アニメ『昭和元禄落語心中』で一気に注目 新宿の聖地「末廣亭」とは?
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1年を通して落語を楽しめる「落語定席」
昔から広く人々に親しまれている話芸といえば、落語です。落語にはさまざまな噺(はなし)があります。くすっと笑える滑稽噺がある一方で、ホロリとさせられる人情噺もあり、奥が深いです。
そんな落語を楽しめる都内の寄席は数多くあり、なかでもほぼ年中無休で公演がおこなわれる常設の寄席を「落語定席(らくごじょうせき)」といいます。
落語定席では興行を1日~10日の上席(かみせき)、11日~20日の中席(なかせき)、21日~30日までの下席(しもせき)に分けて、10日間ごとに番組(出演プログラム)を変えるのが一般的です。
東京都内にある落語定席は
・鈴本演芸場(台東区上野)
・浅草演芸ホール(同区浅草)
・池袋演芸場(豊島区西池袋)
・末廣亭(新宿区新宿)
の4軒です。

このうち末廣亭は漫画・テレビアニメ『昭和元禄(げんろく)落語心中』に登場する寄席「雨竹亭」のモデルとなりました。同作では末廣亭の建物が詳細に再現されています。
落語で生きる者の人生を描いた内容
『昭和元禄落語心中』は、もともと雲田はるこさんによる漫画作品です。戦前~バブル期の東京を舞台に、落語の世界に生きる人々を描きます。
あらすじは以下のとおりです。
刑務所で服役していた与太郎(よたろう)はあるとき、慰問で来訪した昭和最後の大名人・有楽亭八雲の落語にほれ込みます。その後出所した与太郎は八雲のもとに押しかけ、弟子入りを志願。弟子はとらないことで有名な八雲でしたが、なんの気まぐれか彼を迎え入れることになります。
このようにして物語ははじまり、芸の道への探求、落語界の将来への展望、同門や男女間での複雑な人間模様などが描かれていきます。

これらの描写が落語になじみのない人をも引きつけ、本作は2016年と2017年にテレビアニメ化、2018年にはNHKでテレビドラマ化も果たしました。
雨竹亭のモデルとなった新宿末廣亭とは
『昭和元禄落語心中』に登場する寄席「雨竹亭」のモデルとなった末廣亭は、1948(昭和23)年から落語の定席として営業しています。4軒ある落語定席のなかでは唯一の木造建築であり、その木造空間からは何ともいえない趣を感じられます。
番組は10日交代で落語のほかにも講談、浪曲、コント、マジックショーなどを楽しむことができます。
また毎週土曜日21時30分から落語を聞ける「深夜寄席」があるのも特徴です。落語好きの人はもちろん若い人たちも訪れており、深夜寄席は誰でも気軽に落語を楽しめる場といえるでしょう(緊急事態宣言期間中は深夜寄席は中止・延長)。
ちなみに原作漫画の雨竹亭のモデルは、群馬県館林市にある「旧二業見番組合事務所」です。旧二業見番組合事務所は料亭と芸妓(げいぎ)置き屋として使われていた木造建築物で、こちらも風情あるたたずまいになっています。なお、こちらはドラマ版のロケ地にもなっています。

これらを比較する意味でも、実際に寄席に出掛けたいものです。
コロナ禍で苦境に立たされる寄席
しかし現在、新型コロナウイルスの影響で気軽に外出できないため、落語を楽しみたい人はとてもつらい状況ではないでしょうか。
末廣亭を始めとする都内の寄席も苦しい状況に置かれています。というのも、感染防止のため各演芸場が休業・入場制限を余儀なくされてしまったのです。その結果2020年度の売り上げは、前年度から平均7割ほど減少してしまったとのこと。
苦境に立たされた落語協会と落語芸術協会は寄席を存続させるため、鈴本演芸場、浅草演芸ホール、池袋演芸場、新宿末廣亭に、お江戸上野広小路亭(台東区上野)を加えた5軒を対象としたクラウドファンディング「寄席支援プロジェクト」を実施すると発表しました。

このクラウドファンディングの期間は5月18日(月)から6月30日(水)23時まで。目標金額は5000万円です。しかし開始からなんと4日目の5月21日(金)、寄付金の総額は5000万円を軽々と突破しました。
これは寄席という場所がいかに愛されているかを象徴するエピソードといえるでしょう
今だからこそ考えたい、寄席の魅力
こうしてみると寄席はただ落語を聴く場所というだけでなく、何か大きなパワーを秘めた場所なのかもしれません。日常とは違った感覚を味わえる独特の空間だからこそ、人々は魅了されるのでしょう。
ちなみに前述の『昭和元禄落語心中』作中では、寄席はたったの1か所しか残っていないという設定。その理由について、作者・雲田はるこさんは、
「落語の“もしも”の歴史です。(中略)東京に寄席が1か所しかない可能性もあった世界を描いてみたら、より今の豊かな現状が大切に見えてくる」
とインタビューで語っています。この言葉には、いろいろと考えさせられます。

新型コロナウイルスの流行で、当たり前のように存在していたもののありがたみを私たちは痛感することになりました。
寄席に対して同様の思いを抱く人も多いでしょう。寄席で聞く落語の素晴らしさを改めて実感し、早くまた行けるようになってほしいと願っているはずです。
『昭和元禄落語心中』は物語としての面白さだけでなく、こうしたことを考えるきっかけも与えてくれました。コロナ禍の今だからこそ、寄席という空間に思いをはせてみるのもいいかもしれません。
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