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SNS「死ぬぞ」 雪の中「ノーマルタイヤ車」運転する人も…事故起こしたら“拘禁刑”に?【弁護士に聞く】

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雪の日にノーマルタイヤのまま車を運転すると、どんな法的責任を問われる?(画像はイメージ)
雪の日にノーマルタイヤのまま車を運転すると、どんな法的責任を問われる?(画像はイメージ)

 強い寒波の影響で、北日本から西日本の日本海側を中心に大雪に見舞われています。雪は1月25日まで続く見込みで、降雪地域で車を運転する際は冬用タイヤを装着し、チェーンを携行するよう、国土交通省が呼び掛けています。

 ところで、普段あまり雪が降らない地域に住んでいて、日常生活で車を使う人の中には「雪が降らないから」という理由で冬用タイヤやチェーンを持っていない人もいるようです。そのため、雪の日でもノーマルタイヤのまま車を運転してしまう人も珍しくなく、このような行為に対し、SNS上では「危険」「雪の日にノーマルタイヤで運転するな」「路面が凍ってる場合はノーマルタイヤで運転は絶対するな。死ぬぞ」などの声が上がっています。

 もし雪の日にチェーンを装着しない状態でノーマルタイヤの車を運転し、途中で立ち往生したり、事故を起こしたりしてしまった場合、運転手はどのような法的責任を問われる可能性があるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金を科される可能性

Q.そもそも、車で雪道や路面が凍結した道路などを走行する際は法律上、どのような装備が求められるのでしょうか。

牧野さん「道路交通法71条6号の道路の状況による危険防止措置義務に基づいて、各都道府県の公安委員会が『積雪・凍結時は冬用タイヤやチェーンなどの滑り止め措置を義務付ける防滑措置』を定めています。

また、道路交通法70条では、『車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通および当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない』という『安全運転義務』が定められています」

Q.では、チェーンを取り付けていないノーマルタイヤの車で、雪道や路面が凍結した道路などを走行した場合、どのような法的責任を問われる可能性があるのでしょうか。運転時に立ち往生した場合はどうなるのでしょうか。

牧野さん「雪道でのノーマルタイヤ走行は、沖縄を除くすべての都道府県で『安全運転義務違反』として道交法違反となり、反則金や違反点数が科されるだけでなく、同法119条に基づき、3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金を科される可能性があります。

また、雪道でのノーマルタイヤ走行は、道路交通法71条6号の道路の状況による危険防止措置義務(積雪・凍結時は冬用タイヤやチェーンなどの滑り止め措置を義務)違反となるため、5万円以下の罰金を科される可能性もあります。

運転時に立ち往生した場合も他人に危害を及ぼす行為に該当するため、安全運転義務違反となります。特にノーマルタイヤの車を運転中に立ち往生してしまい、大渋滞を引き起こした場合、道交法上の安全運転義務違反として警察から指導を受けたり、損害賠償を請求されたりするリスクがあります」

Q.チェーンを取り付けていないノーマルタイヤの車で雪道や路面が凍結した道路を走行中、事故を起こしたとします。もし事故を起こしたことがきっかけで他人を死なせたり、他人の車を破損させたりするなどした場合、より重い法的責任を問われる可能性があるのでしょうか。

牧野さん「民事の損害賠償責任については、道交法上の『安全運転義務違反』となり、過失程度が高い(重過失)と評価され、一般的に、損害賠償額が大きくなります。

刑事責任では、自動車の運転上必要な注意を怠り、その結果、人を死傷させてしまったとして、自動車運転死傷処罰法5条の過失運転致死傷罪に該当します。この場合、7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります」

Q.冬用タイヤの一種で凍結路や積雪路で力を発揮するスタッドレスタイヤを装着している場合、チェーンを装着せずに雪道を走行しても法律上、問題はないのでしょうか。それとも、状況によってはチェーンの装着も必要になるのでしょうか。

牧野さん「スタッドレスタイヤとチェーンの装着に関する法的責任の違いは、主として『通常時の冬道』か『大雪時の特定の規制区間』かによって決まります。これらは各都道府県の公安委員会が定める規則(滑り止め措置義務)や、国土交通省の『チェーン規制』に基づきます。

通常の冬道の場合や冬用タイヤ規制の道路の場合、スタッドレスタイヤを装着するかチェーンを装着しなければならず、ノーマルタイヤで走行すると道路交通法違反に該当します。

注意が必要なのはチェーン規制された道路を走行する場合です。チェーン規制の道路の場合、スタッドレスタイヤ装着車であっても、チェーンがなければ通行不可(法的違反)です。もしチェーンを装着せずに走行した場合、道交法上の安全運転義務違反となります。また、その際に他人を死傷させた場合には、先述の過失運転致死傷罪(自動車運転死傷処罰法5条)で重く処罰されます」

Q.ノーマルタイヤの車で雪道や路面が凍結した道を走行したことがきっかけで、裁判に発展した事例について、教えてください。

牧野さん「トラック運転手が2022年1月、ノーマルタイヤのトラックで広島市内の路面が凍結した道路を走行中、スリップ事故を起こし、当時15歳の少年に大けがをさせた事件があります。2023年7月19日の判決で、広島地裁の裁判官は、次のように述べました。

「被害者は生死の境をさまよい、幾重もの手術を経て命をつなぎとめただけでなく、右手を失い、被害結果は重大。当時15歳の被害者が感じた憤りや無念さは想像を超えるものがある。被害者が『事故に遭ったことで将来の具体的イメージを持つことができ、目標達成のために必死になって勉強することが、今の自分にできる精一杯のことだと思う』と述べる心情を思うと涙を禁じ得ない。凍結する高架橋上で不用意にブレーキを踏むなど運転者として果たすべき基本的な注意義務に反した」

そして、運転手に過失運転致死傷罪で禁固1年10カ月、執行猶予3年の判決を言い渡しました」

オトナンサー編集部

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