首都高「あと2年でほぼ“ETC専用化”」に黄信号? 利用者は“支持派”多数も課題 現金車はどうなるのか
- 乗りものニュース |
工事始まります。
完全ETC専用化に最も近い首都高
首都高速道路は2024年4月2日、前月29日に開催された「第1回 首都高速道路ETC専用化連絡調整会議」の結果概要を発表しました。
ETC専用の首都高料金所の例。一般レーンは誤進入車のための「サポート」レーンとなった(画像:写真AC)。
首都高では2022年3月から35の料金所でETC専用運用を開始。これは全国の高速道路会社で最も多い数ですが、その後は増えていません。
国が示したロードマップでは、「2025年度までに9割(160か所程度)」の料金所をETC専用とし、都市部において概成を図るとされています。その後も拡大を続け、2030年度頃までに全線ETC専用とするビジョンが示されています。
ETC専用運用の導入後、首都高ではETC車への転換が進み、ETC利用率はさらに増加、1月時点で98.3%まで増加しているそうです。ETC専用入口ではETC車と現金車との混在がなくなり、接触事故も減少しているのだとか。スムーズに走行できるなどの理由で、利用者アンケートではETC専用化に「満足」と答えた人が64%を占めているそう。
一方、ETC専用入口の誤進入車も1か月あたり1.5万台程度あるといい、その大半は「ETC専用入口を初めて利用する車両及びレンタカー」なのだとか。誤進入車への後日支払い請求の事務作業も煩雑で、大きな負担になっているといいます。
このことも含め、今後は遠隔監視によるETC専用料金所の無人運用も始まることから、さらなる拡大には機器を追加整備する必要があるといいます。老朽化しているETC機器の更新も兼ね、今後160の料金所について、ETC専用化のための工事を実施するとしています。
ただ、それが2025年度までに終了する予定かは、不透明なようです。
「半導体不足の影響で、車両検知器などの調達に遅れが発生しています。現在、拡大整備の行程について検討中です」(首都高速道路)
非ETC車による誤進入対応の将来的なイメージとしては、カメラでナンバーを読み取り、後日支払い車報告書の自動作成や車籍情報、請求先情報の自動抽出を可能とするシステムを構築するとしています。このシステムの確立も、ETC専用化拡大のカギになってきそうです。
ちなみに、非ETC車で料金を支払わず、繰り返し不正利用する車両については、直接警告、さらに刑事立件といった手順で対応するそうです。
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