「管理職だからこそ育休を!」ワンオペ子連れ旅行、PTA役員もこなす行動派パパのマインドに迫る!
- マイナビウーマン |
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育児休業を経験し、子育てに奮闘しているパパの声を聞いていくインタビュー連載・「男性育休取ったらどうなった?」。今回は研究部門で管理職を務めながら、プライベートでは3人の女の子を共働きで育て、PTAの副会長までこなすパワフルなパパにお話を聞きました!
パパが2カ月の育休を取得した冨澤さんファミリー
今回のパパ
冨澤恵一さん/44歳/古河電気工業株式会社 研究開発本部 マテリアル研究所 樹脂製品開発部 先進材料開発課長
●ご家族
妻:美月さん/44歳/調理員
長女:茜ちゃん/8歳
次女:杏ちゃん/4歳
三女:紬ちゃん/10カ月
※ご家族の名前は全員仮名です。
●冨澤家のパパ育休
2024年3月に三女が誕生。出産後すぐからおよそ1カ月間の産後パパ育休と有休、ゴールデンウィークを組み合わせて約2カ月間休業し、5月に復帰。現在は研究部門の課長職に従事する一方、主席研究員としても活躍。プライベートでは3人の子を育てながら、小学校のPTAの副会長も務める。
恵一さんの平日のタイムスケジュール(現在)
■第三子で初めての育休取得。メンバーには、とても温かく送り出され…
「冨澤家の家族5人。妻は高校の同級生です。仕事と育児を両立できているのも、PTAの役員ができるのも、裏で妻がサポートしてくれているおかげ」(恵一さん)
――今回、恵一さんは第三子の誕生に際して初めて1カ月の育児休業を取得されたそうですが、取得に至った理由を教えてください。
恵一さん 長女の小学校や学童に習い事、次女の保育園送迎を夫婦2人でまわして既にいっぱいいっぱいの中、3人目が生まれるとなると育休を取得してしっかり時間を取って、家庭に専念しないと生活が成り立たないと考えていました。また夫婦ともに実家の両親の足腰が悪く、なかなか助っ人として長期に頼むのが難しいことも背景にありました。
――育児休業を取得したのは初めてですよね?
恵一さん はい。長女のときはお義母さんにも頼れるような状況で、お手伝いに来てもらっていました。当時は私自身、仕事が忙しくて、取得がしにくい環境だったこともあります。次女のときは2020年の6月生まれで、ちょうどコロナ禍が始まってすぐの頃だったんですね。会社から出社に関する規制のあった時期だったので、我が家的にはこれ幸いとテレワークをしながら、子どものお世話をしていました。
――会社的に男性育休は取得がしやすい状況でしたか?
恵一さん はい。会社側も男性の育休に非常に前向きで、前例も数多くあり、説明資料もしっかり準備されている状況でした。特に私が所属する研究部門は女性の比率が高く、育児と仕事を両立している社員が多いんです。なので同じように男性でも育休を取得する社員が増えており、私自身、課長職を務める中で男女ともに育休を取得しやすい雰囲気を作るように心がけてきました。そうした中、実際に同じ課の男性社員で育休を取得したメンバーもいましたし、管理職だからこそ自分も積極的に取るべきだなとも考えました。
――管理職の方が取得すると、部下の方たちも取得しやすくなりますね。取得に至っては、同じ課の方たちはどのような反応でしたか?
恵一さん 「ぜひ取ってください!」と温かい言葉をかけてもらって、非常に嬉しかったことを記憶しています。3人目の子育てが大変なことを理解しているメンバーが多く、「仕事を気にせず、子育てに専念してきな!」という雰囲気でしたね。冗談で「もう(会社には)来ないでください!」なんて言われたり……(笑)。
私自身、以前から保育園の呼び出しで早退することもありました。その姿を見ていた同僚や、我が家の事情を親身に聞いてくれるメンバーもいてくれたおかげで、理解も進み、育児休業に入るまでの間は相談しながら仕事を進めることができ、本当にありがたかったです。
■育休前は不安もありつつ……結果、現場のメンバーが大活躍!
「いざ育児休業に入ると、家事や子どもたちのケアに精一杯でした!」(恵一さん)
――育休取得についての不安はありましたか?
恵一さん やはり不安はありました。課長として課を回していく中で、出張で数日不在にしていても、課の業務が滞ることがあり、1カ月抜けてもちゃんと仕事が回っていくのかはとても不安でしたね。
――休業に入るまでにどのような準備をしましたか?
恵一さん まず安定期に入る前から部長には軽く話をしておいて、私自身も課の運営の中で、自分が不在にしていても成り立つような仕組み作りを進めていきました。もともと私が取得した産後パパ育休(出産時育児休業制度…子の出生後、8週間の間に4週間まで取得が可能)では、限定的な範囲で仕事をすることが認められています。
基本的には部長や課のメンバーに権限を移行したものが多かったですが、どうしても課長である私の判断が必要な場面がありましたし、私も現場の状況を知りたかったんですね。なので、Teamsの中に課の専用チャンネルを作ってリアルタイムの現場のメモを残してもらうようにし、決まった曜日の午前中だけはメールが見られるので、そこまでに私が確認した方がいい内容を集約してもらうようにメンバーには伝えていました。
――最初は抜けることが不安だったということなのですが、実際にはどうでしたか?
