女子は理系分野でもっとワクワクできる! 日本IBMのオフィスで知る【ITの仕事】/Girl Meets STEM
- マイナビウーマン |
自分が中高生の頃、世の中にどんな仕事があるのか詳しくイメージできていたという人は多くないでしょう。
2024年12月、中高生女子がIT業界でのキャリアをイメージしやすくなるよう、参画企業や機関のオフィスでのプログラミング体験や女性エンジニアとの座談会などのプログラムが東京都内で行われました。
題して「Girl Meets STEM~ITのお仕事を体験しよう~」。
STEM(理系)のジェンダーギャップに注目し、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援する奨学助成金事業などを展開する山田進太郎D&I財団と、「挑戦したいすべての人に質の高い教育を」をコンセプトにした学費無料のソフトウェアエンジニア養成機関 42 Tokyoが主催し、NTTドコモ、日本IBM、セガ、MIXIなど、日本を代表する11の企業・団体・機関が参画しました。
マイナビ子育てでは、12月26日に日本IBMで行われたプログラムを取材しました。
ITの仕事って?
クライアントの抱える課題をテクノロジーで解決するコンサルティングファームでありITカンパニー、そして先端技術の研究開発も行うグローバル企業・IBM。
もっとも生産性が上がる形で働くことを大事にし、社員の多様性を尊重する環境を実現しているので、育児や介護などの事情がある社員も時間や場所に縛られず柔軟に働いています。また、性別や年齢、国籍、障がいなどの属性にとらわれないダイバーシティ(多様性)を尊重するカルチャーがあり、結果的に多くの優秀な人材が集まっています。
オフィスはフリーアドレスで社長室もなく、新入社員の隣で社長が仕事をしていることもあるとか。社員が赤ちゃんを連れてきたときのためにオフィスエリアには授乳室もあるそうです。
当日は50人以上の中高生女子が日本IBMのオフィスに集まりました。プログラムのオープニングでは、IBMのミッションや事業について説明。IBMの提供するサービスや製品が生活に溶け込んでいること、クリエイターやパートナー企業との共創でイノベーションが生まれていることがわかりました。
そんなIBMのソリューションテクノロジーを実感できるのが、オフィスにあるイノベーションスタジオの見学ツアーです。
大画面に流れるのはIBMの歴史。これまでにどういった技術を生み出してきたのかを紹介するプロジェクションマッピングです。
IBM初期の製品であるタイプライターや会計機も展示。
コカ・コーラ社とポケモン社と共創して開発した、ポケットモンスター「ベトベター」を起用したダストボックス。目的はドリンク容器のごみ分別で、ごみを入れるとAI技術を利用しそれが瓶なのか缶なのかペットボトルなのかを画像で識別します。
オフィスでもっとも新しい施設であるストーリーテリングルーム。現在は、AIによる完全自律運航船「メイフラワー号」による無人海洋探査の様子を室内すべての壁に投影する動画で紹介しています。
ストーリーテリングルームの解説では特に、IBMの「共創」について理解が深まります。船を作る会社、インテリジェントナビゲーションで自動航行に長けた会社、海洋調査を専門にしている会社等、 いろんな会社、企業、団体とプロジェクトを立ち上げ、IBMは技術的な観点から参画しています。
調査で集めたデータを分析することで新たな発見を経て、今まだ世の中に存在しない新しいサービスを生み出すことができないか自由に考えていく。新たな発想力の源となっているのですね。
アイディアソンに挑戦!
