貨物船の「スエズマックス」と「パナマックス」の意味ってなに? 世界の海運を支える船の規格 どっちの方が大きい!?
- 乗りものニュース |

なにがマックスなのか?
よくタンカーや貨物船の引き渡しなどがある場合、「スエズマックス」や「パナマックス」という分類が用いられますが、これは、世界の海運を支える二つの運河に関係しています。スエズ運河とパナマ運河です。
パナマ運河を通る日本郵船のLPG船(画像:日本郵船)
スエズ運河はアフリカ大陸とシナイ半島の接点に位置し、地中海と紅海とを結び、アフリカ大陸を回らずともヨーロッパとアジアを海運で結ぶことを可能にしています。一方のパナマ運河は、南北アメリカ大陸をつなぐ地峡に位置し、太平洋と大西洋を結んでいます。
この運河を、積み荷を満載した状態で安全に通れる最大の船の規格を表すのが、スエズマックスとパナマックスです。スエズマックスは全幅50m、喫水20.1m、喫水上高さ68mで、全長制限はありません。パナマックスの方は、2016年の拡張工事以降のパナマ運河を通れるようになった「新パナマックス」が全長366m、全幅49m、喫水15.2m、喫水上高さ57.91mです。それ以前のパナマックスは、全長294.1m、全幅32.3m、喫水12m、喫水上高さ57.91mになります。
スエズマックスの方が大型で、全長に対する規制もありません。それは、パナマ運河の構造に理由があります。同運河は、内陸にある標高26mの人工湖であるガトゥン湖を頂点にしており、海から来た船は湖に向かって閘門(水門)で3回上昇し、湖から海に向かって3回下降します。
この閘門に収まるサイズに制限があることから、パナマックスには全長の制限も設けられています。スエズ運河はスエズ地峡を掘り進んだ水平運河であることから、全長に細かい制限を設ける必要がないというわけです。
当然、船会社は一度に多くの積み荷を運びたいため、船をギリギリまで大きくしようとします。その基準となるのが、スエズマックスやパナマックスなどの規格になるわけです。なお、マレー半島とスマトラ島の間にある「マラッカ海峡」を通過できる船の最大サイズであることを示す「マラッカマックス」という船の種類もあります。ちなみにサイズは、全長333m、全幅60m、喫水20.5mになります。
なお、スエズ運河やパナマ運河がない場合は、アフリカの喜望峰経由のルートが一般的になります。大西洋からアジア方面に向かう場合も、同じように喜望峰経由のルートを通るのが一般的です。南米最南端のマゼラン海峡やドレーク海峡から太平洋に出て、アジア方面に向かう方法もありますが、距離が長いことや、天候が不安定で専用の水先人が必要であるため、ほとんど使われません。
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