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豪州戦勝利も苦況…日本サッカー協会と森保一監督、危機管理上問題なかった?

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  • 2021年10月24日
オーストラリア戦で先制ゴールを決める田中碧選手(2021年10月、時事)
オーストラリア戦で先制ゴールを決める田中碧選手(2021年10月、時事)

 10月12日、サッカーワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本対オーストラリア戦が行われ、日本は2対1で勝ちました。日本は同予選で既に2敗しており、森保一監督の解任論が高まる中での劇的勝利となりました。ネット上では、日本代表に称賛の声が上がる一方で、「勝ったけど、森保監督の交代は必要」という声も多く出ています。11月にはベトナム戦とオマーン戦が控えており、予選を突破するためには連勝が求められます。

 日本代表が最終予選で苦戦を強いられている現状について、代表チームの編成・強化などを担当する日本サッカー協会(JFA)や、チームを指揮する森保監督の危機管理に問題はなかったのでしょうか。組織の危機管理にも詳しい、広報コンサルタントの山口明雄さんに聞きました。

11月に負けたら監督交代を

Q.サッカーW杯アジア最終予選で、日本代表は現在、2勝2敗と苦戦を強いられています。JFAや、チームを指揮する森保一監督のこれまでの対応に問題はなかったのでしょうか。危機管理の視点で教えてください。

山口さん「危機管理の視点で見ると、JFAの対応と、森保監督の選手起用・采配の両方に深刻な問題があったと考えられます。特にJFAは日本代表が9月2日の初戦(オマーン)で負けた時点で、監督の交代を検討すべきだったと思います。第2戦(中国)、または第3戦(サウジアラビア)でも負けた場合、それ以降の試合にすべて勝たなければ、予選突破が困難になることがこの時点で分かっていたからです。

ただし、代表監督を交代し、よりよい成績を収めるためには、あらかじめ、優秀な監督候補を事前に準備しておくことが必要です。初戦に負けた時点で、JFAにその準備があったかどうかは分かりません。危機管理という言葉には『広義』と『狭義』の2つの意味があります。狭義の危機管理は危機が発生した場合の対応です。一方、広義の危機管理は起こり得る危機を事前に洗い出し、危機対策をあらかじめ準備しておく『リスク管理』を含みます。

JFAにおいてはリスク管理が大切です。なぜなら、危機が発生してからの危機対応は限定的で、監督の交代を決めたとしても、優秀な監督候補と直ちに交代できる状態でなければ、場当たり的な対応になるからです。森保監督は、例えば、『初戦で負けた場合、過去の実績で選手を起用する方針から、所属チームで好調な選手を積極的に起用する方針へ大胆に転換する』など、その後の試合で負けないためのリスク管理を当初から導入しておくべきでした。

しかし、その後の中国戦、サウジアラビア戦もオマーン戦と似たような采配だったと思います。崖っぷちの状況で勝利したオーストラリア戦で、ようやく、田中碧選手のような新たな選手をスタメンに起用し、それまでの試合とは異なる采配で試合に臨んでいました」

Q.アジア最終予選は残り6試合ありますが、日本代表がB組2位以上で予選を突破するには全試合勝たなければならないと思います。危機管理上、JFAや森保監督にはどのような対応が求められるのでしょうか。

山口さん「森保監督の場合、『ソーシャルリスニング』を活用することが、勝ち続けるための一つの方策となるのではないかと思います。ソーシャルリスニングとは、SNSなどに寄せられる自社企業のブランドや商品に関するコメントを傾聴、分析し、その結果を企業経営に取り入れることです。業績不振からの脱却や業績のさらなる向上に大きな効果を発揮するといわれています。

森保監督の選手起用や采配について、SNSやマスメディアで、サッカー解説者をはじめ、多くの人がさまざまな意見を述べています。『攻撃的サッカー』をキーワードにして、ソーシャルリスニングを実施し、新たな選手の起用やスタメンの顔ぶれ、フィールド上での選手の配置などに関する情報を集めて分析し、その結果を大胆に取り入れることが、残りのすべての試合に勝つための強力な対応策になり得るのではないかと私は思います。

例えば、新たな選手の起用としては、三笘薫(みとま・かおる)選手が挙げられます。彼は10月16日(現地時間)、ベルギー1部リーグの試合に後半頭から出場しました。前半終了間際に退場処分を受けた選手がいたため、チームは10人で戦わねばならず、また、2点差をつけられた中での途中出場でしたが、彼はハットトリックを達成し、チームを逆転勝利に導きました。

ツイッターでは『日本代表の救世主』など、三笘選手を称賛する投稿があふれたので、ソーシャルリスニングの果実を活用し、三笘選手のような新しい選手を大胆に起用すべきだと思います。なお、JFAについては、現時点で有能な代わりの監督を特定していて、直ちに交代が可能な状況でない限り、当面の有効な対応策は考えられないのではないかと思います」

Q.11月にはベトナム戦とオマーン戦が控えていますが、日本代表が負けた場合、JFAはどのような決断をすべきなのでしょうか。

山口さん「11月のベトナム戦、オマーン戦のいずれかに負けた場合、来年1月から再開する最終予選は新監督で戦うべきだと思います。同時に2026年W杯での目標(ベスト8など)を直ちに立てて、目標に向かって動きだすべきだと思います。その一環として、森保監督の解任と新監督の任命は既定路線だと思いますが、JFAの田嶋幸三会長の交代も検討されるべきだと思います。

次に実施すべきことは、2026年W杯に向けて、リスク管理を導入することです。例えば、アジア予選での危機的な事態としては具体的にどのようなケースが考えられるか、それぞれのケースにどう対応するか、監督の途中交代はどの時点で必要か、交代が可能な監督候補とはどのような形で連絡を取り合っておくべきかなど、あらかじめ起こり得る危機を洗い出し、それぞれに対する対応策を策定し、必要なときに素早く対応できる態勢を整えておくことが重要であると思います」

Q.サッカーの代表チームに限らず、企業や団体が「売り上げや目標を達成できない」などの危機に直面した場合、危機管理上、どのような対応が求められるのでしょうか。早い段階で組織のトップを交代させた方がよいのでしょうか。

山口さん「企業や団体が危機に直面した場合、直ちにトップを交代させるより、大胆な改善に取り組む方がよい場合が多いと思います。なぜなら、サッカーの代表チームと違って、企業や団体の存在目的は複雑です。『勝ち進むこと』に相当する短期的に大きな利益を上げ続けることは必ずしも、企業や団体が目指す存在目的ではありません。利益はそこそこでも、持続的に成長を続ける方を重視する企業や団体も少なくないからです。

また、従業員の雇用安定や社会的責任についても、より大きな責任が課せられています。そのため、直ちにトップの交代を行うことが、危機からの脱出に効果的であるとは一概にはいえません。企業や団体でも、危機時に大胆な改善策を直ちに導入するためには、平時に潜在危機の改善策を準備しておくことが必要です。例えば、『○月までに売り上げが目標に届かない場合、主力商品をAからBに切り替える』などのリスク対策が準備されていれば、危機をより効果的に乗り切ることができると思います」

オトナンサー編集部

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