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うつ病で就労困難な47歳ひきこもり男性 「障害年金」の請求困難で絶望 必要不可欠だった“1枚の証明書”

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障害年金の請求時に必要なこととは?
障害年金の請求時に必要なこととは?

 筆者のファイナンシャルプランナー・浜田裕也さんは、社会保険労務士の資格を持ち、病気や障害で就労が困難なひきこもりの人などを対象に、障害年金の請求を支援する活動も行っています。

 浜田さんによると、障害年金を請求するためには、まずその障害で初めて病院を受診した日、いわゆる「初診日」を証明するところから始める必要があるといいます。初診日の証明は「受診状況等証明書」という書類で行うことになっており、受診先の病院でその書類を作成してもらう必要があるということです。

 ただし、病院のカルテの保存期間は、最後の受診から原則5年となっています。そのため、5年以上前に受診を終えていると、初診の病院ですでにカルテが破棄されていることがあり、その場合は受診状況等証明書を作成してもらうことができません。受診状況等証明書が入手できない場合、どのような対策を取ることになるのでしょうか。浜田さんが40代男性の事例を基に解説します。

「受診状況等証明書」以外で初診日を証明するには?

「障害厚生年金の請求をしようと思っていますが、初診日の証明ができそうもないので困っています」

 そのような内容で相談に訪れた47歳の田中さん(仮名)から、私は話を伺いました。

 田中さんは会社員時代にうつ病を患い、その後退職。退職後は実家で両親と暮らすようになり、現在も仕事をすることは難しいとのことでした。会社員時代に厚生年金保険に加入していたため、障害厚生年金を請求することになります。

 田中さんのうつ病による受診歴は次の通りです。

【田中さんの受診歴】
1番目の病院 受診は24歳ごろから25歳ごろまで
2番目の病院 受診は25歳ごろから30歳ごろまで
3番目の病院 受診は30歳ごろから32歳ごろまで
4番目の病院 受診は32歳ごろから35歳ごろまで
5番目の病院 受診は35歳ごろから47歳の現在まで

 1番目の病院ではすでにカルテが破棄されており、受診状況等証明書を作成してもらうことはできませんでした。さらに2番目から4番目の病院にも問い合わせたところ、すべての病院でカルテは破棄されていることが分かったそうです。

 そこで私は、田中さんに次のような説明をしました。

「1番目の病院で受診状況等証明書が入手できない場合、まずはご本人が『受診状況等証明書が添付できない申立書』という書類に記入をします。この書類には、当時の傷病名や受診先の病院名、病院の所在地、当時の受診期間などを書くことになっています。さらに、当時その病院を受診していたことが証明できる『診察券』『領収書』『当時のお薬手帳』といった証拠書類も必要になります」

 それを聞いた田中さんは険しい表情になりました。

「1番目の病院を受診したのは20年以上も前ですし、当時の診察券などは何も残っていません…。その場合、どうすればよいのでしょうか」

「そのようなときは、『初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)』という書類を取得することも検討します(以下、第三者証明)。第三者証明の場合、その当時の田中さんが受診した状況を直接見たり、聞いたりした第三者に内容を記載してもらうことになります。記載する内容は、主に次の通りです」

【第三者証明で記載する内容】
・初診当時の傷病名

・初診年月日

・医療機関および診療科名

・医療機関の所在地

・当時の状況(主に以下の5項目)
(1)申立者(第三者)が初診日ごろの状況をどのようにして知ったのか
(2)発病から初診日までの田中さんの症状
(3)田中さんが医療機関を受診したきっかけや理由
(4)初診日ごろにおける田中さんの日常生活の状況
(5)医師からの療養の指示など受診時の状況

 第三者証明の説明を聞いた後、田中さんは言いました。

「かなり細かい内容を記載するのですね。当時の状況を知っている親や兄弟姉妹では駄目なのでしょうか」

「親御さんなどの親族は、第三者に該当しません。第三者とは、例えば当時の会社の同僚や上司のほか、友人、知人、初診当時にその病院に勤務していて、実際に見聞きしていた医療関係者などです。なお、第三者が医療関係者以外であれば2人分、医療関係者であれば1人分の第三者証明が必要になります」

 ここで、私は注意点を説明しました。

「記載内容について、国から第三者の人に問い合わせをすることがあるため、第三者の人には責任を持って正直に当時の状況を書いてもらう必要があります。ちなみに、当時の状況を最近になって田中さんから聞いて知ったという人では駄目です。当時の状況について、その当時見聞きしていた第三者に証明をお願いすることになるのでご注意ください」

 田中さんは困ったような声で語りました。

「当時の会社の人や友人、知人の連絡先なんて分かりませんし、仮に分かったとしても頼みづらいです…。もし1番目の病院を受診した証拠書類が何もなければ、障害厚生年金は請求できないのでしょうか」

「1番目の証拠書類が何もなくても請求することはできます。ただし初診日の証明が不十分になってしまうので、障害厚生年金の受給が認められる可能性はかなり低くなってしまいます」

「そうなのですね…。請求するかどうかは、しばらく考えてさせてください」

 田中さんは力のない声でそう答え、面談は終了しました。

カルテの破棄前に「受診状況等証明書」を入手しておくのが望ましい

 面談から数日後、田中さんから連絡がありました。

「当時の証拠書類は何も見つかりませんでしたし、第三者証明の取得も難しいので、障害厚生年金の請求は諦めようと思います。先日はご相談に乗っていただき、どうもありがとうございました」

 非常に残念ですが、田中さんの決断は仕方がないと思いました。

 1番目の病院がカルテを破棄する前に受診状況等証明書を入手しておけばよかったのですが、田中さんはその当時、障害年金というもの自体を知らなかったようなのです。よって、その当時、受診状況等証明書を入手するといった行動を起こすことはありませんでした。

 残念な結果となってしまいましたが、今となってはどうすることもできません。

 今回の田中さんのように、初診日の証明が不十分なため障害年金の請求を断念したり、請求してみたけど障害年金の受給が認められなかったりしたケースは後を絶ちません。そのようなことを防ぐためにも、受診状況等証明書は早めに入手しておきたいところです。

 受診状況等証明書には有効期限がないため、一度取得してしまえばずっと使えます。受診状況等証明書は日本年金機構のサイトからダウンロードするか、年金事務所で相談をしたのち交付してもらうことができます。

社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也

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