こうした様々な共創サービスを知るにつれ、徐々に「仕事のイメージ」がつかめてきたのではないでしょうか。続く「アイディアソン」は、アイディアのマラソン。参加者たちは複数のグループに分かれて、AIによってビジネス課題を解決するアイディアをまとめます。
テーマは2つ。
1つめのテーマは、近隣チェーン店に押されて伸び悩むカフェの売上や顧客満足度向上。2つめは、AIアシスタントを使った個別指導塾で、1人1人の学習意欲を高めるサポートを考えます。
各グループ参加者は4~5人でチームごとにメンターとなる女性社員がつき、まずは5分間のアイディア出し。頭に浮かんだものをホワイトボードにどんどん書いていきます。次はアイディアの絞り込み、ここはわずか1分! そして最後に、アイディアの練り上げ。5分の中でアイディアの内容と使い方、メリットなどを考え発表者も決めます。どのテーブルも活発に議論を出し合ってアイディアをまとめる様子が見られました。
こうしてまとめたアイディアをグループごと2分で発表します。発表では「AIが混雑状況を教えてくれるサービス」「コラボメニューや映える写真撮影をする」「ユーザーが学習を進めるごとにゲームを進めたりゲーム内のアイテムを獲得できたり、動画を見たりできる時間が増える」「自分の苦手な箇所をミニゲームで克服」といった案が出ました。
休憩を挟んで、実際に日本IBMで働く女性社員たちとの交流会も設けられました。休憩中、初対面なのにすぐ仲良くなっておしゃべりしている参加者たちを見て、柔軟性を感じました。交流会では社員による講演と質疑応答など自由な交流が行われ、IBMでの働き方や進路選択での悩みなども相談。和やかな雰囲気でプログラムをすべて終えました。
復職のタイミングでマネージャ着任やあえての異動も! IBMで働くママたちの声
(写真左から 河津宏美さん:テクノロジー事業本部のデータサイエンスサービスでマネージャを務める。5歳の娘と2歳の息子を育てる。/榎 美紀さん:研究開発職から技術営業職へ。4歳息子と1歳娘を育てる。/野村有加さん:テクノロジー事業本部のクライアント・エンジニアリング部門でマネージャを務める。3歳息子と1歳娘を育てる。)
プログラムの終了後、ボランティアとして参加した日本IBMの女性社員3名に話を聞きました。
アイディアソンの企画から担当した河津さんは、「私自身がすごく楽しかったな、と感じています。短時間でもすごく面白い意見がたくさん出てきて、彼女たちの新鮮なアイディアを聞けたっていうのがとても良かったです」と充実の笑顔。
交流会で主に中学3年生~高校2年生の女子生徒たちと話したという野村さんは、「仕事で英語がどう必要かについてよく聞かれました。ただ、少し前だと『英語を使うんですか』っていうときに『私できない、どうしよう』みたいな雰囲気を感じたんですけれど、それよりは『英語を積極的に使いたいんですけど、どうしたらいいですか』みたいな、前向きな質問が多かったことがすごく印象的です」。一見おとなしそうな生徒たちの内に秘めた熱い思いを感じる瞬間がたくさんあったといいます。
交流会では中学1~2年生の女子生徒たちの意欲に驚いたという榎さん。
「まだまだ選択肢がたくさんあるから、ITの仕事ってたぶんイメージが湧いていなかったと思うんですけど、今回この見学ツアーも通してイメージが膨らんだようで。実際社員の話を聞いて、ITって難しいものじゃないんだと納得してもらえたと感じます。ソリューションとかコンサルティングとかの言葉では想像しにくいけれど、こういうものに落とし込まれてるんだ、って」と、話してくれました。
3人ともワーキングマザーで、お子さんたちは未就学児。「時短勤務ですか?」と尋ねると、「フルタイムです!」と首を振ります。
河津さん「振り返るとかなりチャレンジングなことをしたなと思いますが、私は復職のタイミングでマネージャに着任しました」
野村さん「私はマネージャになって数ヶ月で産休に入って、またマネージャとして復帰しました」
榎さん「私は出産前は研究職でしたが、育休明けに復帰してから新たな挑戦をしたくて、技術営業に異動しました」
コロナ禍前から研究開発職はリモートワークが浸透していましたが、コロナ禍を機にその他の職種もリモートワークを導入した人が多いそう。
