SNSで他人の“キラキラ”を見て焦る…落ち込んだ時に効果的な「自分を親友扱いする」技術【心理カウンセラー解説】
- オトナンサー |

SNSで他人が楽しそうにしているのを見てつい焦ることも(画像はイメージ)
SNSを見て、他人が楽しそうにしているのを見て、つい自分と比較したり、孤独を感じたりした経験はありませんか。そんな生活を続けているうちに、自分のことを評価したり必要以上に責めすぎてしまったりしているかもしれません。
そこで、「一人ぼっちな感覚」「自分のことをなかなか受け入れられない」と感じている場合によりよく自分と向き合うことのできる方法について、心理カウンセラーのうるかすさんに聞きました。
他人のSNSにモヤっとしたら…比較対象を「過去の自分」に変える
Q.他人と自分を比較してしまった時、まず自分に何と言い聞かせればよいのでしょうか。
うるかすさん「『他者との比較』というのは、もともと人間が周囲との得意・不得意の違いを把握して生き延びるため、そして社会の中での適切な立ち位置を把握するために必要としていた、非常に高度な情報処理の一つです。そのため、『比較しないほうがいい』というわけではなく、他人と比べることで社会に順応しやすくなったり、自分にとってのある程度の基準を設定したりできるというメリットもありますね。
問題なのは、比較することで『やっぱり自分はダメなんだ』『あの人は〇〇できているのに…』と、比較をするたびに自分のことをネガティブに捉えて自己否定をしてしまう思考のクセになっている場合です。自己肯定感の低下はメンタルヘルスの悪化につながる可能性もあるため、『考え方のクセ』というのを意識して変えてみると良いでしょう。
まず一つは、比較をして『うらやましいな』と思う感情が、自分ではなく他人軸になっていないかという点です。特にSNSとの関わり方に大きいのですが、人気があってキラキラした生活をしている人を見ると、あたかもそれがすべての人にとっての幸せと感じてしまうことがあるかもしれません。
しかし、そのキラキラしている人と自分はまったくの別人で、価値観や考え方、生活スタイル、大事にしているものなどは異なります。多くの人に評価されている他人だから正解なのではなくて、『わたしは何を大事にしていたっけ?』『わたしがしたいことってなんだろう』など、自分の軸や大切にしていることを改めて振り返ってみるとよいかもしれません。
これに加えて、評価する対象を他人ではなく『過去の自分』にするというのも有効です。他人との比較の場合、『自分にないもの』に焦点をあてがちなので、どうしてもネガティブな感情が湧きやすくなってしまいます。
そこで、過去の自分と今の自分を比較することで、『今自分にあるもの』『過去と比べて成長できたこと』『これから目指したい姿』がそれぞれ明確になり、比べるということをポジティブな体験に変えることができます」
「一人で過ごす時間」はネガティブ? 自立と成長を促すチャンス
Q.孤独感を感じた時に、そのエネルギーを「自分の成長」に変えるにはどうすればよいのでしょうか。
うるかすさん「『一人』『孤独』というのはネガティブなイメージを抱きがちですが、実は『一人で過ごす時間』を意識的に選択し、それを有意義な時間にしている人は、精神的な自立や自己成長を促す要因になることもあります。『家にいても何もすることがない』『また時間を無駄にしちゃったな』という気持ちで一人の時間を過ごしてしまうと、その人にとって一人の時間がネガティブで寂しい印象で終わってしまうでしょう。
しかし、裏を返すと一人の時間というのは、誰にも邪魔されずに自分のしたいことを自分で選択して進めることのできる時間でもあります。趣味をしたり新しいことにチャレンジしてみたり、はたまたゆっくり自分をいたわるためのリフレッシュの時間にしてみたり、意思をもって自分の時間を使う体験ができます。これは、他人と一緒に過ごす時間ではなかなか体験できないことですよね。
孤独を『一人きりの寂しい時間』と決めつけるのではなく、『自分の選択次第で有意義で楽しい時間にも変えられる』という意識を持ち、実際に行動に移してみることで、少しずつ自分が成長するための成功体験を積み重ねていけるようになるでしょう。
また、一人で過ごすときというのは、『自分と向き合う』ということに最も適しているタイミングでもあります。いくら近しい存在であっても、他人と一緒にいると人間は『この人ならどう思うかな』といったように、他人軸での考えに引っ張られやすくなってしまいます。
そのため、『本当の自分って何?』『一番自分がしたいことはなんだろう』など、自分の核となる部分を見失いやすくなることもあります。自分と向き合う時間、つまり一人になる時間を意識的につくることで、自分自身の価値観や長所、目標など、より深く自分のことを掘り下げることができるようになるでしょう」
落ち込んだ時は「自分を親友のように扱う」セルフ・コンパッション
Q.精神的に落ち込んでいるときは「自分を親友のように扱う」のがよいといわれることがあります。これは具体的にどのようなことを意味するのでしょうか。
うるかすさん「落ち込んでいるときは、多くの場合思考がネガティブな方向に引っ張られやすく、特に責任感の強い人はご自分のことを卑下してしまうケースも少なくありません。『こんなこともできないなんて』『なんでいつまでも泣いてるの?』など、『落ち込んでいる自分を否定』してしまうことは、心をすり減らす行為を自分自身で行ってしまっている状態になっています。振り返ってみて、自分のことを責める考え方になりがちかもと思った人は、『落ち込んだときの気持ちとの付き合い方』を意識してみることをおすすめします。
『自分を親友のように扱う』というのは、落ち込んでいる自分にさらに追い打ちをかけるのではなく、『友達が落ち込んでいたときにどんな声をかけてあげるか?』というアプローチをする、『セルフ・コンパッション』という考え方の効果によるものです。『今落ち込んでいるな』『またマイナスな気持ちが湧きやすいときかも』など、気持ちが沈みそうになったときに、自分の今の気持ちを素直に受け取ってみてください。
このようなサインが現れたと思ったら、次に『落ち込むときがあっても大丈夫』『少しだけ休むのも大事だよ』など、落ち込むことやうまくいかなかった自分のことを認めてあげてみましょう。
また、自分自身を親友のように扱うヒントは、実は普段の人間関係の中にも隠れているかもしれません。例えば、ご自身が身近な友人や家族とどのように接しているかを振り返ってみることも、一つの手がかりになります。相手の失敗や弱さを受け入れることが難しいとき、その厳しさは知らず知らずのうちに自分自身にも向いていることがあります。
反対に、友人が落ち込んでいたらどのような言葉をかけるか、家族の失敗をどのように受け止めているかを考えてみると『自分を親友のように扱う』ためのヒントが見えてくることもあります。
例えば、『どうしてそんなことをしたの?』と厳しく責めてしまうことが多い人は、ご自身に対しても同じように厳しい目を向けているのかもしれません。
『妻のこういうところがどうしても許せない』『子どものこういう部分が気になって仕方がない』などと感じるときも、その背景には、自分自身の弱さや未熟さをなかなか認められずにいる苦しさが隠れている場合もあります。もちろんすべてがそうとは限りませんが、他者との関係を通して、自分自身への向き合い方が見えてくることも少なくありません」
* * *
現代社会は、必要以上に他人とつながったり、誰かのことを評価したり、もしくは自分と誰かを比べたりすることがどうしても多くなっています。そんなとき、忘れないでいたいのが「自分との向き合い方」と「いたわり方」です。
忙し過ぎて疲れてしまったな、ゆっくりしたいなと感じているときこそ、たまには落ち着いた空間で自分と向き合う時間をつくってみるのも良いかもしれません。
オトナンサー編集部
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