【子育て】「ご褒美で釣るしつけ」ってしてもいいの?→ヒントは発達障害児の「療育」にあった
- オトナンサー |

水族館のアシカショーを見たことがありますか? アシカが芸をすると、飼育員がアジなどの魚を与えます。アシカは餌を目的に芸を頑張るのですね。
では人間の場合、「餌でしつけ」はよい方法なのでしょうか。それとも悪い方法なのでしょうか。発達障害児を育てた、子育て本著者・講演家の筆者が考えます。
ご褒美は“動機付けのツール”
発達障害児の療育の中で、言葉は悪いですが、「(ご褒美としての)餌で釣る」ことがあります。「トークン」というものです。
自閉症の子は、生まれつきの想像力の障害により、見通しが立たないことに対して理解がなかなかできません。また、視覚優位の子どもも多く、目に見えない形の拍手や「すごいね」「偉いね」「できたね」「頑張ったね」の言葉は出した瞬間、よく伝わらずに消えていきます。これだと達成感を覚えづらい子もいます。
そのため、頑張ったとき、達成したときに「トークン」という“目に見える形のご褒美”をあげるのです。シールがもらえたり、集めたシールをおもちゃに交換できたりと、療育施設の中でさまざまなトークンが活用されています。
発達障害児の療育の場では、トークンを与えるタイミングや、何がトークンに適しているかを練りに練って考え、療育を続けていきます。友達にすぐ手が出る子に、手が出なかったときにトークンを与え、出てしまったらトークンを剥奪(はくだつ)する……などです。
これを、定型発達児のしつけのときに利用しない手はありません。ただ、安易にまねするのではなく、次に挙げるような「親がつい言ってしまいがちな言葉」に注意する必要があります。
・宿題をちゃんとやったら、ゲームを買ってあげる
・お片付けしたら、お菓子を買ってあげる
・お年寄りに席を譲ってあげたら、欲しいものを買ってあげる
これらは、あまりよい言葉がけとはいえません。どうしてかというと、ご褒美(=餌)が子どもにとって高級すぎるからです。こうした言葉がけを続けていると、「ご褒美が与えられないとやらない」という悪習慣がついてしまう危険性があります。
それに、高価なものを与えすぎると、だんだんと本当にお金がかかるご褒美を要求するようになり、「携帯電話を買ってくれ」「バイクを買ってくれ」とエスカレートしてしまったら大変です。
ご褒美はあくまでも“動機付けのツール”です。スタンプやシール止まりにしておいた方が賢明だと、私は思っています。
ご褒美を与える本当の目的
自発的な行動を定着させるための学習を、心理学用語で「オペラント条件付け」、そのご褒美や目的にあたるものを「強化子(きょうかし)」といいます。
たとえ強化子がなくなっても、行動が定着した場合、ご褒美が有効に作用したということになります。お手伝いをしたら、親が「頑張ったね!」「すてきね!」と拍手する。こうした場合、最初は「親から褒められたくて」「親の喜ぶ顔が見たくて」が動機付けかもしれません。
しかし、ご褒美が品物ではなく、親からの感謝や称賛の言葉であることで、人間が本来持つ「誰かの役に立ちたい」という貢献意欲を満たすことができます。そのこと自体が強化子となり、褒め言葉がなくても、拍手をもらえなくなっても、成長とともに行動が定着していくのです。学習を定着させるためには、とても有効な手段です。
シールや拍手、花丸を付ける程度の強化子の場合、子どもは最初、「シールが欲しくてやる」「花丸をしてもらいたくて頑張る」「褒めてもらいたくて片付ける」などの動機でスタートします。
しかし、これをきっかけにだんだんと「勉強したらたくさんの知識が得られて楽しい」「字を練習したらきれいに書けるようになって自信になり、うれしい」「部屋を片付けたら気分爽快になった」といった体験ができるようになっていくと、ご褒美がなくても勉強したり、片付けたりするようになります。そうなると、「強化子であるシールが有効に働いた」といえるのです。
ただし、例えば、強化子をシール→鉛筆→消しゴム→ゲーム……と豪華にしていくと、先述の例のように、学習そのものよりも「ご褒美目当て」にしか勉強しなくなってしまいます。「宿題をして学力がついた」「片付けをしてきれいになり、爽快な気分になった」「お年寄りに席を譲って喜んでもらえた」体験、それこそが本人の自己評価につながるご褒美でなくてはならないのに、なかなかそこに向かいにくくなってしまうため、注意が必要です。
中には、幼稚園、保育園のお便り帳に、子ども自身がシールやスタンプを押すようにと決められているケースがあります。頑張って通園した印でこれらを使うのです。とてもよい方法ですね。
そう考えると、まだ幼い子どもにはビッグすぎないご褒美(トークン)を使うことが必要なのかもしれませんね。
子育て本著者・講演家 立石美津子
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