「技術職のIT系って結構、女性にはおすすめ。パソコンがあってインターネットに繋がっていれば基本どこでも働けますから、リモートワークを活用して柔軟な働き方をしやすい環境だと思います」と、榎さん。
河津さんも「私は裁量労働制でコアタイムもないので、何時から何時までは必ず働きなさいと決められておらず、アウトプットさえ出せばOK。時間の融通はつけやすいですね」と続きます。
野村さんは「自分が結婚や出産を経験する前から、たとえば『ちょっとお迎えで夕方早めに抜けるけど、また夜の落ち着いた時間に対応するね』といったスタイルの働き方をしている人は男性でも多かった」と振り返りました。
子育てだけでなく家族の介護をしている社員も当然おり、社内では柔軟な働き方が当たり前なので、野村さんいわく「あまり普段、女性にとって働きやすい会社かどうかを意識していない。これがもう普通なんです」。
最後に、女性のSTEM領域での活躍をより活発にするためにどうしていけば良いと思うか聞きました。
女子校や大学で講師を務めることもある榎さんは、学生たちに「理系の女子学生ってどうしたら増えると思いますか」と聞くと、「大学に来た時点では、もう女子が少ない。高校の進路選択の段階でも遅い、小中学校から自然と理系選択が選択肢の1つになることがとても重要」という答えが返って来るそう。
また、野村さんは6年前に共学の中高一貫校でAIや自身のキャリアについて講演をしたとき、「自分は女子だけど、今までAIに携わるエンジニアというのは男性がなるものだと思っていた。 でも、今日の講演を聞いて女子がなってもいいって気づかされた」という感想をもらい、大きな衝撃を受けたといいます。
野村さん「その学校はスーパーサイエンススクールを標榜している進学校で、理系教育にも熱心。そんな環境でもアンコンシャス・バイアスがあるんだということにびっくりして。学校の先生方は尽力されていると思いますが、それ以外の大人や社会と接する中で、なんとなく“理系は男の子”という思い込みがまだあるのか、とショックでした。それが進路選択に影響してしまうので、この問題を解決するためには本当に子どもの頃からSTEM分野に興味を持ってもらう取り組みをしたり、バイアスを少しずつでも取り除いていく必要が絶対にあると思います」
最後に河津さんは、「私は男女関係なく、若い人たちにはチャレンジしていってほしいな、とすごく思います」と、自身のチャレンジ経験について明かしてくれました。
もともと入社した時はハードウェアの開発職でバックエンドにいたので、お客様と話す機会が全くなかったという河津さん。
「でも、自分が関わった製品がお客様にとってどうなのか知ってみたいと思って、よりお客様と近いところで働きたいとソフトウェアのサービスデリバリーを希望し、異動しました」
「もちろん仕事内容がガラッと変わりますし、リスクもあるかなとか、私で大丈夫かなとか、すごく不安もあったのですが、チャレンジを経て今こうやってマネージャをさせてもらっています。結果、そこに行けばなんとかなるというか、なんとかしなきゃいけないので頑張るものなんですよね。もし本当にもうダメだと思ったら戻ることもできますし、皆さんにはいろんなことにチャレンジしてもらいたいですね」
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日本では現在、大学進学時にSTEM分野を選択する女性はわずか20%。
幼少期から様々なバイアスを受けて理系に苦手意識を持っている女の子も少なくないかもしれません。
しかしSTEM領域で働くことは女性にとってメリットも大きく、なにより選択肢の幅を自分で狭めてしまうのはとてももったいないこと。
ジェンダーギャップを解消し、女性たちにとってSTEM領域で働く未来が現実的な選択肢として捉えられるようになれば、そこにはいっそう明るい未来が広がっていきます。
Girl Meets STEM
https://www.shinfdn.org/gms
ソフトウェアエンジニア養成機関 42 Tokyo
https://42tokyo.jp/
(写真 尾藤能暢/取材・文 マイナビ子育て編集部)
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