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岐阜基地にしかないF-2「青いプロトタイプ」の正体とは 派手でも迷彩でもないワケ

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  • 乗りものニュース
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日米共同開発の末に生まれた航空自衛隊のF-2戦闘機。90機あまり生産されたなかで、岐阜基地にしか配備されていない試作機を取材してきました。一見、量産機と変わらない機体ですが、唯一無二の特徴が隠されていました。

日本唯一の部隊が持つオンリーワンの機体

 日本のほぼ中央、岐阜県にある航空自衛隊岐阜基地(各務原市)には飛行開発実験団と呼ばれる部隊が所在します。この部隊は航空開発実験集団隷下の飛行部隊で、航空機やミサイルなど航空装備品に対する試験などを実施する航空自衛隊唯一の部隊であるため、ほかの部隊では見られないような装備や機体を数多く保有しています。

 そのような珍しい装備のなかでも、岐阜基地でしか見られない機体ということで今回、F-2の試作機を見てきました。

Large 210805 f2 01航空自衛隊岐阜基地の飛行開発実験団が運用するF-2の102号機(2021年4月、柘植優介撮影)。

 取材したのは、F-2の102号機、いわゆる試作4号機です。F-2は、アメリカ製のF-16「ファイティングファルコン」戦闘機をベースに、日本独自の運用構想や地理的特性を盛り込み、日米で共同開発した戦闘機です。

 ぱっと見、F-16によく似た外観であるものの、主翼形状や機体の長さなど様々な部分で再設計されているため、F-16から9割以上が変更されているといわれています。そのため、F-16が原型とはいいつつも事実上の新型機といえるもので、ゆえに試作機も4機作られ、一から様々な試験が行われたのです。

 試作4号機である102号機は、F-2試作機のなかで末弟にあたる機体といえます。他の試作機3機が赤やオレンジなど派手な塗装が施されているのに対し、上面が青、下面が白という、一見すると量産機と見紛うようなカラーリングが施されています。

 しかし、この塗装にも意味があるようです。

機体が青白に塗り分けられている理由とは

 飛行開発実験団所属のパイロットによると、F-2の102号機の上面が青い理由、それは洋上迷彩をテストするために施されたからだといいます。F-2の前に開発されたF-1戦闘機はASM-1空対艦ミサイルを用いた対艦攻撃ミッションも運用任務に含まれていたものの、機体のカラーリングは内陸部を飛行する際に目立たないようにする、緑や茶が主体の迷彩でした。

 しかし、F-1の迷彩では海上では目立ってしまうため、F-2はF-1と異なる迷彩が施されることになり、いわば102号機の青色塗装はその試作とのこと。まず青一色で試行したのち、その結果をもとに量産機がまとう濃淡2色の洋上迷彩が生まれたそうです。なお、下面が白いのは迷彩ではなく、試作機だからだといいます。

Large 210805 f2 02上面が青、下面が白というカラーリングが施されたF-2の102号機(2021年4月、柘植優介撮影)。

 102号機が担うおもな試験は、主翼の下に搭載する各種武装を投下する際の分離特性のテストなどだといいます。そのときに下面が暗い色だと、カメラで撮影した際にコントラストの問題などから認識し難くなる恐れがあるそう。そこで、あえて白く塗ることで明るく映りハッキリわかるようにしているとのことでした。

 このような任務を102号機は担っていることから、機体の各部にカメラが設置されており、それもまた特徴の一つとのこと。これは機体に近づかない限りわかりませんでした。ちなみに同様のカメラはコックピット内、操縦席後部にも設置されており、コックピットから機外、おもに主翼を撮影できるようになっていました。

各所に書き込まれた白黒マークのワケ

 また102号機は、よく見ると機体上面の青色の中に白黒の円形模様がいくつも描かれているを見つけることができます。

 これは「ターゲットマーク」などと呼ばれるもので、基本的には衝突安全性能試験などに用いる自動車やダミー人形に描かれているのと同様のものだといいます。F-2の場合は前述の武装の分離特性の試験に関連するもので、その試験の際に目安となるマーキングだと話してくれました。

 機体からの離れ方や、離れるスピードを画像解析する際にこのマーキングが役立つそうで、説明によると102号機にしかないマークとのことでした。

 隊員の説明を受けるまで、102号機はF-2の試作機4機のなかで最も“プロトタイプらしくない”と思っていましたが、こうして見てみるとカラーリング含め、ほかの3機とは異なる、ある意味で重要な試作機であることがわかりました。

Large 210805 f2 03飛行開発実験団に配備されている量産型のF-2戦闘機。濃淡の青2色からなる洋上迷彩が下面を含む全体に施されている(2021年4月、柘植優介撮影)。

 F-2の試作1号機が初飛行に成功したのは1995(平成7)年10月であり、それからすでに四半世紀以上が経過しています。F-2の後継機を開発するというハナシも出てきていますが、防衛省の発表などからすると、今後も10年以上にわたってF-2が現役で運用されることは間違いありません。

 その間、新装備の運用やアップグレード化などが行われる可能性も高く、それらのテストの際に飛行開発実験団が保有するF-2の試作機が用いられることと思われます。なかでも102号機は武装の分離特性の試験に適するよう、前述したような特徴を有していることから、“地味”ながら今後も重要な任務で飛び続けるかもしれません。

※誤字を修正しました(9月11日12時00分)。

【青いプロトタイプ】現役の戦闘機乗りが解説! 貴重なコックピットも

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