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独占! 自衛隊の「最新鋭自走砲」大規模な実弾射撃に密着 “大砲ドーン”の裏で奔走「知られざる部隊」を追った

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  • 乗りものニュース
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大分県で実施された大規模な実弾射撃訓練に密着取材してきました。今回は19式装輪自走155mmりゅう弾砲が多数参加しただけでなく、レーダーや気象観測といった支援部隊の動きも見ることができました。

長射程の大砲はいきなり撃っても当たらない

 陸上自衛隊の西部方面特科連隊は、2025年5月7日から11日までの期間、大分県にある日出生台演習場において実弾射撃訓練を実施しました。

Large figure1 gallery19実弾射撃を行う19式装輪自走155mmりゅう弾砲(伊藤洋平撮影)。

 そこで筆者(伊藤洋平:ライター・カメラマン)は、最新の19式装輪自走155mmりゅう弾砲を装備する第2大隊に密着。今回は、射撃を支援する情報中隊や前進観測班などの動きについて解説します。

 そもそも、りゅう弾砲は牽引砲にせよ自走砲にせよ、数km、時には数十km離れた目標に対して大重量の砲弾を撃ち込むため、初弾から目標に対し正確に命中することは稀であり、着弾位置を観測しながら射撃諸元を調整することが不可欠です。そこで必要になってくるのが、「修正射」です。

 修正射とは、基準となる火砲(基準砲)砲弾の弾着位置を観測し、必要な修正を加えながら目標に正確に命中させるための射撃です。ただ、それでも目標が確認できないまま闇雲に撃つわけにはいかないので、目標に命中しているかどうか確認する味方チームが存在します。それが「前進観測班」です。

 前進観測班は英語で「Forward Observer」といい、そこから略して「FO」とも呼ばれます。彼らは目標が見える地域まで車両や徒歩、場合によってはヘリコプターなどを使用して移動し、目標が視認できる場所に陣取ります。

 彼らが弾着を確認し、射角や方位を修正することで、最適な射撃条件を導き出すことで命中精度を高めるのです。

ベテランに聞いた「FO」の重要性

 こうして修正射が終わると、今度は「効力射」です。これは、修正射によって得られた射撃諸元をもとに、目標に対して最大限の効果を発揮する射撃です。修正射によって着弾精度を向上させたのち、部隊全体で一斉射撃を行い、目標に対して決定的な打撃を与えます。

Large figure2 gallery31西部方面特科連隊の情報中隊が運用する対砲レーダ装置JTPS-P16(伊藤洋平撮影)。

 そのため、前進観測班(FO)の役割は極めて重要で、教育部隊で約1年間の基礎教育を受けた後も、現場における経験の積み重ねが必須なのだとか。ベテランのFO隊員によると「一人前と認められるまでには5年以上の経験が必要。目視観測が基本ではあるが、弾着地が傾斜地や凹地になっている場合、必ずしも観測位置から弾着を直接確認できるわけではないため、弾着した土煙の上がり方などを頼りに距離感をつかむ場面も多く、経験を積み感覚を磨くしかない」とのことでした。

 今回の演習では、新人FOの教育も兼ねており、実弾射撃が始まるまでの間、ベテランFOの指導を受けながら、緊張した面持ちで図上シミュレーションを繰り返し行っていたのが印象的でした。

 なお、砲兵の射撃は通常、こうしたFOによる目視や光学機器を用いた観測によって修正されます。しかし、濃霧や豪雨などの悪天候時には、これら手段の使用が制限されるため、射撃精度が低下する可能性が高いです。特に、FOが目標を視認できない場合、修正射の精度が大きく損なわれます。そこで、これらの要因を補正するのに用いられるのが、レーダー観測射撃です。

 今回使用されていたのは、情報中隊が装備する対砲レーダ装置JTPS-P16。なお、悪天候時の射撃精度向上だけでなく、敵砲の発射位置を特定するのにも使われます。

射撃精度向上のカギが「レーダー」と「気球」って?

 対砲レーダーは、砲弾の飛翔軌道をリアルタイムで追跡し、着弾位置を正確に測定することができます。これにより、悪天候時でも視界に頼らず射撃諸元の修正が可能です。

Large figure3 gallery32西部方面特科連隊の情報中隊による気球の準備の様子(伊藤洋平撮影)。

 具体的には、砲弾の発射後、レーダーが弾道を追跡し、着弾位置を標定。そのデータをもとに、射撃諸元を修正し、次弾の精度が向上するという流れです。これにより、視界が悪くても安定した射撃が可能になります。

 今回の訓練では、このレーダー観測射撃だけでなく気象観測も行われていたので、こちらも取材させてもらいました。

「なぜ気象観測?」と思われるかもしれませんが、先に記したように大砲の射撃精度には気温や風向き、風速などが大きく影響するのです。これらを正確に把握することは射撃の精度を高めるうえで必須であり、そのために気象観測は、気球を上げて風向や風速を測定します。

 気球は上空へと上昇しながら、異なる高度の風の流れを観測し、砲弾の飛翔に影響を与える気象条件を把握します。今回の訓練では目視観測が行われましたが、より詳細なデータを取得するために、ゾンデを使用した電波観測を行う場合もあります。

 このように野戦特科部隊は、砲班だけでなく、多くの専門部隊が綿密に連携することで、より正確かつ効果的な射撃を行えるのです。今回、西部方面特科連隊の実弾射撃訓練に密着し、普段あまりスポットが当たることのない、前進観測班(FO)や対砲レーダー、気象観測などを取材できたことで、改めて連携の重要性を認識することができました。

 なお、今回の演習について第2大隊長の福田忠輔 3等陸佐(当時)は、「昨年9月に19式装輪自走155mmりゅう弾砲を配備して以来、砲班単位での射撃訓練から始まり、次第に中隊単位、大隊単位へと訓練規模を発展させてきた。そして今回、連隊規模での射撃訓練に初めて参加できたことは大きな成果。今後もこの装備を活用し、新たな戦い方を創造しながら、さらに習熟していきたい」と述べ、部隊の成長と装備の運用の進展に自信を示していました。

【動画で見る!】19式装輪自走155mmりゅう弾砲の迅速な射撃! 実射訓練に見た特科部隊の動きとは

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