裏側の珠代さんの姿を赤裸々に綴った自身初のエッセイ『悲しみは笑い飛ばせ! 島田珠代の幸福論』(KADOKAWA)より一部抜粋してご紹介します。

第5回の今回は、珠代さんと娘さん、ひろしさんの3人の関係について綴ったお話「私と娘とひろしさん」をお届け。

娘さんとの2回目の大ゲンカでは、娘さんの気持ちに寄り添い珠代さんに助言をくれたパートナーのひろしさん。現在は珠代さんと娘さん、ひろしさん3人でとても良い関係が築けているといいます。

私と娘とひろしさん

娘が小さい頃、私は仕事の忙しさを理由にして、娘の欲しいもの、欲しがりそうなものをぽんぽんと与えていました。でもきっと、前夫は私とは逆にものの大切さや節約する精神を教えていたのでしょう。娘は、私よりも経済的な感覚がしっかりしていて、私が娘から「高価なブランド物を買いすぎ」とか「漫画雑誌を買いすぎ」とか注意されます。

娘が名古屋にいた頃、2カ月に1回くらいの頻度で私が娘のところへ会いに行っていました。ある日レストランへ連れていくと、娘があまり食べていないように私の目には映りました。娘は元気でやっているのかなと心配しながら会いに行っているし、元気な子どもはたくさん食べるはずだという思い込みもあって、「もっとしっかり食べなさい。ほら、アーンして」と娘の口に料理を運んでいました。でも、しばらくすると、娘はびっくりするくらいの量を吐き戻してしまったのです。人それぞれ、食べられる容量は違うんだという当たり前のことにあらためて気づかされ、娘に無理矢理食べさせるという自分の行いを反省する出来事でした。

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(提供写真)

自分に合う、それぞれのペースで生きていけばいい。そんなことを思い出させるやりとりが、私と娘とひろしさんの間で交わされたことがあります。娘は「陰キャだから話しかけられない」とか「バスに乗ると友だちと一緒に座る二人掛けの席ではなく、一人用の席になっちゃう」とか、友だちづくりで少し悩んでいる様子でした。私は娘の背中を押すつもりで「友だちつくらんと」と声を掛けたのですが、でも、ひろしさんは逆に「僕なんかずっと一人だった。一人のほうがいいこともある」と娘に伝え「友だちをつくるのがしんどいのに、友だちつくれって言われても困っちゃうよな」と言ってくれたのです。彼の言葉は、娘の悩みを少しだけ軽くしてくれたのではないかという気がします。

今は私も「バスの中で一人になるなら、本でも読んでたら?」というスタンスで娘に接しています。それでもやっぱり娘と「友だちできそうなのにできないのはなんでやろな」と話していると、私からは「できるだけ輪の中に入ったほうがいいかもなぁ」という暗に「友だちをつくりなさい」という意図を込めた言葉がついつい出てきてしまうのですが。

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(提供写真)

一方、私とひろしさんがケンカしている様子を、娘は最近になってエンタメへと昇華しているそうです。私とひろしさんのケンカは、他愛のないことから始まり、大体私が感情的になって怒り散らかすというパターン。

「今、テレビに出てた女の人見てたよな? ああいうのが好きなん?」
「……見てない」
「見てたやん! 私と全然違うタイプやん。ほな、ああいう人と付き合ったら?」

どんどんエスカレートしていって、別れ話になることも少なくありません。そのままの流れでひろしさんが家を出ていこうとすることも……。

「珠代さん、僕もう出ていきます」
「好きにしたらええやん‼」
「……珠代さん。このままだと僕ほんまに出ていきますけど、本当にいいですか?」

チラリとこちらを振り返るひろしさん。こんなやりとりを3往復ほど繰り返し、いよいよドアを開けて出ていこうとします。

「ひろし、今謝ったら許したるで」
「あ~あ‼ はいはい! 分かりましたぁ~、ごめんなさいね~」

そう言いながら、ひろしさんは部屋の定位置へと戻っていくのです。娘は初めのうちこそ、私たちがケンカするのを心底嫌がっていましたが、最近では気に留める様子もありません。私に対して「今のはママが悪いな?」ときっぱり言うくらい。

娘もひろしさんも、優しい人です。私とひろしさんがケンカをすると娘はひろしさんをかばい、私と娘がケンカするとひろしさんは娘をかばいます。私だけが悪者というわけではなく、娘とひろしさんが持っている優しさと二人の間にある絆のおかげでかばい合い、それによって私と娘とひろしさんの関係はうまくまわっているのだと思います。

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この続きは、書籍でお楽しみください。

島田珠代さん/芸人・役者

大阪府出身。17歳で芸人デビュー。長きにわたり新喜劇を支える看板役者。「パンティーテックス」「男なんてシャボン玉」など唯一無二のギャグと独創的な動きで、老若男女問わず見た人を笑いの渦へと巻きこんでいる。

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※本記事は、『悲しみは笑い飛ばせ! 島田珠代の幸福論』著:島田 珠代/KADOKAWA より抜粋・再編集して作成しました。

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