大阪・関西万博の「未来チャリ」ついに公道OKへ! バッテリー無しでアシスト走行 その仕組みは?
- 乗りものニュース |

日本初!「水素アシスト自転車」が型式認定に合格
YOUON JAPAN(東京都新宿区)はこのたび、同社が開発した「水素アシスト自転車」が国内で初めて型式認定に合格したと発表しました。
24型 水素燃料後輪駆動電動アシスト自転車「U200」(画像:YOUON JAPAN)
今回、国家公安委員会の型式認定に合格したのは、水素燃料の後輪駆動式電動アシスト自転車「U200」です。認定日は2025年10月3日です。
型式認定とは、電動アシスト自転車などが道路交通法の基準に適合しているかを公的に審査・認定する制度です。
また、TSマーク(型式認定に対応した尾灯・反射鏡・警音器などを備えていることを示すマーク)を取得するための前提であり、これに合格したということは、この水素自転車が従来の電動アシスト自転車と同じように、公道を適法かつ安全に走行できる車両であると、国からお墨付きをもらったといえます。
これまで水素エネルギーの利用は、産業用や研究用といった限られた分野が中心でした。
しかし、身近な乗りものである自転車で型式認定を取得したことで、通勤や通学、買い物といった私たちの日常生活の中に、水素エネルギーが入ってくる道が大きく開かれたことになります。
今回認定された「U200」は24型(インチ)の自転車です。最大の特徴は、その名のとおり動力を生み出す仕組みにあります。
排出は「水」だけのクリーンなシステム。
従来の電動アシスト自転車が、あらかじめコンセントから充電したバッテリーの電気でモーターを回すのに対し、「U200」は水素と空気中の酸素を化学反応させて自ら発電し、その電力でモーターを駆動させます。
YOUON JAPANの水素エネルギー・ソリューションの解説(画像:YOUON JAPAN)
そのため、走行中に排出されるのは「水」のみです。二酸化炭素(CO2)を一切出さない、極めて環境負荷の低い移動手段といえるでしょう。
燃料となる水素は小型のカートリッジ式を採用しており、ユーザーが安全かつ簡単に交換できる仕組みになっています。
この技術はすでに実績があり、2025年の「大阪・関西万博」では会場スタッフの移動用モビリティとして採用され、環境配慮型交通の象徴として活躍する予定です。
開発元のYOUON JAPANは「太陽光と水があれば水素が生まれる」をテーマに掲げています。
太陽光発電で得た電力を使って水を電気分解し水素を生成・貯蔵し、それを自転車だけでなく家庭用電源や調理用コンロ、モバイル発電機などにも活用する独自システムを開発しています。
この仕組みは、災害時にも水と太陽光さえあればエネルギーを確保できる「分散型電源」としても期待されています。
同社は今回の型式認定をきっかけに、日本国内および海外での水素モビリティ普及を本格化させるとしており、今後は水素スクーターや業務用ハイパワー発電システムなど、多様な製品への応用を進めていく方針です。
今回の発表では、発売日や価格は伝えられませんでした。本体価格や水素カートリッジなどの価格、航続距離は特に気になるところです。続報に期待しましょう。
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