いすゞだけじゃないから!「デザインの巨匠」が関わった日本車たち「CMで見た!」なモデルも
- 乗りものニュース |

幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2025」のゲストとして、天才カーデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏が招かれました。そこで来日を祝して、彼が手掛けた日本車を4つ紹介します。
日本のカーイベントにゲストとして招かれたジウジアーロ
千葉市にある幕張メッセを会場に、2025年4月11日(金)~13日(日)にかけて「オートモビルカウンシル2025」が開催されました。このイベントは全国の専門店がレストアしたヘリテージカーを会場に持ち込み展示・即売を行うだけでなく、自動車メーカーやインポーターによる特別展示やテーマに沿った企画展などが開催されるイベントです。
日産の誇る「GT-R」とイタルデザインがそれぞれ50周年を迎えたことを祝して両社の共同企画で生まれた「GT-R50 by Italdesign」(山崎 龍撮影)。
10周年を迎える今回は、イタリアから著名なカーデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏をスペシャルゲストに迎えてトークショーが開催されたほか、「Giorgetto Giugiaro展『世界を変えたマエストロ』」と銘打ち、彼がデザインした傑作車10台が一堂に展示されました。
ジウジアーロ氏の経歴を簡単に記すと、1938年にイタリア・ピエモンテ州の芸術家一家に生まれた彼は、画家を目指して14歳でトリノへと移り美術高校に進学します。そこで、彼の才能がフィアットの目に留まったことで高校を中退、若干17歳でフィアットデザインセンターへと入社。その後、カロッツェリア・ベルトーネにスカウトされチーフデザイナーに就任すると、以後はカロッツェリア・ギアを経て独立し、1968年に日本人の宮川秀之氏らとともに自身のデザイン工房であるイタルデザインを設立。数多くのカーデザインを手掛けました。
ジウジアーロ氏によるカーデザインの特徴は、スタイリングの美しさと合理的なパッケージングの融合にあります。初期のデザインは空気と優しく馴染ませるような柔らかい面構成が特徴でしたが、イタルデザインの設立以降は直線を基調とした鋭角なフォルムの中にシンプルでエレガントな面構成の精錬されたデザインをするようになり、それがまた彼の特徴となります。
「117クーペ」以外にも! ジウジアーロ×いすゞ
こうして「マエストロ(巨匠)」の異名まで付与されるまでになったジウジアーロ氏は、ヨーロッパ車だけでなく日本車も多数手掛けています。そのきっかけが、のちに仕事のパートナーとなる宮川氏との出会いでした。ベルトーネのチーフデザイナー時代、宮川氏から東洋工業(現・マツダ)を紹介されたジウジアーロ氏は、初代「ルーチェ」のプロトタイプである「S8P」のデザインを手掛けます。そして、1965年に新たなクライアントとしていすゞが紹介され、この出会いによって名車「117クーペ」が誕生します。
当時の国産メーカーはカーデザイナーを黒子とし、新車発表時は名前を伏せることが通例でした。しかし、いすゞはこの伝統を打ち破り、スターデザイナーとしてジウジアーロ氏をフィーチャーします。この結果、日本における彼の知名度は一気に高まり、多くのファンを持つまでに至りました。
そのため、ジウジアーロ=117クーペというイメージが強いですが、彼が手掛けたのは他にも数多くあります。代表的な日本車4台をピックアップしてみましょう。
いすゞ「ピアッツァ」
いすゞというと、「117クーペ」が有名ですが、同車は1978年にその後継車のデザインを引き続きジウジアーロ氏に依頼します。それを受け、彼は1970年代初頭から手がけていたデザインスタディである「Asso(伊語でトランプのエースの意味)シリーズ」の3番目となる作品として「アッソ・デ・フィオーリ(クラブのエース)」を発表。いすゞはこれを元に、サイズとディテールをリファインしたパーソナルクーペの「ピアッツァ」を1981年に市販化します。オリジナルデザインそのままの美しいスタイリングは、当時の評論家から高く評価されました。
いすゞ「ジェミニ」
1985年登場の2代目「ジェミニ」も、ジウジアーロ氏がデザインを手掛けています。「117クーペ」と「ピアッツァ」で彼との関係を深めたいすゞは、17年ぶりとなる完全自社開発のFF(前エンジン前輪駆動)小型乗用車のデザインを依頼。4ドアセダンと3ドアハッチバックが用意され、コンパクトなボディに合理的なパッケージングの組み合わせにより、いすゞ最大のヒット作となりました。しかし、市販化に当たって車体後部のデザインを変えたことにジウジアーロ氏が難色を示したため、発表時に彼の名前は伏せられています。なお、同車は「街の遊撃手」のCMコピーと、パリ市内で撮影されたカースタント同然の映像から、今でも覚えている人は多いのではないでしょうか。
「イタリアの鬼才」「マエストロ」の異名を持つ天才カーデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロ氏(山崎 龍撮影)。
スバルや日産もジウジアーロとコラボ
マツダやいすゞ以外の日本メーカーも、ジウジアーロ氏にデザインを依頼しています。
スバル「アルシオーネSVX」
バブル期の1991年にスバルが発表した高級パーソナルクーペが「アルシオーネSVX」です。このクルマの特徴は、ジウジアーロ氏の大胆かつ美しいスタイリングで、日本初のドアガラスがルーフ面にまで回り込む、いわゆる「グラス・トゥ・グラス」によるミッドフレームウインドウを採用した点が外観上の大きなポイントとなっています。ただし、この形状ではサイドウィンドウの開閉が難しいことから、上げ下げできるのはガラスの一部だけでした。またオリジナルデザインでは、ヘッドランプが開閉式(リトラクタブル)でしたが、市販化にあたって固定式に改められています。
日産「GT-R50 by Italdesign」
「GT-R」(「スカイラインGT-R」から数えて)とジウジアーロ氏率いるイタルデザインがそれぞれ50周年を迎えたことを記念して、両社が共同で企画したのが「GT-R50 by Italdesign」です。プロトタイプの発表は2018年6月で、翌年(2019年)9月に市販化されました。ベースとなったのは2017~2022年型「GT-R NISMO」で、内外装は日産デザインヨーロッパと日産デザインアメリカが手掛け、プロトタイプの開発・設計・製造はイタルデザインが担当しています。それゆえに日本では輸入車扱いとなりました。なお、最高出力は720psへと強化されています。50台のみの限定生産で、日本での販売価格は1億4530万5600円(税込)でした。
「オートモビルカウンシル2025」の会場で開催されたジウジアーロ氏のトークショーの様子(山崎 龍撮影)。
世界的なカーデザイナーのジウジアーロ氏は、仕事のパートナーとなった宮川氏の存在もあり、20代の頃から数多くの日本車のデザインを手掛けてきました。彼は日本メーカーに作品を提供するだけでなく、スタイリングの重要性やパッケージングとの融合など、デザイン哲学の面でも多大な影響を与えています。ジウジアーロ氏の存在がなければ今日の日本車はなかった、と言っても過言ではないでしょう。
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