恵一さん 最初は不安があったものの、休業に入ったら今度は目の前に子どもたちがいて、そっちに完全集中するようになって……。2週間くらいたったタイミングで少し落ち着いて、会社の様子を確認したんですが、思った以上に回っているなと感じました。もちろん、あとで聞くといろいろあったらしいのですが、私に配慮して、メンバー間で解決してくれたようなのです。私が思っている以上にみんながやってくれて。休業の後半はまったく不安には思わず、出社したらみんなにお礼を言わなきゃなと思いながら過ごしていました。
――先ほど「もう(会社には)来ないでください!」なんて言われたと話をされていましたが、皆さん、冗談ではなく、本当に頑張ってくれたのですね!
恵一さん はい。普段からメンバー間でしっかりコミュニケーションをとっておくと、自分が思う以上にみんな助けてくれるものだと感じました。
――子育ての話はよくされていたんですか?
恵一さん 私自身、子どもの話をすることが多く、育休中のエピソードも復帰後によく話しています。その影響もあってか、最近は「3人目を検討しているんですが、どうでした?」と質問を受けたり、今年4月に復帰予定のメンバーからは、休業前の早い段階で相談を受け、一緒に話し合いながら仕事を進めたりしてきました。普段から育児と仕事が両立しやすい環境づくりを意識してきましたが、男女問わず家庭のことを気軽に相談してもらえることが多いですし、困ったときにお互いを頼れる雰囲気が整ってきたと感じています。
■育休中は三女のミルク飲めない問題が勃発!
「こんなに大きくなった現在の三女(手前)。ミルクを飲めずに悩んだあのときが嘘のよう」(恵一さん)
――育休中はどんなことが大変でしたか?
恵一さん 最初の1カ月、三女の体重がなかなか増えずに夫婦で四苦八苦したことです。三女は2500gくらいで生まれてきたんですが、母乳を吸うのが下手で、哺乳瓶からもなかなか飲めない赤ちゃんでした。哺乳瓶の乳首を変えてもダメで、飲んではオエーッ。そんな感じなので、退院の1週間後くらいに病院で体重を測ったら、減っていたんです。先生とも「この2〜3週間くらいできちんと飲めないと不安だね」という話をして。
私も夜に起きて、ミルクをあげたり、吐くとガーゼや肌着が汚れるので、洗濯機を回したりしていましたね。そのころ、一度にミルクを作る量はたった40mlでしたが、飲んでくれてほんの少し中身が減ったのが嬉しくて、さらにその減る量が少しずつ増えていって、また病院で測ったら体重も増加していて。妻とすごく喜んで、ホッとしたことを覚えています。
まあでもそうしている間にいつのまにかどんどん飲むようになりました。三女を抱っこしながら、「今はすごく大きくなったけど、あのときは全然飲まなかったよね」なんて思い出話を妻とよくしていますね。
■長女の小学校ではPTAの副会長に。「忙しいけど、それも楽しい」
「長女と次女と3人で大好きな野球を見に行った時の写真です。家族でベイスターズファン!」(恵一さん)
――現在、恵一さんはPTAの副会長も務められているそうですね。
恵一さん そうなんです。昨年の4月から副会長となり、実は今年の4月からは会長に就任する予定となっています。4月の入学式でどんなスピーチをしようか今からドキドキです(笑)。
――すごい! 仕事も忙しそうですが、どうして副会長をやることになったのでしょうか?
恵一さん もともとは長女の小学校入学にあたり、「各家庭はPTAの役員職かボランティア活動に必ず参加する」という決まりがあったんですね。ただ、私自身としては妻には育児に集中してもらいたいし、さらなる負担が行かないようにと思って、私が引き受けることを考えました。また、現在は長女のみが小学生ですが、これから三女まで含めるとかなり長い間、小学校と関係するわけで、私自身がもっと関わりを深めていきたいと思い、アンケートに「役員をやってもいい」と書いたんです。
すると、すぐ電話がかかってきて! なぜか「副会長に推薦している人がいます」と言うわけです。「誰だ? そんなこと言うやつは!」なんて思いつつも(笑)、話を聞いて。ちょうど三女が生まれるタイミングだったので、事情も話しつつ、「大丈夫ですか?」と質問すると、「配慮するよ」と言われたので、「じゃあやってみよう!」と受けることになりました。
――仕事も課長としてのマネジメントと主席研究員の仕事があって、子どもも3人いて、さらにPTAまでとなると、忙しさにパニックになったりしませんか?
