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なぜ日本ではクリスマスに「フライドチキン」を食べるのか? 知られざる歴史を連合軍占領時代からひも解く

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始まりは東京の青山から

 1970(昭和45)年に日本に進出したケンタッキー・フライド・チキン社ですが、進出当初は商品が売れず、業績難に苦しんでいました。

フライドチキン(画像:写真AC)

 この苦境を脱するきっかけを作ったのが、後に社長となる大河原毅氏です。

 東京の青山店担当だった大河原氏は、幼稚園からクリスマス用にフライドチキンの注文を受けたことをきっかけに、「苦し紛れに」クリスマスケンタッキーの企画を立ち上げました(『時代に先駆けた19人 外食産業を創った人びと』)。

 この企画が当たり、「クリスマスにフライドチキン」という習慣が東京から全国に広がっていったのですが、この話には不可解な点があります。

・なぜ、幼稚園がクリスマス用にフライドチキンを買ったのでしょうか?
・なぜ、大河原氏はクリスマスにフライドチキンを売る企画を立てたのでしょうか?
・なぜ、東京の人々はクリスマスにフライドチキンという習慣を抵抗なく受け入れたのでしょうか?

 その理由は、そのとき既に

「クリスマスにはローストチキンを食べる」

という習慣が存在したため。

 フライドチキンはローストチキンの「代替品」「便乗商品」としてクリスマスに定着したのです。

 他国にはないクリスマスにローストチキンという習慣。なぜこれが日本に根づいたのか、その経緯を追っていきます。

1950年代までは七面鳥

1950年代までは七面鳥

「シチメンチョウ 人気はさっぱり」

 1961(昭和36)年12月21日の読売新聞朝刊は、クリスマス向けの七面鳥が売れなくなったことを報じました。

 記事によると、七面鳥の人気は駐留軍がもたらしたそうです。

七面鳥(画像:写真AC)

 明治時代以降イギリスやアメリカの影響を受け、日本では「クリスマスといえば七面鳥」という知識が広まりました。

 戦後連合軍の支配下に置かれた日本で、クリスマスを過ごす駐留アメリカ兵に本国から冷凍七面鳥が輸送されました。それを見た日本人は、クリスマスといえば七面鳥だという意識をますます強くしたのです。

 しかしながら、当時の七面鳥の値段は非常に高いものでした。記事によると1羽の値段が3~5000円。同じ年の大卒公務員初任給が1万3~4000円ですから、とんでもない高額商品だったのです。

キャバレーで消費されていた七面鳥

 戦後、七面鳥が食べられていたのは、レストランやキャバレーです。とはいえ非常に高価なため、1羽のローストターキーを一切れずつ、多人数でシェアして食べていました。

 キャバレーとは、キャバクラのような女性が接待する店です。戦前はカフェーやダンスホールで、戦後はキャバレーでどんちゃん騒ぎをするという奇妙なクリスマス習慣があったのです。

ローストチキン(画像:写真AC)

 ところが読売新聞記事には「キャバレー、レストランなどの大口注文も期待薄」とあります。というのも、1960年代から人々はキャバレー通いをやめ、欧米と同じく家庭でクリスマスを祝うようになったからです。

 この新しい現象は「ホームクリスマス」と呼ばれました。そして、家庭のクリスマスでは七面鳥のかわりに、ローストチキンが食べられるようになったのです。

ローストチキンがクリスマスの主役に

ローストチキンがクリスマスの主役に

 読売新聞記事には、七面鳥は「値段も安く、味覚も日本人向きの小ヒナ(ニワトリ)にとってかわられ」たとあります。ローストチキンは廉価版ローストターキー = 代替品だったのです。

 料理書などでは、戦前からクリスマスにチキンを食べることが提案されてきました。七面鳥は値段が高く、それを焼くような大きなオーブンは日本の家庭にはなかったので、代替品としてチキンが提案されてきたのです。

都内のクリスマスツリー(画像:写真AC)

 しかしながら、1950年代まではクリスマスにチキンを食べる習慣は大きく広まりませんでした。

 意外かもしれませんが、七面鳥より安いとはいえ、当時の鶏肉は和牛よりも値段が高い高級肉。おいそれと食べるわけにはいかなかったのです。

 ところが1960年代に鶏肉の価格破壊がおきます。アメリカからきた新品種「ブロイラー」。少ない餌で早く育つブロイラーにより、鶏肉は今日のように牛肉や豚肉より安い肉となりました。

 この安いブロイラー(小ヒナ)が日本に定着したのが、ホームクリスマスの習慣が始まった1960年代。偶然の一致により、廉価版ローストターキー = ローストチキンがクリスマスの主役となります。

ローストターキー

ローストチキン

フライドチキン

 日本のクリスマスの食の歴史は、代替品の歴史だったのです。

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