日本は世界有数の「痔主」大国 完治しても“再発”するって本当? 原因を肛門科医に聞く
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日本は世界の中でも「痔(じ)」の患者数が多い国といわれており、国民の3人に1人がかかっているという情報もあります。中には、手術などで痔を完治させたにもかかわらず、再発する人もいるようです。
痔は再発しやすい病気なのでしょうか。痔にかかった人が再びかからないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。八王子クリニック本院(東京都八王子市)院長で肛門科医の井藤尚文さんに聞きました。
「下痢」「便秘」になりやすい人は要注意
Q.手術などで痔を完治させた人の中には、再発してしまった人もいるようです。本当にそういったケースはあるのでしょうか。再発率も含めて、教えてください。
井藤さん「肛門がある限り、痔が再発する可能性はあります。例えば虫垂炎になり、手術で虫垂を切除した人は二度と虫垂炎にはなりません。なぜなら、炎症が起きる虫垂を取ったからです。しかし、痔は肛門の一部が腫れることで生じるため、肛門がある限り、新たに痔を発症することがあるのです。
例えば、肛門部の細静脈のうっ血が常態化し、しこりになる病気である『いぼ痔』の再発率ですが、患部を切除した場合は2~3%といわれています。一方、『ALTA療法』と呼ばれる注射製剤による治療の場合、再発率は10年以内で約30%といわれています。しかし、これらはあくまで目安であり、人によって異なります」
Q.では、痔を完治させた人が再発してしまう原因について、教えてください。
井藤さん「外来で多くの患者を見ていると、再発する人は慢性的な下痢や便秘などの排便障害のほか、排便時に強くいきむといった習慣などがあるように感じられます。
いぼ痔に関しては、先述のように肛門にある静脈の集まった部分がうっ血することで発症します。そのため、生活習慣や排便習慣、排便障害の有無が大きな再発要因と考えられています。具体的には、うっ血の原因となる座りっ放しや立ちっ放し、激しい運動、過度の飲酒、辛い食べ物の摂取、いきむような排便などが再発の原因となります。
肛門が裂けて発症する『切れ痔』についてもさまざまな手術方法があるため、一概には言えませんが、おおよそ手術後の治癒率は90%を超えています。しかし、普段から硬い便が出る人のほか、肛門の出血や痛みといった恐怖のために、いきんで排便する習慣がある人は、再発しやすい傾向にあります。
切れ痔は肛門の物理的なけがのため、硬い便でけがをするか、排便時に自身でいきんで排便をしてけがをするかのいずれかです。手術後に医師が適切な排便指導を行うことで、切れ痔になりにくい状態にしていきます。
直腸と肛門のつなぎ目に細菌感染が起こり、肛門の周囲に膿(うみ)だまりを作ることが原因で生じる『痔ろう(あな痔)』についても、手術前の程度や手術方法で治癒率、再発率が変わります。諸説ありますが、若年で臀部(でんぶ)の筋肉が発達している人や慢性的な下痢の症状がある人に再発する傾向があると考えられます」
Q.痔の再発を確実に防ぐことは可能なのでしょうか。そのためには、どのような対策が必要なのでしょうか。
井藤さん「痔の再発を確実に防ぐことは難しいです。しかし、原因となった生活習慣を改善することで、再発リスクを大きく軽減することができます。便秘や下痢などの排便異常の治療も有効のため、食事や整腸剤などの市販薬で改善しない場合は、肛門科や消化器内科、内科などでしっかり治療を受けることをお勧めします」
普段から椅子に座る時間が長い人のほか、便秘や下痢といった症状が出やすい人などは、生活習慣を見直したり、医療機関を受診したりした方がよいかもしれません。
オトナンサー編集部
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