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25歳息子の顔に今も残る傷…同級生に引っかかれたのに「じゃれ合い」と片付けた担任に怒り 母が学校に願う誠実な対応

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  • オトナンサー
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子ども同士のトラブルについて、学校や保育園などにはどのような対応が求められる?(画像はイメージ)
子ども同士のトラブルについて、学校や保育園などにはどのような対応が求められる?(画像はイメージ)

子ども同士のトラブルについて、学校や保育園などにはどのような対応が求められる?(画像はイメージ)子ども同士のトラブルについて、学校や保育園などにはどのような対応が求められる?(画像はイメージ)

 学校や保育園、幼稚園などでわが子が他の子にけがをさせられたとき、皆さんは相手の子どもの名前を知りたいと思いますか。実際にあった話を紹介します。

 ある日、保育園に通う女の子が、顔に傷をつけて帰ってきました。どうやら友達に顔を引っかかれたようです。その友達の爪が伸びていたため、かなりひどい傷でした。

 保護者がお迎えに行った際、担任の先生からは比較的軽い口調で、「お友達とじゃれあって、傷がついてしまいました~」と説明されただけでした。それを聞いた保護者は、ムッとしました。大切な娘の顔です。将来、傷が残ったらどうしよう――そう思うのは自然なことだと思います。

 さて、このとき園の対応は、どうあるべきだったのでしょうか。

 まず、傷がついた時点で保護者に連絡し、「友達にやられた」という事実をきちんと伝えることです。さらに、加害があったことを、相手側の保護者にも正確に伝えることが求められます。

 その上で、加害をした側の保護者が、やられた側の保護者に直接謝罪するかどうかは、「お任せする」という対応が、一般的ではないでしょうか。

隠すことが「不信感」を加速させる

 次は、子育て本著者・講演家の私の息子の話です。

 私の息子は、知的障害のある自閉症です。小学校3年生のとき、支援級に在籍していました。その支援級の中に、息子をターゲットにし、執拗(しつよう)に引っかいてくる子がいました。

 学校が終わると、息子は、発達に特性がある子どもの自立を支援する「放課後等デイサービス」に通っていましたが、その日、学校からは何の連絡もありませんでした。

 午後6時半に放課後等デイサービスへ迎えに行ったとき、息子の顔に傷があることに気付きました。

 放課後等デイサービスの職員は、「学校からは、すでに連絡がいっているものだと思っていました」とびっくりしていました。

 慌てて学校に電話をすると、まだ残っていた担任の先生から「いや、お友達同士で引っかき合う、じゃれ合いみたいなものですよ、ここは支援級ですから」と、軽く言われました。そのとき、私は憤りを覚えました。

 その傷は、息子が25歳になった今でも、右のこめかみにくっきりと残っています。

 子ども同士のことですから、最初の例でも、息子の例でも、やられたり、やり返したりすることは日常的に起こります。作品を壊されたり、ノートを破られたりすることも含め、集団生活の中では避けられない場面もあるでしょう。

 世の中には、いろいろな子がいるという現実を知ることも大切です。互いの個性を尊重し合うインクルーシブ教育の考え方も、重要だと思います。

 先生の人数が足りず、常に一人一人を見守れるわけではありません。それでも、やられても我慢しているわが子を見ているのは、親としてとても忍びないものです。

 さて、特に発達障害のある子どもの場合、人間関係は「その場限り」で終わらないことが多いのです。

 小学校が同じで、中学では別の進路に進んだとしても、特別支援学校高等部で再び同じ学校になることがあります。

 たとえ高等部が別々だったとしても、親の会や「20歳を祝う会」など、さまざまな場で再会する機会は案外多いのが現実です。

 そんなとき、学校がきちんと対応せず、わだかまりや誤解を残したまま人間関係が悪化していたら、それは決して望ましいことではありません。

 一方で、「保護者同士の名前を公表すると、トラブルに発展しかねない」
という理由で、加害側の名前を教えてくれない学校もあるようです。

 しかし現実には、周りで見ていた子どもが、「○○くんが、○○くんに暴力を振るっていたよ」と自分の親に話すこともあります。

 結局のところ、子どもを通じて名前や状況が断片的に伝わってしまうことも多く、学校が事実関係を曖昧にしたままでいることで、かえって不信感や憶測を生み、人間関係をこじらせてしまうケースもあるのではないでしょうか。

学校が仲介することは可能

 では、個人情報保護の観点から、学校は何もできないのでしょうか。必ずしも、そうではありません。

 実際に、ある小学校では次のような対応が取られていました。

 個人情報保護法があるため、学校がいきなり保護者同士の連絡先を伝えることはできません。そこで、加害者をA、被害者をBとして、段階的に確認を行います。連絡がつかなかった場合は、AとBの連絡順が入れ替わることもあります。

 まず先生が、Aの保護者にこう伝えます。

「Aさんが、Bさんにしてしまったことがありまして……」

 Aの保護者が、「Bさんの保護者に謝りたいのですが」と申し出た場合、先生は、「では、Bさんの保護者に、連絡先をお伝えしてもよいか確認しますね」
と対応します。

 同じように、Bの保護者にも事情を説明し、Aの保護者の連絡先を伝えてよいかどうか、きちんと承諾を取ります。

 このように、学校が間に入り、双方の同意を得た上でつなぐという方法も、十分に可能なのです。

 息子が中学生のときのことです。制服のワイシャツに、黒の油性マジックで大きく、ぐしゃぐしゃに落書きをされて帰ってきました。

 その日のうちに、落書きをした子の保護者から自宅に電話があり、丁寧なおわびがありました。

 クリーニング代とワイシャツ代を負担すると言われ、学校からも、相手の名前と出来事の事実がきちんと伝えられました。

 私は、「まあ、仕方がないな」と思いました。学校の対応も、適切だったと思います。

 だからこそ、園や学校には、「お預かりしている大切なお子さんの体や持ち物を傷つけてしまった」という事実を重く受け止め、傷つけた側の保護者にも、やられた側の保護者にも、速やかに連絡を入れる対応をしてほしいと強く思います。

 それは、単にその場を収めるためではなく、この先も続いていく人間関係を、できるだけこじらせないためにも必要な対応だと思うのです。

子育て本著者・講演家 立石美津子

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