LCCの深夜早朝便は「儲かる」のか? ジェットスター注目の新路線は「あえて」日中便! その緻密な計算の裏側
- 乗りものニュース |

ジェットスター・ジャパンが成田~高雄線を開設。LCCなのに深夜早朝ではない時間設定には、空港割引と人件費を天秤にかけたLCCならではの緻密な計算がありました。その「損して得取れ」戦略の裏側を解説します。
LCCなのになぜ深夜早朝じゃない? ジェットスター新路線の“したたかな”計算
2025年12月18日から、成田空港を拠点とするLCC(格安航空会社)ジェットスター・ジャパンが「成田〜高雄(台湾)」線を新たに開設することが発表されました。LCCというと深夜・早朝など“空港がもっとも閑散とする時間帯に国際線を飛ばす”イメージがありますが、今回の新路線では成田発が午前9時25分という時間帯にも注目が集まっています。なぜこの時間帯を選んだのでしょうか。
ジェットスター・ジャパンの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)
まず、LCCのビジネスモデルの根幹には「機材稼働率の最大化」があります。高価な航空機を可能な限り長く飛ばし、地上での折り返し時間(ターンアラウンドタイム〈TAT〉)を一般的に30分程度まで短縮して収益性を高めます。深夜早朝便が多いのは、この“夜の非稼働時間”を活用するための手段として設定されることが多いのです。
しかし今回、ジェットスター・ジャパンの成田発午前9時25分という判断には、少し異なる計算が見て取れます。成田空港では、かつて新規就航国際線を対象にした「朝発ボーナス」という割引制度があり、午前6時~8時59分に出発する新路線には着陸料が減免される制度が存在しました。
もし同様の制度が現在も継続していれば、午前9時25分発を選ぶことは最大の割引機会をあえて見送ることになります。
では、なぜ午前9時25分発を設定したのか。筆者が注目する最大の要因は、地上スタッフなどの人件費およびアクセス・運航リスクの回避です。午前9時前という時間に出発するフライトを設定すると、深夜割増賃金(通常22時〜翌5時)を適用する時間帯から作業を開始しなければならず、人件費が増加します。午前9時25分発なら、準備作業の多くを通常賃金時間帯に割り振ることが可能です。また、成田到着前に空港近隣の公共交通機関が早朝時間帯で運行されていない場合、旅客が前泊を余儀なくされるなどアクセス面での負担も生じます。そのため“アクセスの良さ”“遅延リスク”も考慮された判断と読み取れます。
「儲かる」は本当? 深夜早朝便の損得勘定
さらに、成田空港側のインセンティブ制度(2024〜2027年度版)を見ると、午前6時〜8時59分、午前9時〜10時59分、夜20時〜21時59分が着陸料割引の対象時間帯(時間区分A, B, Eなど)とされており、午前9時25分発便はこの中の「時間区分B(9:00〜10:59)」に該当します。つまり、深夜超早朝便よりは人件費・運航リスクを抑えつつ、割引制度を活用できる“バランス型”の時間帯とも言えます。
つまり、午前9時25分発という選択は、航空会社にとって「割引制度を確保しつつ、人件費・運航リスクを抑える」ための緻密な戦略の結果と見られます。一般に、LCCが深夜早朝便を設定する際には、“飛ばさない場合の機材遊休コスト(=高価な機体を止めておく機会損失)”と“地上支援業務コスト(深夜帯割増)”の綱引きで決まります。したがって、深夜早朝便が常に“最も儲かる”わけではなく、LCCは1便単体ではなく、1日・1機材の稼働総量で収益を最大化する設計を行っています。
ジェットスター・ジャパンのこの「午前9時25分発」という時間設定は、まさにその“機材稼働+人件費+アクセス+空港割引”という複数要因を考慮した結果であり、LCCの時間帯設計として興味深い事例です。
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