戦闘機の尾翼に猫!! 可愛すぎる「ネズミを捕まえるエンブレム」誕生秘話を国が明かす 実は歴史の転換点の象徴だった
- 乗りものニュース |
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イタリア空軍のある航空団のエンブレムは、黒猫が緑のネズミを捕まえているデザインになっています。同国の「猫の日」に、国防省がその意味を解説しました。
捕まえられるネズミが3匹の意味は?
イタリア国防省は2024年2月17日、公式サイトにおいて空軍第51航空団の猫がデザインされたエンブレムの意味を解説しました。日本では2月22日(にゃんにゃんにゃん)が猫の日とされていますが、イタリアでは2月17日がその日にあたります。
現在イタリア空軍第51航空団が使用しているユーロファイター「タイフーン」(画像:イタリア国防省)。
同航空団のエンブレムは3匹の緑色のネズミとそれを捕らえる黒猫というデザインになっています。この起源は第二次世界大戦開戦の数年前にさかのぼるとのこと。
第二次大戦前夜の軍用機では、爆撃機の有能さが特に強調されていました。当時は、戦闘機よりも爆撃機の方が高速だったケースもあったからです。そのため、爆撃には護衛の戦闘機を必要としない戦闘機無用論が世界中で提唱されていました。
特に当時イタリア空軍が配備していた爆撃機であるサヴォイア・マルケッティSM.79「スパルヴィエーロ」が配備されていた第12陸爆航空団は、自分の身は自分で守れると豪語していたようです。同機は高速性能に加え防御火器も充実しており、並みの戦闘機なら振り切ることができました。
この第12陸爆航空団が、緑色で描かれた3匹のネズミをトレードマークとしていました。
そこで、本当に爆撃機に護衛がいらないのかを確かめるため、1930年代後半から、首都爆撃を行うという想定の演習が何度か行われたそうでが、当初ローマの防空を担当していたのはフィアットCR.32という複葉機だったため、速度が遅く高高度性能も低く、第12陸爆航空団のSM.79は無敵を誇っていたそうです。
しかしあるとき、前述した第51航空団を相手に演習した際は、第12陸爆航空団のSM.79の方がボロ負けし、爆撃に失敗します。このとき第51航空団には新型単葉機のフィアットG.50「フレッチャ」が配備されており、全く歯が立たなかったそうです。戦闘機無用論も覆される形となりました。
負け知らずだった爆撃機部隊に土を付けたということで、第51航空団はこの演習での勝利を機に、尾翼に描かれていた狼のエンブレムを緑色の3匹のネズミを捕獲する黒猫に変更しました。戦後も同航空団は存続し、現在は乗機であるユーロファイター「タイフーン」に同じデザインのエンブレムが描かれています。
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