公道に「低速モビリティレーン」を 電動モビリティ新興メーカーが団結「法律変える」
- 乗りものニュース |

小型の電動モビリティを手掛ける新興メーカーが業界団体を設立し、道路交通法などの法令を、電動モビリティにマッチしたものに変えるべく提言を行っていくといいます。技術の変化に法令が追い付いていない、という実態があるようです。
電動モビリティの走行環境を整備したい
次々と新しい製品が生まれる小型の電動モビリティ、それらを手掛ける新興メーカーが団結して設立された業界団体、日本電動モビリティ推進協会(JEMPA)が2020年11月2日(月)、電動モビリティに関する勉強会を東京・永田町の参議院議員会館で開催しました。
同協会は、電動バイクやペダル付き電動原付(モペット)、電動キックボード、あるいは歩道を走る電動車いすやセニアカーなどのメーカー8社(glafit株式会社、クリエイティブジャパン株式会社、SWALLOW合同会社、ベルッド株式会社、合同会社E-KON、株式会社BLAZE)からなります。その多くは、いわゆるスタートアップと呼ばれるベンチャー企業です。
会場に勢ぞろいした電動モビリティの数々(2020年11月2日、中島洋平撮影)。
「電動モビリティは今後も伸びていくであろうジャンルです。まずは日本の人の足として広く使ってもらえるよう、その走行環境づくりに挑戦し、ゆくゆくは『日本ブランド』として世界に発信していきます」(glafit 鳴海禎造社長)
行政や大企業と連携し、短期的には「電動モビリティに合う車両区分や道交法の見直し」、長期的には「まちづくりに沿った低速で走行する電動モビリティの区分」を提言していくとしています。
「2030年の道路」で電動モビリティはどこを走る?
こうした電動モビリティは、三密を避けたパーソナルな移動手段としてはもちろん、観光地などでの効率的な移動を可能にし、高齢者の免許返納後の受け皿にもなり得るといいます。出席した国会議員からも、ラストワンマイル問題(駅などから目的地へ向かう最後の移動手段)を解決する手段として注目している、といった声が聴かれました。
会場に勢ぞろいした製品の多くは、原付あるいは原付2種として公道走行を可能にしており、なかでも電動キックボードが車体の大きさやパワーなどで最もバラエティに富んでいました。
現状では、それだけ多種多様であっても、旧来のガソリンエンジンによる原付の規格に合わせるしかない状況であり、電動化によるメリットを生かしていくためにも、様々な法改正が必要だといいます。
JEMPA参画企業の代表ら(2020年11月2日、中島洋平撮影)。
今回、JEMPAが「2030年のイメージ」として提唱したのが、これら電動モビリティや自転車が走るための「低速モビリティレーン」を公道に設けるということです。また、現行法での原付の区分を見直し、電動モビリティに合わせた制度に変えていく必要があると考えているとのこと。
一方で、原付としてナンバー登録できない(保安基準を満たしてない)電動キックボードなどが、不正に走行する事例も相次いでいます。現状では、そうしたものを販売すること自体は違法でなく、それを公道で乗ることが問題になるそう。このため、協会として「製品の保安基準を満たそう」といった啓蒙を行っていく必要もあるといいます。
いまの法律は「細かすぎ」? 技術革新に追い付かず
ただ、協会として製品の安全性を担保する目的で、車体や部品について何らかの基準を設定するつもりはあるのか、という質問に対して、glafitの鳴海社長はこれを否定しました。
というのも、「いまの法律は車両の機構を細かく規定しすぎ、新しい技術を入れられません。技術革新に法律が追い付かないのです」とのこと。まずは、「速度」と「大きさ」でジャンルを規定するのが、あるべき姿ではないかと話します。
「車両の機構を細かく規定しすぎ」の例として鳴海社長が挙げるのが「セグウェイ」の存在です。「セグウェイ」は2000年代に登場した、立って乗る低速のモビリティで、日本でも実証実験という形で特例的に公道を走行したケースがあったものの、現行法では原付にも当てはめられないといいます。
というのも、乗る人の「左右」に車輪があるからです。現行法において二輪車は、乗る人の「前後」に車輪があるものと規定されており、どうあがいてもその基準を満たせないのです。
様々な電動モビリティ(画像:JEMPA)。
同様に、「一輪」の乗りものも法令では想定されていませんが、すでに海外では一輪車型の電動モビリティも登場しています。たとえばJEMPAに参画するBLAZEは、二輪のほか三輪、四輪の電動モビリティも販売しており、「一輪もやろうか」という話もあるにはあるとか。しかし日本では現実的に難しいということです。
ちなみにglafitは2020年10月、自社のペダル付き電動原付にナンバープレートを板で覆う機構を搭載し、「ナンバープレートを隠して電源オフなら普通自転車扱いにする」という特例を認められました。
鳴海社長はこれについて、今後登場するであろうモビリティの「変形」に一石を投じたと振り返ります。「あるときはクルマ、あるときはバイク、あるときはロボットになるようなモビリティも出てくるでしょう。そうしたものに、どう対応していくか」と話します。
※一部修正しました(11月5日11時30分)。
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