ロシア軍が保有する“世界最大級のターボプロップ輸送機”が墜落 保有数わずか5機 墜落の原因は?
- 乗りものニュース |

実はウクライナ製の機体
ロシアの国営メディアであるタス通信は2025年12月9日、ロシア軍の大型輸送機アントノフAn-22が墜落したと発表しました。
アントノフAn-22(画像:ロシア国防省)
墜落事故はモスクワの北東約200kmに位置するイヴァノヴォ州で発生し、乗組員全員が死亡したと報じられています。事故機は修理後の定期飛行中であったとみられ、機体の残骸はウヴォジスコエ貯水池の水上で発見されました。
なお、同墜落事故について、ウクライナ軍による攻撃などがあったかどうかは、現時点で報じられていません。
An-22は、ソビエト連邦時代の1960年代に、現在のウクライナのキーウに拠点を置くアントノフ(現:O.K.アントーノウ)が開発した機体で、戦車や装甲車、航空機などの重量物の輸送を想定した大型輸送機です。
全長57m、翼幅64m、二重反転プロペラ式ターボプロップエンジン4基を搭載し、ペイロードは80トンに達します。軍用ターボプロップ輸送機としては世界最大級の機体になります。
同機に関しては機体の老朽化に加え、ソ連崩壊後も専門的なサポートに関してはウクライナに依存していたことから、ウクライナとの関係悪化も影響し、運用数は急速に減少しています。ロシア軍で現在利用されているのはおよそ5機と見られ、近いうちに退役する可能性も指摘されています。
An-22の代替機としてはジェット輸送機のIl-76が使用されていますが、2022年からのウクライナ侵攻以降、戦略物資や装備の輸送でIl-76が多用され、輸送需要が逼迫しています。そのため、退役予定だったAn-22が現場で使用されることもあり、老朽化した機体の酷使が今回の事故につながったとする見方もあります。
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