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陸自の激レア「水陸両用車」搭載した“ナゾ装置”の訓練に密着! 隊員が漏らした本音は

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  • 乗りものニュース
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激レアの水陸両用車、陸上自衛隊の「94式水際地雷敷設装置」の訓練を取材したら、写真や動画では知りえない隊員の本音を聞くことができました。

全国に数えるほどしかない激レア車両

 陸上自衛隊は有事の際、敵の水陸両用車や舟艇などの着上陸侵攻が想定される海岸線や浅海部に、「水際(すいさい)地雷」と呼ばれる浅瀬専用の機雷を設置し、敵の侵攻を妨害する戦術を考えています。

Large figure1 gallery22内陸の演習場で訓練を行う第5施設団第303水際障害中隊の94式水際地雷敷設装置(伊藤洋平撮影)。

 そのための専用装備が、水陸両用車の上に水際地雷敷設用の機械を搭載した「94式水際地雷敷設装置」です。

 戦車や装甲車、自走砲などと比べると調達数が少なく、運用している部隊も限られるため、なかなか目にすることのない装備です。このたび、そのような「激レア自衛隊車両」の訓練風景を取材できたので、陸上での訓練と水上での訓練、2回に分けてご紹介します。

 94式水際地雷敷設装置は全国に点在する5つの部隊に配備されています。ちなみに、それら部隊は専門部隊として、すべて「水際障害中隊」と名付けられています。

 部隊を北から紹介すると、北海道の幌別駐屯地(登別市)に所在する第302水際障害中隊、宮城県の船岡駐屯地(柴田町)に所在する第301水際障害中隊、茨城県の勝田駐屯地(ひたちなか市)に所在する陸上自衛隊施設学校の施設教導隊水際障害中隊、和歌山県の和歌山駐屯地(美浜町)に所在する第304水際障害中隊、そして福岡県の小郡駐屯地(小郡市)に所在する第303水際障害中隊になります。

 これら5つの部隊に分散配備されているため、めったに見ることはありまません。だからこそ、「激レア装備」と言えるのです。

 このたび訓練を取材したのは、5番目の第303水際障害中隊。この部隊は九州・沖縄地方の防衛警備を担任する西部方面隊の隷下にある第5施設団の指揮下に置かれています。

 94式水際地雷敷設装置は、「敷設車」とよばれる車体部と、別体式となっている荷台部の敷設装置の両方で構成されています。前者は水陸両用車のため、舟形の車体に4つのオフロードタイヤを取り付けた構造です。

 車体サイズは全長11.8m、全幅2.8m、全高3.5mと大柄。ただ、この車幅はあくまでも一般道などを走るためのサイズで、水上航行時は、折り畳んであるフロートを展張するためさらに大きくなり、その幅は4.0mにもなります。

用途に応じて複数の地雷あり

 今回の練成訓練では、演習場での陸上訓練と、場所を移動して海上での航行訓練、この両方が行われました。

Large figure2 gallery23陸上走行時の94式水際地雷敷設装置。左右に展張する折り畳み式のフロートを上側に跳ね上げているため、そのぶん車幅が狭く、かつタイヤも上側まで露出している(伊藤洋平撮影)。

 前者は、作戦を実施する地域までの移動も含めた訓練で、演習場に到着した後は車両を敵の航空機などから目立たなくするための偽装や、移動時には別途運搬される敷設装置(地雷の積載・散布に使用)を、大型クレーンなどを使って敷設車(水陸両用車)の荷台に搭載する一連の行程を演練していました。

 敷設装置を搭載した後は、水際地雷の装填作業に入ります。地雷を載せた大型のトラックを敷設車と後ろ合わせに並べ、隊員はトラックの荷台上から装填作業を行っていました。敷設車に搭載された敷設装置は左右それぞれ1セット、計2セットあり、1セットには地雷を装填するレールが4本通っています。

 水際地雷は用途により2種類あります。それぞれ「1型」「2型」と呼ばれており、前者は水深の浅いところに敷設するもので円盤形、後者は水深の深いところに設置するので円筒形をしています。なお、任務の性質上、両タイプを混載して装填することはないそうで、投下は1発ずつ行われ、1つのレールが終わると次に自動で切り替わる仕組みになっていました。

 有事の際は、陸上の地雷原と同じく敷設エリアを面で構築するため、装填と投下を繰り返します。そのため、訓練でも夜通し装填と投下(陸上なので投下を模した動作)を繰り返していました。

 今回は2型水際地雷(訓練用模擬地雷)を使用しており、1発50kgほどある地雷を手作業でフル装填していました。ちなみに、装填を担当する隊員いわく「1型水際地雷の方が多少軽量であるものの、円盤形で持ち難い」とのこと。そのため「円筒形の2型の方が重いものの、作業性は良い」ということでした。

 それでは、次回は水上航行の訓練について紹介します。

【動画】貴重な水上浮航シーンも! これが激レア陸自車両の訓練です。

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