なぜ牛丼チェーンは「24時間営業」なの? 知られざる理由は新橋の老舗店にあった!
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日本初の牛丼チェーン店「なんどき屋」
便利で安くておいしい牛丼。しかしなぜ、牛丼チェーン店は判で押したように全て24時間営業なのでしょうか? なぜ牛丼チェーン店は、牛丼と関係ない納豆定食や焼鮭定食を朝食として提供しているのでしょうか? そしてなぜ、牛丼には玉ねぎが入っているのでしょうか? われわれが当たり前と思っている24時間営業、朝定食、玉ねぎの採用は、日本初の牛丼チェーン店「なんどき屋」が始めたもの。他の牛丼チェーン店は全て、元祖であるなんどき屋を模倣しているのです。
業界誌『月刊食堂』1967(昭和42)年11月号の特集記事によると、なんどき屋創業者の名前は塚越正吉。1960年に1号店を開店すると早くも翌年からチェーン店化を開始。特集記事が書かれた時点で既に、新橋を中心に12店舗を展開していました。
ちなみになんどき屋1号店がある新橋からわずか徒歩二十数分という近距離に存在したのが、築地の吉野家。吉野家がチェーン店化を開始するのは、なんどき屋の8年後である1968年でした。
牛丼のチェーン店化は当時クレイジーだった
なんどき屋は、日本初の牛丼チェーン店というだけではありません。
マクドナルドが日本に上陸したのが1971(昭和46)年。日本初のハンバーガーチェーンドムドムバーガーおよびケンタッキーフライドチキンの開店は1970年。つまり日本初の牛丼チェーン店どころか、日本初のファストフードチェーン店がなんどき屋なのです。

『月刊食堂』の特集記事には“食堂のチェーン化を考えている経営者が、思いもつかないような牛めしという商品”と書かれています。1969年2月15日号の『週刊新潮』なんどき屋特集記事によると、“開店当時、そのときは都内に牛めし屋が10軒足らず”でした。
当時の若者は「ウシ飯ってなあに。おいしいのかしら……」とその名前「ぎゅうめし」すら知らない始末。明治時代に牛内臓肉の煮込みのぶっかけ飯として登場し、一時隆盛した牛丼も、戦後は衰退の一途をたどっていたのです。なんどき屋の存在がなければ、牛丼そのものが忘れ去られ、滅んでいたかもしれません。
アメリカで成功事例のあるハンバーガー等ならともかく、当時絶滅危惧種であった牛丼という商品でチェーン店を展開するなど、吉野家すら思いつかなかったクレイジーな発想だったのです。
24時間営業はコンビニ登場の14年前から
塚越社長のユニークな発想は、牛丼のチェーン店化にとどまりませんでした。都会生活の深夜化、24時間化を見越して、365日24時間無休営業を開始、見事成功させたのです。
日本初のコンビニ、セブン―イレブン第1号店開店はなんどき屋創業の14年後。しかも当初は24時間営業ではありませんでした。塚越社長の発想の先見性には驚かされます。
ちなみに店名であるなんどき屋は何時も(なんどきも = いつでも)開いているところから名付けられた名前です。

そして、この24時間営業が掘り起こした需要が朝食です。
コンビニもない時代、独身男性たちは朝食に苦労していたことでしょう。そんな朝食難民たちにとって、24時間営業のなんどき屋の存在は実にありがたいものだったのです。
とはいえ朝から牛丼というのはちょっと重たい……という人向けに、なんどき屋が朝食の定番、納豆や焼鮭を定食として提供したのが、現在の牛丼チェーンの朝定食の始まりなのです。
具の定番が玉ねぎとなったのはなんどき屋以降
戦前の牛丼の具といえば、長ネギが定番でした。玉ねぎを使用した牛丼は少数派だったのです。

しかし牛丼のチェーン店化のためには、年間を通じた材料の大量・安定供給が重要。季節性があり腐りやすい長ネギよりも、一年中安定して供給できる玉ねぎのほうが適していました。
こうしてなんどき屋が採用して以降、牛丼には玉ねぎが定番となったのです。
24時間営業の模倣に失敗したあの老舗
『週刊新潮』記事によると、1968(昭和43)年に「八十年の歴史をもった老舗」が、なんどき屋とおなじ新橋に二店舗目を出店しチェーン店化を開始しました。元祖の本拠地・新橋にいきなり殴り込みをかけるとは、なんとも血気盛んなことです。
しかしその「牛丼八十年」の店、なんどき屋の24時間営業の模倣に失敗。営業時間は16時間、8時間と次第に縮小していったのです。

現在もなんどき屋は新橋に2店舗、牛丼店(中央区銀座)と、牛丼も出す居酒屋(港区新橋)として存在します。日本の外食店史において重要な役割を果たした名店。新橋にお寄りの際は、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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