恵一さん なるにはなるんですよ。仕事も普段早めに帰るようにはしていますが、残業や出張もありますし、そもそも子どもが3人いると、想定外のトラブルも起きるし、スケジュールも入り組んだことになっていて……。
だけど、その忙しさも、ある意味で楽しいなぁと思っています。毎月PTAの会合には仕事の半休をとって出るんですが、この前も学校に行ったら「パパ、会いに来たよ」と長女がやって来てくれたんですよ。それが本当にかわいくて!
あと、実はちょうど僕の育休中に長女と上級生が廊下でぶつかってトラブルになったことがあったんです。そのときも僕は担任の先生や校長先生によく会う立場だったので、すぐ先生に話を聞くことができ、比較的早くトラブルが解決できたので、PTAの役員として働くことで少しは子どもにも貢献できているかなと感じました。
■育休で時間があったからこそ、長女のトラブルも気づけた
「長女と次女と3人で北海道旅行へ! 昨年、長女に初めてパウダースノーを見せたいと2人で行きましたが、今年は次女も一緒に行くことができました!」(恵一さん)
――育休の話に戻りますが、育休を取得して良かったですか?
恵一さん 良かったですね! 当時は私たち夫婦も三女のミルクを飲まない問題があって、すごく心配で毎日を過ごしていたわけですが、長女と次女は毎日を生きているわけです。上2人の今までの生活を維持しながら、三女の育児に取り組むのは……仕事をしていたら、とても難しかったと思いますね。特に新生児の時期は片手間で育児をやっていい時期じゃないと思います。
あと、今話した長女のトラブルも同じ時期に起きたんですね。三女が生まれたのが3月で、ちょうど育休中に4月の年度替わりがきて、長女もクラスが変わって、環境の変化を迎えたタイミングでした。5月に先ほどのトラブルがわかったのですが、自分が家にいてしっかり子どもの様子を見られていたからこそ対応できたと思います。
――少し様子がおかしかったことに気づいたのですか?
恵一さん もともとおしゃべりで元気いっぱいな長女が学童から帰ってきたあとにしゅんとしていたんです。なんだろうなと思っていたら、学童の先生が「上級生となんかあったみたいです」と報告してくださって。そこでわかったんですね。その長女の変化って毎日ずっと家にいないと気づかなかったかもしれませんし。当時は妻も三女の育児で精一杯だったので。僕の育休中でよかったですね。
■娘たちはパパっ子まっしぐら!
「北海道旅行ではコンダクターさんを一人お願いすることに。おかげでいつもは子どもだけの写真に自分も入ることができました(笑)」(恵一さん)
――娘さんはみんなパパのことが大好きでしょうね。
恵一さん 妻の策略で、長女はすごくパパっ子に育っていますね。次女はそれを見て育っているから、同じくパパっ子に…。
――“策略”なんですね!
恵一さん 普段から妻が「子どもはパパっ子にする! そして自分は身軽になってくんだー」とよく言っているんですよ(笑)。私も「遊ぶならパパだ!」と刷り込んでいます。三女が生まれてからはあんまり出かけられなくなってはいるんですが、それまでは、自分が山に登るのが好きなこともあり、長女と一緒に登山して 山頂でカップラーメンを食べたりして楽しんでいました。娘の授業参観も必ず行くようにしていますね。
――素晴らしいですね! 男性育休は増えていますが、PTAの活動や参観など、子どもの平日イベントに有休とって毎回参加するパパはまだまだ珍しいと思います。
恵一さん 弊社はありがたいことに半休や1時間単位で休みを取ることのできる制度があるので、それを利用しているのですが、以前は私自身も「本当に平日、仕事を休んで授業参観に行くの?」という気持ちが少しあったんですよね。実はいちばん最初だけ仕事の都合が合わなくて、夫婦ともに行けない参観日があったんです。ただ、それで長女が悲しそうな顔をしたことが忘れられなくて……。これは絶対にダメだと。やっぱり行くとすごく喜んでくれるんですよ。だから「絶対次も行こう!」と、毎回出席しています。娘の笑顔だけで本当に大満足です。
――最後にこれから育休を検討しているご夫婦にメッセージをお願いします。
恵一さん 産まれて1カ月は最も忙しく、最も子供の成長を感じることが出来る期間だと思います。私も2人目、3人目が生まれて気づいたことですが、あの時期って一生のうちで二度と戻ってこない本当に貴重な期間で、ブカブカだった肌着がいつの間にかパツパツだ…みたいに子どもの日々の成長に驚かされると思います。でもその変化って子どもと密接にいるから感じられることであって、仕事行って帰ってきて、「こんなふうに変わったよ」とママから聞いているだけだと、自分ごととしては捉えられにくい気がします。
仕事は誰かしら助けてくれる人もいて、なんだかんだどうにかなります。しかし、その子にとってのパパは一人しかいません。育児は聞くよりも体感するほうが、理解が早い。そんなに生やさしいもんじゃありません。ママと一緒に苦労してこそ、「あのときは大変だったけど、ここまで元気に育ってくれたな」と実感できるし、子どもにも愛着が湧いてくるので、育休を取れるなら、必ず取ってもらえるといいなと思います。
(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)
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